2022年9月に生産終了が発表されたランボルギーニ アヴェンタドール。その11年の歴史の中でも、ランボルギーニにとって特別な「J(イオタ)」の文字が車名に入ったアヴェンタドールSVJを、おなじみプリウス武井氏が試乗リポート!!
※本稿は2023年12月のものです
文/プリウス武井、写真/中島仁菜
初出:『ベストカー』2024年1月10日号
770馬力のV12エンジンはまさに猛牛!! イオタの「J」を継承した「ランボルギーニ アヴェンタドールSVJ」生産1号車に試乗!!
■アヴェンタドールSVJの1号車
ランボルギーニ アヴェンタドールSVJ。ランボルギーニにとって特別な意味を持つ「J(イオタ)」の文字が車名に入ったスペシャルなアヴェンタドール
2022年9月26日。ランボルギーニは11年間製造していた「アヴェンタドール」の生産終了を発表した。猛牛の証とも言える大排気量の自然吸気エンジン搭載モデルの伝統は一旦途切れることになった。
アヴェンタドールは、ミウラからカウンタック、ディアブロ、ムルシエラゴの系譜で、初代モデルのLP700-4は2011年9月から日本導入され13モデルがラインナップされた。
今回、インプレするSVJは、2018年8月に発表され「イオタ」を名乗ることが許されたランボルギーニにとっても特別なモデルだ。迫力あるスタイリングは前代モデルの「S」から大きく変更されていて最新鋭モビルスーツと表現しても大袈裟ではない。
ちなみにSVJの製造台数は、クーペが900台、ロードスターは800台の限定生産で今回、インプレッションさせてもらった個体はSVJの1号車。つまり生産ラインから最初にデリバリーされた貴重なSVJとうわけだ。
■内装も乗り味もストイック!!
カウンタックから続くスイングアップ式ドアを跳ね上げると戦闘機のようなコクピットが露わになる。SVJ専用バケットシートに乗り込みドライビングポジションを合わせた。
前後にスライドはするが背もたれの調整はできないため、簡単に自分好みのドライビングポジションにならないのは万人が運転できる市販車というより競技車両に近い。
センターコンソールに配置された赤いカバーで覆われたスタートボタンを押すとエンジンが始動。ノーマルマフラーでも地鳴りのようなエキゾースト音を体感すると緊迫感がコクピット包むが、最新モデルは電子制御が優秀なので怖がる必要はない。ステアリングに備わるパドルシフトを1速に入れ、早速試乗開始。
一般道では少しのギャップも逃さず拾うので全体的に硬さを感じる。大外径の扁平タイヤに加え、カーボンモノコックシャシーが採用されていることもハードなフィーリングの要因だ。
アヴェンタドールのサスペンションは初代からプッシュロッド式なのだが、SVJは4輪がステアリングと連動して稼働する「4アクティブサスペンション」の採用により、軽微な舵に対しても俊敏に反応するので従来モデルよりも車両重量を感じさせないリニアな動きを実現させた。
■大排気量NAエンジンの魅力
ランボルギーニ アヴェンタドールSVJ。大排気量NAエンジンは過給機エンジンとは異なり、有り余るパワーでも意外と扱いやすい
770psを発生する12気筒エンジンは低速域からトルクフルで高回転まで回せる。8500回転まできっちり回してシフトアップすると最大トルクが発生するエンジン回転数付近につながり、空気の壁をたやすく破っていく。
過給機エンジンとは異なり大排気量NAエンジンは、有り余るパワーでも意外と扱いやすい。猛牛のような暴力的な加速を4輪駆動と優秀な電子デバイスが制御してくれるので躊躇なくアクセルを床まで踏み込める。
車両重量を感じさせない瞬発力を支えるのは優秀なトランスミッションがあるからこそ。
ISR(インディペンデント・シフティング・ロッド)トランスミッションは、俊敏なシフトアップはもちろんシフトダウンにおいてもドライバーの意のままに応えてくれる。
優秀なパワートレーンはスーパースポーツカーを名乗るうえで必須アイテムになっているが、バカッ速なクルマで重要なのがブレーキ。
SVJにはフロント6ポッド、リア4ポッドキャリパーが備わり、ブレーキタッチは市販車というよりGT3マシンに近い。
100-0km/h減速距離は30m。体感的にはもっと短い距離で止まっているイメージだけど、車重が軽量であれば制動距離はさらに短くなるはず。
以前、「SV」をJARIの高速周回路で全開走行したことがあるが、メーター読みで軽々320km/hオーバーしていた。その際、高いスピード域での空力のよさが際立ったが、SVJはさらに高速安定性が増している。
近年、ランボルギーニが取り組んでいるALA(アエロディナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ)をさらに進化させたALA2.0が極めて高いスタビリティと空力性能を実現させた集大成モデルと言ってもいい。
2021年7月に発表された最後のアヴェンタドールLP780-4ウルティメ(最後の1つ)もあるので機会があったら試乗レポートをお届けしたい。
■SVJに搭載されたL541型エンジンってどうなの!?
SVJに搭載されたL541型エンジンはL539型をさらに進化させた。排気量は歴代アヴェンタドール同様6498ccだがエンジン内部のパーツに最先端素材と技術が投入され770psを発揮。
ヘッドカバーがゴールドに塗られているところも特別なモデルだという証。メーカーが公表した最高速は350km/h以上。
実際にドライブした感覚は、その数字は嘘ではないと確信するほどエッジの効いた鋭い加速感に優れたエンジンフィーリングだった。
V12気筒で8500rpmまで回せる高回転ユニットではあるが低速域からのトルクも力強く電子デバイスなしでの全開走行は遠慮したい。
エキゾーストノートはご機嫌で自然吸気エンジン時代のF1マシンをドライブしている感覚にさせてくれる。この醍醐味はNAエンジンでなければ体感できない。
Lamborghini AVENTADOR SVJ 主要諸元
・全長:4943mm
・全幅:2098mm
・全高:1136mm
・ホイールベース:2700mm
・車両車重:1525kg(Dry)日本仕様1820kg
・駆動方式:MR
・エンジン:6498cc 60°バンクV12気筒MPI
・最高出力:770ps/8500rpm
・最大トルク:73.42kgm/6750rpm
・トランスミッション:7速ISR
・タイヤ:F)255/30ZR20 R)355/25ZR21
・0-100km/h加速:2.8秒
・最高速度:350km/h
・生産台数:900台(Coupe)
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ゲルググ感はあるかもしれん