現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ノリスのアンダーカットが、ルクレールの”追い風”に? フェラーリの1ストップ戦略の成否を左右したタイヤの使い方

ここから本文です

ノリスのアンダーカットが、ルクレールの”追い風”に? フェラーリの1ストップ戦略の成否を左右したタイヤの使い方

掲載 1
ノリスのアンダーカットが、ルクレールの”追い風”に? フェラーリの1ストップ戦略の成否を左右したタイヤの使い方

 フェラーリは、F1イタリアGPでシャルル・ルクレールがランド・ノリス(マクラーレン)にアンダーカットされたことで、逆に優勝するチャンスが増したのではないかと考えている。

 イタリアGPをポールポジションからスタートしたノリスは、チームメイトのオスカー・ピアストリにオープニングラップの第2シケインで抜かれたばかりか、ルクレールにも追い抜きを許し3番手に後退した。

■F1分析|マクラーレンはなぜモンツァで勝利を逃したのか? 読みきれなかった路面の改善と”パパイヤ・ルール”

 ポジションを挽回すべく15周目、上位陣の中で最初にピットインしたノリスは、ルクレールをアンダーカット。2番手を取り戻した。

 一方のルクレールにはステイアウトするという戦略もあったものの、チームはノリスの1周あとにピットへ呼び戻した。この判断にルクレールは「あれは何だったんだ? なぜピットインしたんだ?」と不満を訴えていた。

 このピットイン判断について、チームのフレデリック・バスール代表は、マクラーレンと同じような戦略を採ることを選んだという。その理由として「我々はその段階でタイヤに関してアドバンテージがあるという感触があったからだ」と説明した。

 そしてそのアドバンテージは非常に大きく、ルクレールとチームメイトのカルロス・サインツJr.は1ストップでレースを走り切ることに成功。サインツJr.は4位となったが、ルクレールは逃げ切り、チームのホームレースで見事な優勝を飾った。

 しかしフェラーリはレースを振り返り、ノリスにアンダーカットされ、ポジションを落とすことが分かっていたことから、ルクレールはアウトラップをフラットアウトでプッシュする必要がなくなり、ハードタイヤの温度を徐々に上げることができた。これが1ストップ作戦を可能にした重要な要素だったという。

「戦略上、1ストップがベストなのは明らかだったが、(タイヤを履き替えたあと)最初の2、3周はオーバープッシュしないよう、ゆっくり入る必要があった」

 そうバスール代表は語った。

「ポジションを落とし、戦わなかったことでハードタイヤの第2スティントでよりよい入り方が出来たのは事実だ」

「最初の2、3周は本当にコントロールできていた。彼はかなりマネジメントしていた。それがレース終盤で実を結んだんだ」

 第1スティントでサインツJr.は、「彼らは最後まで走り切るのに苦労しそうだ」と語っていたが、マクラーレンのタイヤ摩耗は激しく、2ストップ戦略を採ったことでその正しさが証明された。

 ピレリのモータースポーツ・ディレクターであるマリオ・イゾラによると、レース前にチームが警戒していたタイヤのグリップを低下させるグレイニング(ささくれ摩耗)現象を回避するためには、スティントの最初にタイヤをケアすることがカギになったという。

「金曜日のロングランで何が起きたのかを見てみると、タイヤを穏やかに使い始めたドライバーのデグラデーションが、はるかに低くなっていたんだ。一方で、1周目からプッシュしたドライバーのデグラデーションは大きかった」

「レース中にそういうマネジメントをするのは難しい。なぜならコース上でポジションを守るためには、あまりスローダウンできないからだ」

「ただあまりスローダウンする必要はないんだ。グレイニングが始まるのを避けるためには、フロントもしくはリヤに過度なストレスがかからないよう、注意すればいい。ただフェラーリはハードコンパウンドを履いた最初の数周をうまく使っていたため、最後までタイヤが持ちこたえたのだと思う」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

F1分析|ローソンが阻止した? 今回も実はハード→ミディアムの逆張り戦略は成功だったかもしれない
F1分析|ローソンが阻止した? 今回も実はハード→ミディアムの逆張り戦略は成功だったかもしれない
motorsport.com 日本版
新シャシー投入も、ペレス復活の役に立たず……スプリント予選SQ2敗退「路面温度が下がったのが悪影響になった」
新シャシー投入も、ペレス復活の役に立たず……スプリント予選SQ2敗退「路面温度が下がったのが悪影響になった」
motorsport.com 日本版
マクラーレンF1代表、メキシコシティGP予選ポールポジション逃し「取りこぼしがあった」しかし3番手ノリスは限界到達を示唆
マクラーレンF1代表、メキシコシティGP予選ポールポジション逃し「取りこぼしがあった」しかし3番手ノリスは限界到達を示唆
motorsport.com 日本版
サインツJr.ポールの裏で4番手のルクレール、低グリップのメキシコで自身の苦手分野が露呈?「僕は予選で攻めすぎる傾向がある」
サインツJr.ポールの裏で4番手のルクレール、低グリップのメキシコで自身の苦手分野が露呈?「僕は予選で攻めすぎる傾向がある」
motorsport.com 日本版
インディカーで活躍するオワードがついに地元メキシコでF1ドライブ。ピアストリから0.3秒差に本人満足「求められている事こなせた」
インディカーで活躍するオワードがついに地元メキシコでF1ドライブ。ピアストリから0.3秒差に本人満足「求められている事こなせた」
motorsport.com 日本版
ピアストリ、スプリント予選最速もレースではF1タイトル争うノリスを援護? レース勝利譲る可能性を示唆
ピアストリ、スプリント予選最速もレースではF1タイトル争うノリスを援護? レース勝利譲る可能性を示唆
motorsport.com 日本版
ペレス、F1母国GPでまさかの予選Q1敗退。その背景にはブレーキトラブル……セットアップ変更でピットスタートの可能性も?
ペレス、F1母国GPでまさかの予選Q1敗退。その背景にはブレーキトラブル……セットアップ変更でピットスタートの可能性も?
motorsport.com 日本版
F1分析|息を吹き返した第2スティントのノリス……一方で心配すぎるフェルスタッペンのペース
F1分析|息を吹き返した第2スティントのノリス……一方で心配すぎるフェルスタッペンのペース
motorsport.com 日本版
バニャイヤ、マルケスのプレッシャー跳ね除け今季9勝目! マルティンとのポイント差詰める|MotoGPタイ決勝
バニャイヤ、マルケスのプレッシャー跳ね除け今季9勝目! マルティンとのポイント差詰める|MotoGPタイ決勝
motorsport.com 日本版
フェラーリ代表、ルクレールが2位失った原因は周回遅れの”トラフィック&青旗無視”と主張|F1メキシコシティGP
フェラーリ代表、ルクレールが2位失った原因は周回遅れの”トラフィック&青旗無視”と主張|F1メキシコシティGP
motorsport.com 日本版
メルセデスF1の2024年マシンW15はチーム史上”最も一貫性がない”とラッセル批評「いきなりパフォーマンスを失う」
メルセデスF1の2024年マシンW15はチーム史上”最も一貫性がない”とラッセル批評「いきなりパフォーマンスを失う」
motorsport.com 日本版
フェルナンド・アロンソ、前人未到F1”400戦目”はブレーキ温度上昇でリタイア。しかし前を向く「パフォーマンスを改善したいね」
フェルナンド・アロンソ、前人未到F1”400戦目”はブレーキ温度上昇でリタイア。しかし前を向く「パフォーマンスを改善したいね」
motorsport.com 日本版
【MotoGP】マルティン「マルケスが前で転んだおかげでクラッシュを回避できた」2位確保でタイGPに満足
【MotoGP】マルティン「マルケスが前で転んだおかげでクラッシュを回避できた」2位確保でタイGPに満足
motorsport.com 日本版
ハミルトン、メキシコでも新型パッケージを使用。旧型に戻すラッセルと比較
ハミルトン、メキシコでも新型パッケージを使用。旧型に戻すラッセルと比較
motorsport.com 日本版
RB代表、F1メキシコシティGP無得点に悔しさ隠せず「ユウキは予選から歯車が狂った」目線は次戦ブラジルに
RB代表、F1メキシコシティGP無得点に悔しさ隠せず「ユウキは予選から歯車が狂った」目線は次戦ブラジルに
motorsport.com 日本版
早々クラッシュの初FP1から2ヵ月弱……アントネッリ、2度目のF1セッションは限界見極め「かなり落ち着いて走れた」
早々クラッシュの初FP1から2ヵ月弱……アントネッリ、2度目のF1セッションは限界見極め「かなり落ち着いて走れた」
motorsport.com 日本版
レッドブル代表、フェルスタッペンとノリスのバトルに疑問「ノリスは押し出されなくてもコーナーを曲がれなかったんじゃないか?」
レッドブル代表、フェルスタッペンとノリスのバトルに疑問「ノリスは押し出されなくてもコーナーを曲がれなかったんじゃないか?」
motorsport.com 日本版
フェラーリさん、もう少し早く言ってあげなきゃ。FP1でクラッシュのアルボン、原因となったベアマンを責めず「言うまでもなく彼は新人だ」
フェラーリさん、もう少し早く言ってあげなきゃ。FP1でクラッシュのアルボン、原因となったベアマンを責めず「言うまでもなく彼は新人だ」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

1件
  • wat********
    ノリスの後 直ぐにルクレールを入れたのは、ピアストリをバックアップさせ 2ストップにさせるためです
    38ラップ残しは 確かにギャンブルだったが、その自信があっての事
    それにどちらにしても駄目なら 2ストップをさせて、3位と4位を 1ストップのサインツと分け与えばいいだけ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村