青春時代のアイドルのような存在
トヨタの初代セリカ(A20/A30型)と日産の4代目スカイライン(C110型)は、GTの性能競争などで盛り上がりながら、1970年代当時の多くのクルマ好きの心をつかんだ。セリカのスタイリッシュさに対し、幅広なCピラーのスカイラインには賛否両論があったが、全長こそ6気筒のスカイラインが20cm程度長く大柄に思えたが、実際には全幅は5mmしか違わず(セリカ=1620mm、スカイライン=1625mm)、5ナンバーでやっていた頃の国産車のコンパクトさは感慨深い。
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筆者にとって今でも両車は思い出のアルバムの1ページを飾るクルマだが、強いていえば、このクルマたちが現役引退後、夜な夜な湘南の海岸線あたりに出没したド派手な改造車たちが、両車のイメージをいささか下げてしまったことが残念ではあった気がする。
セリカは大阪万博が開催された1970年12月、セダンの派生車ではない、日本初のスペシャルティカーとして登場。エンジンや内外観パーツなど自分で選べる“フルチョイスシステム”が話題となった。さらに73年4月にはリフトバック(LB)を追加。後席のシートバックを倒せば「ミニバイクやミニサイクルもハンドルを畳めばゆうゆう(カタログより)」と積め、カーライフの夢を広げた。
エンジン1.6リッターと2リッターの設定で、マイナーチェンジでホイールベースの延長(2425→2595mm)も実施。後期型の2000GT、2000GTVにはソレックスツインのトヨタの名エンジン、18R−GU型を搭載。このエンジンを搭載する2000GTでは、当時の北米の法規に合わせた5マイルバンパーがオプション設定されていた。
一方でスカイラインは“ケンメリ”と呼ばれた4代目が、セリカを迎え撃つライバルとして1972年9月に日産から登場。通称のケンメリはCMに登場した男女の“役名”で、相合い傘をイメージしたシンボルがプリントされたTシャツ、ステッカーなども販売、BUZZが歌ういかにも70年代流のゆったりした曲調のCMソング「ケンとメリー~愛と風のように~」も話題に。
ボディタイプは4ドアセダンと2ドアハードトップのほか、ワゴン/バンがあった点がセリカとの違い。エンジンは4気筒と6気筒があり、6気筒はホイールベースが長く、GTシリーズと呼ばれた。6気筒のL20型はいち早くEGI(電子制御燃料噴射装置)が採用され、排気ガス浄化装置にNAPSが使われ、130ps/17.0kgmと、2000GT同士ではセリカの130ps/16.5kgmにライバル心剥き出しのスペックを与えていた。 セリカとスカイライン。アラ還世代のオジサン達にとって、この2台は青春時代のアイドルのような存在だった
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