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群を抜く躍動感:ディアブロ 時間の流れとは無縁:エリーゼ S1 輝かしい1990年代のクルマ(2)

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群を抜く躍動感:ディアブロ 時間の流れとは無縁:エリーゼ S1 輝かしい1990年代のクルマ(2)

ランボルギーニ・ディアブロ:群を抜く躍動感

1990年に登場したランボルギーニ・ディアブロは、今でも強く惹かれるクラシック・スーパーカーだろう。カウンタックの後継モデルとして登場し、四輪駆動を先駆けて導入。今回のSVは、後輪駆動の進化版となる。

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ディアブロは、ランボルギーニがクライスラー傘下だった時代に開発された。マルチェロ・ガンディーニ氏によるスタイリングは、クライスラーの解釈で柔らかく調整され、時代の経過は隠せていない。

今回ご登場願った1台は、AUTOCARがかつて試乗テストした車両。シザーズドアは乗降性に優れず、運転姿勢は少しぎこちない。後方視界は極めて悪く、バックでの駐車は簡単ではない。

それでも、V12エンジンのパワーとサウンド、ゲートの切られたマニュアルが相乗した、運転体験は濃密。現代的な制限とは無縁の、群を抜く躍動感に圧倒される。特性を理解すれば、運転もさほど難しくはない。

ステアリングは重いが、グリップは見事。車重は1570kgと、2025年の水準では軽い。30年前には大きすぎ重すぎると感じたディアブロSVだが、今走らせると、そんなことはまったくなかった。

ロータス・エリーゼ S1:時間の流れとは無縁

1995年に発売されたロータス・エリーゼ S1のデザインは、時間の流れと無縁なように見える。オリジナルこそ最高、と認めるファンは少なくない。均整の取れた滑らかなボディは、現代でも充分に通用するだろう。

エリーゼ S1は、技術的にも古くはない。押出成形されたアルミニウム材をシャシーへ採用し、劣化しにくい接着剤で結合。優れたシャシー剛性と軽さを叶えている。

この時代のロータスは、前輪駆動の新世代エランで失敗した後だった。しかしコンパクトでシンプルな後輪駆動という、創業者のコーリン・チャップマン氏の哲学が、しっかり取り戻されている。

その頃のAUTOCARは、新しいセブンだと評して魅了された。セブンより洗練度は遥かに高く、車重は重かったものの、一般的で高価ではないコンポーネントが巧みに利用されていた。

筆者は、エリーゼ S1を2台所有した。馬力の割に速く、敏捷で運転が楽しく、信頼性も低くなかった。乗降性は悪く、閉めれば特別な空間が生まれるソフトトップは、扱いにくかった。それでも、パワーステアリングが不要な理由を味わわせてもらった。

メルセデス・ベンツAクラス:小さなボディに大空間

初代メルセデス・ベンツAクラスは、個性の強さで自動車史に刻まれる1台だ。発売当初、エルクテストと呼ばれる危険回避テストで安定性を失い、話題を集めたことをご記憶の読者はいらっしゃるはず。

ドイツの高級ブランドが、フォードやルノーといったベーシックブランドのシェアを奪い取るための、新カテゴリーとして開発されている。全長は3615mmと短く、全高は1600mmと高い。

ジェームス・ディスデイルは、用意したA 140へ吸い寄せられるように近づく。「運転してみると、革命が起きなかったのが不思議に思えます。販売数も悪くありませんでした。大胆なアプローチへ追従する他メーカーは、ほぼ現れなかったんですよね」

開発費は膨大だったが、小さなボディに驚くほどの空間が創出されている。巧妙なサンドイッチ構造のシャシーは、衝突時にエンジンが車内へ侵入するのを防いでいる。

「SUVのような着座位置は、優れた視界を生み出しています。エルクテストの結果を忘れさせるほど、走行時の安心感は高く、機敏に扱えますよ」

MGF:どんな速度域でも楽しいスポーツカー

1980年代に、ローバー・グループはMGブランドを活用すべく、Kシリーズ・エンジンとローバー・メトロのサスペンションを流用した、MGFというミドシップ・ロードスターの開発へ踏み切った。MGBの生産終了後に、市場の要望へ応えるために。

しかし発売は1995年で、BMWがローバーを買収した直後。ところが5年後にBMWはローバーを手放し、MGローバーとして復活。技術的にアップデートされ、MG TFとして再生産されている。

スタイリングは、現在はジャガー・ランドローバーでデザイン部門を取り仕切る、ジェリー・マクガバン氏。見た目は悪くなく、一時はマツダMX-5(ロードスター)に並ぶ販売を記録している。反面、製造品質とブラントとしての不安定さが、足を引っ張った。

現在でもルックスは良い。お手頃な価格で購入できる、実用的な2シーター・ロードスターといえる。マット・ソーンダースは、MX-5の楽しさには及ばないと指摘するが、反応の良さと敏捷性、ハイドラガス・システムの乗り心地を褒める。

「気軽に乗れるスポーツカーですね。ホイールスピンを誘う必要性を感じず、どんな速度域でも楽しいですよ」

この続きは、輝かしい1990年代のクルマ(3)にて。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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