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110戦連続未勝利に終止符。ケセロウスキー代表が新型マスタングとともに今季初優勝/NASCAR第13戦

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110戦連続未勝利に終止符。ケセロウスキー代表が新型マスタングとともに今季初優勝/NASCAR第13戦

 歴史と伝統を誇る1950年創設の"レジェンド"トラック、ダーリントン・レースウェイで開催された2024年NASCARカップシリーズ第13戦『グッドイヤー400』は、前戦にてシリーズ史上最初僅差の“ルーザー”となっていたクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)と、チームオーナー兼エースドライバーのブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)のふたりによるチームワークと忍耐を要した結末に。

 終始レースを支配したポールウイナー、タイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)との勝負に散ったブッシャーの献身を足掛かりに、ラウシュ・フェンウェイ・ケセロウスキー・レーシング(RFKレーシング)の6号車が、実に110戦連続未勝利の記録に終止符を打つ今季初勝利を飾っている。

史上最少僅差0.001秒決着! カイル・ラーソンが「ワイルドなフィニッシュ」で2勝目/NASCAR第12戦

 怪我による欠場が続いていたエリック・ジョーンズ(レガシー・モーター・クラブ/トヨタ・カムリXSE)が戦列に復帰し、陣営内では23XIレーシングの3台目の“ゲストカー”として、コーリー・ハイムが6月のナッシュビルでブラック&ゴールドの『Mobil 1 Toyota Camry XSE』をドライブすることがアナウンスされたレースウイーク。そのオープニングとなるフリープラクティスは、来季2025年からスパイア・モータースポーツに移籍して71号車での複数年契約を発表したマイケル・マクドウェル(フロントロウ・モータースポーツ/フォード・マスタング)の一番時計で幕を開けた。

 しかし予選では一転、トヨタのレディックがポールポジションを奪う速さを披露すると、その背後にはRFKのケセロウスキーとブッシャーが包囲網を敷く展開となり、ここへ前戦勝者カイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)やタイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)らが絡んで決勝序盤の主役となる。

 ウォールまで数mmのハイラインを攻め、ときにタッチしながらの攻防でステージ1はラーソンが、続くステージ2はレディックが勝利を飾ると、この日のリスタートでは何度も隊列を率いて15周のリードラップも記録したそのラーソンが、残り40周を切った291周中の255周目にクラッシュを喫し脱落者第1号となってしまう。

 迎えた261周目の最後のリスタート。優勝候補筆頭のレディックとサイド・バイ・サイドの勝負に臨んだのはケセロウスキーで、ここから4周連続でサイドドラフトのまま“Lady in Black”を駆け抜ける。

 ターン3ではレディックの45号車をハイラインに押し上げ、カムリXSEのスピードを殺すアクションを繰り返した“代表”の動きに呼応するかのように、264周目のホームストレッチでは背後で同じくギブスとの攻防を繰り広げていたブッシャーが飛び出し、ターン1で一気にラップリーダーへと躍り出る。

 ときに激しいプッシュでケセロウスキーをサポートしていたブッシャーは、ここから17号車で逃げを打つ役割を演じると、これを逃すまいとレディックがすかさず反応。ラインを交錯させながらの追走劇に入っていく。

■「僕が彼をレースから除外してしまった」とレディック

 迎えた運命の284周目。ボトムから相手を押し上げる動きを狙ったレディックの45号車は、レーンを維持できずブッシャーの17号車に接触。挟まれるようにスライドしながらウォールにボディを擦り付けた17号車と、その反動でダメージを負った45号車はレーシングスピードを維持できず。ここで敢えなく勝負を終え、先週のカンザスに続く敗者となったブッシャーはレース後のピットロードでレディックと対峙する場面も演じた。

「僕らに状況を説明する映像さえいらない。何を言えばいいのかわからないほど頭にきている」と憤るブッシャー。

「僕らは何年にもわたって本当にクリーンなレースをし、それについて本当に敬意を払おうと努めてきたが、こんなことが起きると心底、疲れ果ててしまう。それ(レディックの動き)はうまくいかないことが分かっているだけだ。そのことに本当に怒っている」

「勝つチャンスはあったし、そのスピードを誇りに思う。ブラッド(・ケセロウスキー)と6号車のクルーには本当におめでとうと言いたいが、僕は17号車のみんなのためにその瞬間を望んでいたんだ……」

 一方、この事故の責任を感じていると明かしたレディックも「彼の怒りは完全に理解できる。本当に申し訳ない」と全面的に非を認めた。

「彼はトップを走り、自分のレースをし、自分のラインを走って僕を寄せ付けなかった。僕も本当にアグレッシブな動きで彼をパスしようとしたが、スライドして止まれないと気づいたときには遅かった。こんなこと、しなければよかったんだ」と続けたレディック。

「なぜ彼がそこまで怒っているのか、僕は完全に理解している。彼は何も間違ったことはしていない。ただレースに勝ちたいということと、相手をオーバーテイクすること。それは別のことだけど、結果がこんなかたちになったのは残念だ。僕が彼をレースから除外してしまった」

 この結果、285周目に首位浮上を果たしたケセロウスキーが、今季デビューのフォード“ダークホース”マスタングに13戦目にして初の優勝をプレゼントするとともに、RFKのプリンシパルとして初の勝利を記録。ダーリントンでの2勝目、キャリア通算36勝目は、チームプレーと犠牲の上に成り立つ勝利となった。

「なんて素晴らしい一日、それが最初の勝利であろうと最後の勝利であろうと、ここダーリントンは本当に特別なトラックなんだ!」と喜びを語ったケセロウスキー。

「NASCARの歴史は非常に厳しいものであり、チームメイトとレディックとの最後の戦い、僕らはすべてを賭けて戦った。それはめちゃくちゃ素晴らしかったよ。(前週の)カンザスを超えるレースはないと思っていた、あれはスゴかったからね。でも今日のレースを皆に見てもらえてとてもうれしいよ」

 併催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第9戦『バックルアップ・サウスカロライナ200』は、今季2戦目のトラックとなったロス・チャスティン(ニース・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)が、延長リスタートで急浮上を見せタイ・マジェスキー(ソースポーツ・レーシング/フォードF-150)を逆転。

「僕らはダーリントンで勝つことを目指してきたし、ここで僕のキャリアと人生が永遠に変わった。ダーリントンに勝ったなんて、素晴らしいよ」と語るシリーズ通算5勝目をマークする結果に。

 同じく併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第11戦『クラウン・ロイヤル・パープル・バッグ・プロジェクト200』は、ジャスティン・オルゲイアー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が待望の今季初勝利を飾っている。

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