KTMファミリーの2022モデルが発表になり、一挙にほぼ全車種をのり比べられる試乗会が、つい先日開催された。様々な思い入れはあるにせよ、先出しのファーストインパクトとしてお伝えしたいことがある。それは、いかに新生ガスガスがファンなバイクブランドであるかということだ。
乗り出してすぐに感じる、低さ、軽さ、フレンドリーさ
以前、レジェンドの田中太一にKTM・ハスクバーナ・ガスガスの3者を比較試乗してもらった記事を掲載したけれど、その時からガスガスが気になってしょうがなかった。ガスガスを乗るライダーにも積極的に「どう? ガスガス」と聞いて回ったんだけど、一様に「マイルドで乗りやすい」と答えてくれる。それはひっくり返せば、KTMやハスクバーナのようにレーシーではない、ということなのかもしれない、その答えを模索したかった。
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どちらかといえば、現代のエンデュランサー達は少し攻撃的になりつつある波に乗っている。上の田中も答えてくれているとおり、トレールの延長線上とも思われがちなエンデュランサーは、十分なパンチをもっているのが昨今の潮流だ。そのカウンターともいうべきキャラクターを与えたのか、ガスガスはともかくフレンドリーだと評価されがちである。
いや、しかしモトクロッサーは事情が違うだろう。様々な路面を走り、公道ツーリングにも供されることがあるエンデュランサーは、マイルドにする必要性がある。だが、モトクロスは純粋にソリッドなレーサーに仕上がっているに違いないと思っていた。
ブレーキが、その性質を象徴している。コストを抑える目的もあるだろう、エンデュランサーのEC250FがBYBRE製なのに対して、MC125はブレンボ。つまり、パッケージング的にはSX125とほとんど変わらないはず…なのだ。
ところがまたがった瞬間、MC125は車高が低い。スペック上は、950mmでKTMの250SX-Fと変わらないのだが、180cmの稲垣がまたがるとかかとまでベタ付きだし、ヒザも少しまがる程度に低い。SX-Fだとそうはいかない。それに、ハンドルが低く、おそらく短さもあるのだろう、とにかく車体がコンパクトで低重心なのだ。
普段、2017年式の125SXに乗っているだけれど、こちらは30mmほどサスペンションをローダウンしていることもあって、これとほとんど変わらない感触だった。
エンジンは、125ccの神髄ともいうべきピークパワーの愉しさと、ふけ上がりのスムーズさ。試乗したフィールドがモトスポーツランドしどきだったこともあり、最高にファンなバイクに感じた。同じ125のエンジンを積んだ車両が試乗できなかったこともあって、エンジン自体の特性は比較できなかったが、明らかにコンセプトが違うことがわかる。もちろん、選手権を戦えることは、AMAなどの活躍をみても証明済みだし、疑いの無いところだけれど、とにかくファンなパッケージである。
エンデューロも同じ。ガスガス(開けろ開けろ)の意はこの性格にあり!
翻って、エンデュランサーはどうだろう。これが、印象はまったくMC125と同じだった。車高が低く、コンパクトな仕上がり。さらに言えば、エンジンはマイルドさも感じるが、元気だ。協調したいのは、マイルドなほうではなく十分に元気であること。フラットな特性のエンジンを開けてくと、しっかり使える高回転域が顔を出す。十分に速く、ファンだ。なんというか「開けられるのに、遅くない。しっかり速い」という印象なのだ。
開けろ開けろ、とマシンが言う。そういう表現をされるバイクというのは、開けられない人間には苦痛でしか無い。だが、不思議なことにさすがGASGASと言うべきか、そのブランドの語源に寄り添うように、誰にでも「開けろ、開けろ」と言ってくる。それが、とても心地良い。
オフロードバイクのラインナップは、いささか極端なところがあると常々思っている。免許取り立ての人にでも乗れるトレールマシンの先は、急にエンデュランサー、そしてモトクロッサーがあり、その境界線はかなり濃いものだ。
個人的な話で恐縮だけど、僕はオフロードバイクに乗るようになって、この20年来ずっとモトクロッサーというものが怖くてしょうがなかった。2ストはパワーバンドに入った瞬間、身体が遅れるし、4ストは開け口がシャープすぎて開けられない。だから、エンデューロバイクこそ至極なのだ、とずっと感じていたんだけど、半年くらい熱心に身体を鍛えて、なぜかモトクロッサーを手に入れて乗り込むようになっていたら、ある日途端にその境界線が溶けて消えた。
だが、半年も身体を鍛える必要すらなかったかもしれない。この新生ガスガスの2台には、そこまで昔感じていた境界線を感じることがない。MC125はエンデュランサーとの境界線を溶かし、EC250Fはモトクロッサーとの境界線を溶かしてくれる。奇しくも、モトクロスとエンデューロとトライアルが、昨今ライダーの交流が激しく、垣根が取り払われ一体化しつつある「ダートバイク事情」と同じように、ガスガスは誰にでも優しく「開けろ、開けろ」と言う。
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