一年ほど前、「ホンダが発表したイギリスからの撤退よりも重要な変革のポイントとは?」という記事で“二輪部門については、二輪事業本部と二輪R&Dセンターを一体化することが発表された。商品企画、開発、生産・購買の関係を密にすることで、ビジネスのスピードアップを図ろうというものだ…将来的には四輪部門でも同様の改革がなされるという宣言と捉えていいだろう。”と書きましたが、ついにホンダの四輪事業における大変革が発表されました。
その内容は大きく3つのテーマにわかれています。
・四輪事業運営体制の変更
・コネクテッド・モビリティサービス領域 事業運営体制の変更
・本田技術研究所 組織運営体制の変更
四輪事業運営体制の変更では本田技術研究所の四輪商品開発機能と本田技研工業の四輪機能(生産・購買・事業管理)、ホンダエンジニアリングの生産技術開発・製造機能を一体化することが発表さています。これを「SEDBの一体化」と呼んでいます。SEDBとは営業(Sales)・生産(Engineering)・開発(Development)・購買(Buying)のことです。
コネクテッド・モビリティサービス領域の体制変更では二輪・四輪を含めて本田技術研究所などバラバラに進んでいるモビリティサービス事業を一体化すると発表されました。
新生・本田技術研究所は、新モビリティやロボティクスなどの新技術の開発に専念することになります。具体的には「先進技術研究所」、「先進パワーユニット・エネルギー研究所」、「デザインセンター」が新設され、「ライフクリエーションセンター」と「HRS Sakura」が残るというカタチです。つまり、それ以外の領域は本田技研工業と一体化するか、コネクテッド領域を担当するホンダモビリティソリューションズに統合されるというわけです。HRD Sakuraが残るということはF1を続けるという意思が見えますから、モータースポーツファンはひと安心かもしれません。
つまり、新体制というのは本田技術研究所をリストラクチャリング(再構築)することだといえるのです。これまで開発と生産・販売をわけているのがホンダのものづくりの特徴であり、そこにホンダらしさの源泉があると考えている人にとっては、今回のリストラクチャリングは衝撃的かもしれません。しかし、ここには明るい未来が見えていると感じます。
というのは、SEDBの一体化によるスピードアップやコミュニケーションメリットは、ホンダの中で実績を上げているからです。先行して一体化を進めた二輪事業は決算データを見ても好調です。なにより、様々な事情から先行してSEDBの一体化を進めた軽自動車は、その主力モデルであるN-BOXが2代目になっても大ヒットモデルであり続けています。2代目N-WGNも電動パーキングブレーキのリコールでミソが付きましたが、ちょっと運転しただけでも“いいクルマ”であることが実感できる素晴らしい仕上がりになっています。
人間というのは変化を嫌う部分がありますから、体制変更という大改革において不平不満は出るでしょうし、ファンからしても不安になる部分はあるでしょう。しかし、少なくともここまでのSEDBの一体化はうまくいっているように思えますし、製品の出来映えを見る限り、心配する必要はないといえます。むしろ、N-BOXなどホンダ軽自動車の高いレベルの仕上がりが、グローバルモデルでも見られるようになるのであれば、ホンダの黄金期がやってくると期待が高まるほどです。
N-BOXという成功例のあるホンダのSEDB一体化。新体制によって生まれてくるクルマは少し先になるでしょうが、数年後に出てくるホンダ車がどのようなモビリティの世界を見せてくれるのか、楽しみになってきました。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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