2月5日、オーストラリアのマウント・パノラマ・サーキットで、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第1戦『リキモリ・バサースト12時間』の決勝レースが行われ、サンエナジー1の75号車メルセデスAMG GT3(ジュール・グーノン/ケニー・ハブル/ルカ・ストルツ組)が総合優勝を飾った。
バサースト、キャラミ、スパ・フランコルシャン、インディアナポリス、そしてアブダビでのガルフ12時間の計5戦で争われる2023年のIGTC。そのシーズン開幕戦として行われたオーストラリア・ラウンドは週末を通じて好天に恵まれ、5日(日)の決勝も晴天のなかで実施された。
マーロ・エンゲル駆る999号車メルセデスAMG、レコードタイムでポール獲得/バサースト12時間
夜明け前の現地5時45分にスタートが切られた決勝は、まずはポールシッターの999号車メルセデスAMG GT3(グループMレーシング)が僅差ながらレース序盤戦をリードする。セーフティカー(SC)ランを挟んでスタートから3時間目に入ると、前日の予選で2番手グリッドを確保した888号車メルセデスAMG GT3(スーパーチープ・オート・レーシング)がトップに立った。
4時間目、SCラン中のピット作業で912号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイ・EMA)が888号車メルセデスを逆転。6時間目にはライバルと違うピット戦略をとる75号車メルセデスが首位を奪った。75号車そのままの順位でレースを折り返している。
後半戦は75号車と999号車の両メルセデスが、ピットタイミングごとにトップを入れ替えながらレースを進めていく展開に。その中で999号車は同じストラテジーで戦う912号車ポルシェや32号車アウディR8 LMSエボII(チームWRT)を徐々に引き離していった。
スタートから10時間の時点で首位999号車メルセデスと2番手912号車ポルシェのギャップは30秒。75号車メルセデスは32号車アウディを抜き、トップと42秒差の3番手につけた。50分後、上位陣が最後のピットストップに向かう。ここで首位999号車は通常の作業に加えてロガー送信機器の問題を解決する必要がありタイムを失う。辛うじて同時ピットとなったマンタイ912号車の前で復帰したメルセデスだが、その差はピットイン前の3分の1、約10秒となった。
また、直後に給油のみのピットインを行ったサンエナジー1の75号車は、マーロ・エンゲル駆る999号車を逆転してトップに浮上した。この直後から2台のメルセデスによるトップ争いが繰り広げられる。
■上位3台が1.4秒差でフィニッシュ
約20分にわたって続いたグーノンとエンゲルの同門対決はザ・チェイス直後の左コーナーで起きた接触によって幕を閉じる。75号車は、999号車がコーナーのインから飛び込んできた際に左側面をプッシュされるかたちとなりスピン。幸いにもすぐに復帰することができたが2番手に後退した。
一方、接触後トップに立った999号車にはドライブスルーペナルティの裁定が下る。これによりポールシッターは3番手にポジションを下げている。ライバルがペナルティを受けたことでふたたび首位に返り咲いた75号車は、レース最終盤にかけて今度はマット・キャンベルの912号車ポルシェからプレッシャーを受けることに。しかし、グーノンはライバルを退け323周目の終わりにトップチェッカーを受けた。この『323』というラップ数は、2020年にベントレー・コンチネンタルGT3が記録した314周の大会レコードを上回る新記録となっている。
2018年以来のバサースト復帰レースで優勝を目指したマンタイと、EMAモータースポーツの合同チームは0秒9267届かず総合2位に。3位には999号車メルセデスが入った。なお999号車はペナルティの消化後、75号車から約16秒のビハインドとなったがラスト35分で約14秒を削り、最終的にトップと1秒4177の差でフィニッシュしている。
総合4位は今季からBMW陣営として戦うチームWRTの32号車M4 GT3。前年の覇者トリプルエイトが運営するスーパーチープ・オート・レーシングの888号車メルセデスは総合5位に。6位にバレンティーノ・ロッシも乗り込んだチームWRTの46号車BMW M4 GT3が続き、プロ・アマクラスを制したスポーツベット・チームMPCの65号車アウディR8 LMSエボIIが総合7位となっている。
シルバーカップはマイランド・チームIMSの10号車アウディR8 LMSエボIIが、インビテーショナルクラスではMRAモータースポーツの111号車MARCマツダ3 V8が勝利を飾った。
IGTCの次戦、第2戦キャラミ9時間レースは2月23~25日、南アフリカのキャラミ・グランプリ・サーキットで開催される。
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