2020年のNASCARカップ・シリーズ王者でもあるチェイス・エリオットが、北米発の新生ラリークロス選手権として、2022-23年には年またぎによるグローバル戦へと発展を遂げた『Nitro Rallycross(ナイトロ・ラリークロス/NitroRX)』第5戦へのワイルドカード参戦を表明。昨季に続き、カップシリーズ終了後のラリークロス参戦が実現することとなった。
11月12~13日にアリゾナ州フェニックスに位置するワイルドホースパス・モータースポーツパークで開催されるNitroRX第5戦に“カメオ出演”することが決まったエリオットだが、今季2022年もレギュラーシーズン大詰めを迎えたNASCARカップシリーズの本業では、トップ16が進出を果たすプレーオフに向け、早くもトップ通過を決める好調さを維持している。
DRR JCのアンドレアス・バッケルドが初勝利。初参戦クリストファーソンも表彰台に/NitroRX第2戦
そのエリオットは昨季、ノース・フロリダの“ザ・ファーム”で開催された2021年の最終戦でスバルWRX STIスーパーカーのステアリングを握ると、セミファイナルで2位を獲得していきなりのファイナルに進出。スタントドライブの第一人者トラビス・パストラーナが発起人となったシリーズ初参戦ながら、最終的に8位でイベントを終えていた。
エクストリーム・モータースポーツの草分け的イベントでもあるX Games(Xゲームズ)で複数のゴールドメダリストに輝き、5度の北米ラリー選手権王者も獲得したパストラーナは、この2022年に向け新生ラリークロス選手権としてNitroRXのグローバル化を果たし、開幕戦のイギリス・リデンヒルに続き、北欧スウェーデンのストレングネース特設トラックでの第2戦を成功裏に終えている。
その新生NitroRXがトップカテゴリーに据えるグループEクラスでは、新たに『FC1-X』と呼ばれるフルエレクトリックSUVが導入され、350mmの最大ホイールトラベル量により抜群のトラクション性能を発揮し、そのピークパワーは800kW(約1070PS)、そして1100Nmという途方もない最大トルクにより、最高速は180マイル(約290km/h)、0-100km/h加速はわずか1.4秒をマークする。
そんなモンスターEVによるワンメイク・イベントへ“ふたたびの初挑戦”を決めたエリオットは「フェニックスのNitroRXで、トラビスとふたたびシリーズのドアを叩くことができてとても興奮している」と意気込みを語った。
■「ふたたびエリオットをフェニックスに迎えることができて、とてもワクワクしている」と語ったパストラーナ
「昨年のイベントはとても楽しかった。ドライブは最高にクールだったし、コースは本当に“非現実的”だった。ギャップを使って交差するジャンプを飛び越えるには、最初は慣れが必要だったね。でも、このようなコースで自分のスキルを試し、ラリークロスのトップドライバーと競い合うスリルは、僕がこれまで充分に得ることができなかった類のものだ」と続けたエリオット。
そのNitroRXで2021年のシリーズチャンピオンにも輝いたパストラーナは、NASCARドライバーをゲスト参加させることに意欲を見せ、昨季第4戦となった同地ではカイル・ブッシュがスバルをドライブし、総合で4位フィニッシュを果たす健闘を見せた。また、SUBARUモータースポーツUSAの僚友としてスコット・スピードもシリーズ参戦を果たすなど、ファンに向けた“ショーアップ重視”の姿勢を示し続けてきた。
「海外戦を終えアメリカに凱旋する準備を進めているタイミングで、ふたたびチェイス・エリオットをフェニックスに迎えることができて、とてもワクワクしている」と、NASCARチャンピオン再招集の手応えを語ったパストラーナ。
「そう、あのNASCARカップシリーズ・チャンピオンのチェイスが戻ってきたことは素晴らしいこと。ファンに比類のないレースの興奮を提供しながら、モータースポーツで最高かつもっとも大胆不敵なドライバーに挑戦するという、僕らの目標を再確認するものだ。レース当日は、チェッカーフラッグが振られるまで誰もが全力で勝利を目指すはずさ!」
今季の新生NitroRXは、北米トップチームとしてモンスターエナジーRXカルテルを運営するドレイヤー&レインボールド・レーシング・ウィズ・JCレーステクニーク(DRR JC)がシリーズを席巻しており、ロビン・ラーソンとアンドレアス・バッケルドが開幕から勝利をシェア。続く第3戦は10月1~2日にミネソタ州ミネアポリスで故郷に戻り、10月29~30日にカリフォルニア州のグレンヘレンで第4戦を実施。そして11月12~13日にアリゾナ州フェニックスでの第5戦を迎える。
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