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インテリア、エクステリア、充電用ウォールユニット、メルセデスの電気自動車「EQC 400 4MATIC」の実用性を徹底検証!

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インテリア、エクステリア、充電用ウォールユニット、メルセデスの電気自動車「EQC 400 4MATIC」の実用性を徹底検証!

メルセデス・ベンツが大規模生産する初の電気自動車、EQCがいよいよ日本に上陸した。モデル名はEQC 400 4MATIC。GLCのプラットフォームを使ったコンパクトSUVであり、4MATICが示すように、床下に敷きつめられた80kWhの大容量リチウムイオンバッテリーとともに、前後にモーターを搭載。その総合最高出力は408ps、765N・mに達する。ただし、低負荷時には効率を高めるべく、フロントモーターのみで駆動する。

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EQCはインテリアデザイン、2面の10.25インチディスプレー、シフターなど、最新のメルセデスベンツ同様となり、これまでのメルセデスベンツからいきなり乗り換えても違和感なく走りだせるのも特徴だが、ほぼ唯一、EVらしいのが、パドルシフト。



それは回生ブレーキパドルとなり、基本のDに対して、左側の「-」を1回引くとD-となり、強い回生(減速)が得られ、もう1回引くとD- -という、日産e-POWERのようなワンペダル的なモードに入る。ただし、メルセデスベンツの考え方として、完全停止は行わない。

一方、右側の「+」を引くとD+となり、コースティングモードになる。これはアクセルペダルを緩めても減速しない空走状態のことである。

で、気になるのがEV航続距離。欧州のWLTPモード(けっこう厳しい)で400キロだが、今回の試乗開始時に示していた330キロ程度が、エアコンなどを使った実航続距離と考えていいだろう。300キロと言えば、東京駅から箱根はもちろん、河口湖、山中湖を往復できる距離である。

また、専用テレマティックサービス、MBUXで充電ステーション情報、充電スポットを意識したルート案内を行ってくれる便利さも注目点。ちなみに、車体にはふたつの充電口があり、ボディ右サイドに急速充電用、リアバンパー右角に家庭などでも充電可能な200V用が用意されている。充電時間は、高速道路のSAなどにある急速充電で10%から100%まで充電するのに約80分(1台の充電時間は30分までだが)、200V 30Aの普通充電で12~13時間だという。



車内の広さは、もともと、Cクラス/GLCベースだから、特に後席は特別に広いわけではない。身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で頭上に125mm、ひざ回りに160mmのスペースである。が、フロアからシート座面までの高さが360mmもあり、いすアップライトないす感覚で座れ、シートが前席に対して高めにセットされているため、よほど大柄な人でない限り、窮屈さは感じられないはずだ。

ちょっと気になったのは、降車性。ボディサイドの張り出した、乗降用の固定ステップが、降車時のみ、足に引っ掛かりやすかった。

とはいえ、ラゲッジスペースはけっこう広い。フロア奥行き1020mm、幅1095mm、天井高600mmと、同クラスのステーションワゴンに迫るスペースと言っていい。



さて、EQC 400 4MATICで走りだせば、当然のごとく、発進はモーター。強大なモータートルクによって、立ち上がりの大トルクを期待するところだが、意外にもジェントルな加速である。これは、メルセデスベンツが、あえてロケットダッシュの味付けをせず、メルセデスベンツらしい乗り味を重視しているからだ。確かにモーター走行ならではのスムーズさ、静かさはあるものの、乗り心地の超快適感、重厚感、上質感(タイヤは大径20インチ!)は、まさしくメルセデスベンツそのものであり、ガソリンやクリーンディーゼルのメルセデスベンツからいきなり乗り換えても違和感がない。

EVで気になるのが、パワーユニットがほぼ無音ゆえ、逆にタイヤが発するロードノイズや風切り音が目立ってしまうこと。が、EQCはロードノイズの遮断が見事で、また、ボディが発する風切り音も120km/h以下ならほとんど気にならないレベルに抑えられているから立派だ。

回生用のパドルシフトを使ってみた印象は、当たり前だが、通常のDレンジがもっとも走りやすい。使っても、渋滞路や山道でD-までという印象だった。

最後に、これからEQCの購入を検討するユーザーに朗報がある。まず、充電に必要なカード、メルセデスMeチャージが1年間無料であるとともに、EVに不安を持つユーザーのために、通常3年保証のところ、EQCは5年、10万キロ保証に延長。バッテリーは8年16万キロ保証となる。

さらにスタイリッシュなピアノブラック筐体にスリーポインテッドスターがあしらわれる、スタイリッシュな家庭用の充電用ウォールユニットが無償提供され、その工事費充当分として、車両本体価格の1080万円(消費税10%込み)から10万円(ほとんどの工事が10万円以下で済むはず)を値引いてくれるのだ。これらは、メルセデスベンツのユーザーが、メルセデスベンツ初の100%EVを手に入れる不安の一端を取り除く配慮ということだ。

それでも心配・・・でも、メルセデスベンツにはメルセデスベンツMeコール、SOSコールボタンがあるから心配無用。いざという時、オペレーターが強い味方になってくれる。

なお、2019年度は特別仕様車のEQC Edition 1886、1200万円のみの展開(基本部分はEQC400 4MATICに準じる)。試乗したEQC400 4MATICは2020年からの発売になる。

メルセデスベンツEQC
https://www.mercedes-eq.jp/lineup/eqc/

文/青山尚暉

モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。

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