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【じっくり見たい】マクラーレン・スピードテール日本上陸 2.4億円 3人乗り/最高速403km/h 最新技術/内装を解説

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【じっくり見たい】マクラーレン・スピードテール日本上陸 2.4億円 3人乗り/最高速403km/h 最新技術/内装を解説

マクラーレン初のハイパーGT

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

【画像】マクラーレン・スピードテール【細部まで撮影】 全98枚

マクラーレンのアルティメット・シリーズの新たな方向性を示すハイパーGT「スピードテール」。コロナ禍で止まっていたラインが7月から復旧し、ようやく日本に上陸しお披露目された。

アルティメット・シリーズとは、同社ラインナップの頂点に位置する系列だ。

極限に迫るパフォーマンスを現実にした「P1」と、サーキットでの運動性能を突きつめた「セナ」に続くのがこのモデルで、これまでとは違う方向性で“究極”を目指している。

「スピードテール」は、最上級のラグジュアリーとパフォーマンスを融合させたハイパーGTとして送り出された。

最大の特徴は、徹底的にエアロダイナミクスを磨き上げ、1070psを発揮するハイブリッド・パワーを搭載しながら、ドライバーが中央に座る3座レイアウトを採用したこと。

最高速度は、伝説のマクラーレンF1ロードカーの391km/hを上回る同社の市販車史上最速となる403km/h。0-300km/h加速は、12.8秒という圧倒的なパフォーマンスを備える。

また、「スピードテール」を印象付けるのが、他のどのモデルとも似ていないスタイリングで、現代のスーパースポーツでは見られない柔らかで伸びやかなラインでまとめられている。

往年のストリームライナーやル・マン・カーを思わせる長いリアエンドにより、空気を切り裂くのではなく、滑らかに潜り抜けてゆくことが分かる。

ちなみに全長は5137mmで、セナに比べ393mmも長い。

突き詰めたエアロダイナミクス

スピードテール最大のテーマとなったのが徹底したエアロダイナミクスで、ドラッグを抑え、最高速度を最大化すること。

すべてのラインやカーブは、ドラッグを軽減すべく緻密に造形が突き詰められている。実際にクルマを上から見ると、自然界で最速の形状であるティアドロップ型とされているのがよく分かった。

ノーズのインテークからリアエンドまで子細な空力処理が施されているが、注目したいのがフロント・ホイールを覆うスタティック・エアロカバー。

ホイールが回転することにより発生する乱流を整え、ボディサイドに沿ってリアに流す効果がある。なお、後輪では効果が薄いため付けられていない。

次なる新機構は、リアカウル後端に備わる「アクティブ・エア・エルロン」だ。これまでのスポイラーを廃し、その代わりにカーボンファイバー製のフレキシブル・カウルが組み込まれ、ドラッグを大きく低減。

ダウンフォースが必要な場面では、ボディがせり上がり走行安定性を高め、エアブレーキとしても機能する。

ドアミラーが消えたのもスピードテールのニュースで、2台のHDカメラを用いたデジタル・リアビュー・カメラを採用。カメラからの映像は、インストゥルメントパネル両端のモニターに表示される。

カメラはドアに組み込まれているが、最高速度に挑む際に各部を最適化する「ベロシティ・モード」設定時には、格納され空気抵抗を低減させる。

ハイブリッドにより1070psを実現

スピードテールにはマクラーレンのロードカーで最大となる1070psの最高出力を発揮するパワートレインが搭載された。

ミドに積まれるV型8気筒3994ccガソリン・エンジンは、ツイン・ターボチャージャーで武装し757psをマーク。そこに電動モーターの313psが上乗せされる。

電動モーターはエンジンとギアボックスの間に配置され、マクラーレンが開発したバッテリーの電力密度は5.2kw/kgと自動車用高電圧バッテリー・システムでは最高のパワー・ウェイト・レシオを実現。

走行中は絶えず充電されるためプラグインは備わらない。また、駐車時のバッテリー充電は、フロア面に内蔵された電磁誘導システムのみとなる。

この1070psの最高出力とセナより100kg軽い1430kgの車重により、0-300km/h加速はP1の16.5秒を大きく上回る13.0秒を記録。

最高速度は、F1の391km/hを上回る403km/hをマークする圧倒的なパフォーマンスを備えた。

シャシー&内装 3座レイアウト復活

「スピードテール」のシャシーの基本となるカーボン・ファイバー製モノケージは、セナのタイプIIIを進化させたタイプIVに変わり、Aピラーは極限まで細くされ、視認性を高めている。

そこにカーボン・ファイバー製のボディパネルが組み合わせられる形だ。

アルミ製のサスペンション、カーボン製のブレーキ・ローターが採用され、軽量化は車体の隅々まで及び1430kgを実現。

ドアはおなじみのディヘドラル・タイプを備えた。

「スピードテール」のインテリアは、ドライバーがキャビン中央に座り、パッセンジャーが両脇に座るマクラーレンF1以来の3座レイアウトが特徴。

キャビンのスイッチはドライバーを中心に配置され、ダッシュ下部のほか、航空機を思わせる圧延アルミ製のオーバーヘッドコンソールに集約されている。

フロントガラスにはエレクトロ・クロミックが採用され、状況に合わせて濃度を変えて暗くなる。これによりサンバイザーが廃止された。

ルーフはパノラマ・ガラスドーム・タイプで、左右はドア上部まで、後方はリアアクスルの手前まで広がる。またコックピット内の照明は、ガラス内蔵のLEDが受け持つ。

価格 邦貨2億3860万円~ すでに完売

マクラーレン・スピードテールのスターティング・プライスは、175万ポンド(本日のレートで2億3860万円)。ここに、ビスポーク・プログラムが追加されることになる。

限定生産の106台は、すべて完売となっており、日本には数台がデリバリーされるという。

今回日本でお披露目されたスピードテールは、ブルワイ・ホワイトと名付けられたパールの淡いブルーのエクステリア・カラーで仕上げられていた。

この色は創始者ブルース・マクラーレンの自宅の壁やドアに塗られていた色を再現したというマニアックなものである。

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