現在位置: carview! > ニュース > カー用品 > 「RB26チューンに革命を起こしたHKSのVカムに迫る」RB26DETTの連続可変バルタイ化を可能にする奇跡のパーツ

ここから本文です

「RB26チューンに革命を起こしたHKSのVカムに迫る」RB26DETTの連続可変バルタイ化を可能にする奇跡のパーツ

掲載 更新 2
「RB26チューンに革命を起こしたHKSのVカムに迫る」RB26DETTの連続可変バルタイ化を可能にする奇跡のパーツ

HKSが生み出したRB26DETT用の連続可変バルタイシステム

シンプルで組み付けやすい構造もVカムの見どころだ

「RB26チューンに革命を起こしたHKSのVカムに迫る」RB26DETTの連続可変バルタイ化を可能にする奇跡のパーツ

エンジン回転数や負荷に応じて最適なパワー&トルク特性を引き出せる連続位相可変バルタイ機構は、多くの自動車メーカーで採用されるメリット盛り沢山のシステム。それをRB26用のチューニングパーツ「Vカム」として市販化したのがHKSだ。

その第1弾は30台限定ということもあって、即完売。多くのチューナーやユーザーから再販を望む声が上がり、それに応えるカタチで通常商品としてラインナップに加わったという経緯がある。

今回取材したのは、純正ピストン対応&カムプーリー最大位相幅30度のステップ1(ピストン交換前提&位相幅50度のステップ2、ステッププロも存在する)だ。アルミ鋳造カムカバー、IN側カムシャフト(248度/8.60mmリフト)、カムプーリー、コントロールユニットなどで構成されるVカムシステム。

基本的な作動は、アイドリング時には最遅角としてオーバーラップを無くし燃焼を安定化。低中回転域では進角させ、低負荷時にオーバーラップを増やしてポンピングロスを抑え、高負荷時には充填効率向上によるトルクアップを実現する。また、全負荷ではエンジン回転数が高まるにつれて遅角。オーバーラップを徐々に減らして、慣性過給による充填効率アップが図られる…という具合。

カムプーリー可変ユニットを作動させるのに必要なのがエンジンオイルの油圧。HKSのデモカーでは、オイルエレメント移設ブロックから油圧を取っていた。

引きこまれたエンジンオイルは2系統に分けられ、バルタイマップに基づくソレノイドバルブのデューティー制御によって進角、遅角に必要な油圧がかけられる。カムホルダーから突き出たオイルが通過するパイプは差し込み式で、装着の作業性を高めているのだ。

ジャーナル部に刻まれた2本の溝にはそれぞれ2ヵ所ずつ、計4つの穴が開いている。カムホルダーから入ってきたエンジンオイルは、その穴を通ってカムプーリーに送り込まれるわけだ。高い精度と計算し尽くされたクリアランス設計によってオイル漏れも無し。

カムの中を通ってきたオイルは、カム先端からカムプーリーへと送られる。4つある穴は、2つが進角用、もう2つが遅角用の油圧を伝えるモノだ。ここまでがカムプーリーを連続的に位相させるのに必要なエンジンオイルの経路になる。

ヘッドカバーに設けられた高精度カム角センサー。ピックアップはカムシャフトから飛び出した3本のボルトで、センサーから約1mmのところを通過するたびに信号を出し、状況によって可変するカムの位相角を測定しているのだ。

コントロールユニット(バルコン)のディスプレイには、走行条件によって刻々と変わるIN側カムの位相角がリアルタイムにデジタル表示される。また、コントロールユニット本体でも5×5のマップでバルタイを任意に調整できる。

アルミ鋳造の専用カムカバーは純正と同じ色で塗装されるためフィット感も抜群。純正カムカバー加工の手間は省けるし、見た目にもスッキリするなど良いことづくめだ。

テスト車両として用意されたのは、GT2530ツイン仕様のBNR32。クラッチを繋いだ瞬間から「コレがRB26?」と思えるくらいにトルクフル。まるでボディが軽くなったかのように走り出す。その思いを一層強くするのは2000rpmを超えたあたりから。特に3速以上の高いギヤでダラダラと走っていても、そこからアクセルを踏み込むだけでグッと前に出てくれるし、ブースト圧も3000rpm手前で正圧域に入るほど立ち上がりが鋭い。この、トルクがスッと立ち上がってくれるフィーリングには正直驚かされた。

実際のパワーグラフを確認する。まずパワーは4000rpm前後での約70ps差を最大として全回転域で純正カムを上回っている。それ以上に注目なのがトルク特性。RB26は低中速トルクが細く、エンジン回転の上昇にともなってトルクも盛り上がってくる…というフィーリングだが、グラフを見ればVカムの効果は一目瞭然。2000rpmから大きく立ち上がり、4000rpmを超えたところで早くもピークに到達。しかも、それが5500rpmまで持続して、その後の落ち込みも抑えられている。

もちろん、排気量アップでも低中速トルクの向上は見込めるが、性能曲線としてはグラフの傾きが同じまま上に平行移動するだけ。つまりVカムに匹敵するほどの劇的な効果は得られないというわけだ。

RB26の定番チューニングとして多くのユーザーに愛され続けているVカムシステム。この性能は、もはやチューニングパーツの域を完全に超えている。それほどまでに革命的な製品なのである。

●取材協力:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235

文:web option web option編集部
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売に反響殺到! 「“87万円オトク”なら購入検討したい」「内装が想像以上に豪華」「四駆だし雪道で強そう」の声も! 装備充実の「eビターラ」最高級モデルに注目!
スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売に反響殺到! 「“87万円オトク”なら購入検討したい」「内装が想像以上に豪華」「四駆だし雪道で強そう」の声も! 装備充実の「eビターラ」最高級モデルに注目!
くるまのニュース
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストでオーバーテイクを促進する“P2Pシステム”を将来に向けた検討としてテスト
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストでオーバーテイクを促進する“P2Pシステム”を将来に向けた検討としてテスト
AUTOSPORT web
シンプルでカッコよく 快適な乗り心地を実現! ヤマハが開発した“電動アシスト自転車”「パスクレイグアリー」ってどんなモデル?
シンプルでカッコよく 快適な乗り心地を実現! ヤマハが開発した“電動アシスト自転車”「パスクレイグアリー」ってどんなモデル?
VAGUE
ロロ・ピアーナのオーバーコート──クラシックな定番アイテムから『GQ』が選ぶベスト・オブ・ベスト
ロロ・ピアーナのオーバーコート──クラシックな定番アイテムから『GQ』が選ぶベスト・オブ・ベスト
GQ JAPAN
やっぱスーパーカー世代のヒーローは「ミウラ」だよね! 半世紀以上前に登場した「黄色いランボ」がオークション登場 どこから見ても美しい“後期型”の価値とは
やっぱスーパーカー世代のヒーローは「ミウラ」だよね! 半世紀以上前に登場した「黄色いランボ」がオークション登場 どこから見ても美しい“後期型”の価値とは
VAGUE
大幅刷新の三菱「新型デリカD:5」正式発表! 斬新「4枚刃」グリルを「卒業」!? 精悍「黒マスク」で超カッコいい! 唯一無二の「SUVミニバン」どう変わったのか
大幅刷新の三菱「新型デリカD:5」正式発表! 斬新「4枚刃」グリルを「卒業」!? 精悍「黒マスク」で超カッコいい! 唯一無二の「SUVミニバン」どう変わったのか
くるまのニュース
驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
レスポンス
日産 パトロールはどれくらいランクルを意識しているのか!? 日本導入を前にズバリ聞いてみた!!
日産 パトロールはどれくらいランクルを意識しているのか!? 日本導入を前にズバリ聞いてみた!!
ベストカーWeb
ホンダ旧横型ミニ系「北米専用」モデル「SL70」フルレストア フレームをパウダーコーティングでオールペイント!!
ホンダ旧横型ミニ系「北米専用」モデル「SL70」フルレストア フレームをパウダーコーティングでオールペイント!!
バイクのニュース
トヨタの新スーパーカー「GR GT」はなぜ“カーボンモノコック”ではなく“アルミ骨格”を選んだのか? LFAの悔しさが生んだ“新生フラッグシップ”のねらいとは
トヨタの新スーパーカー「GR GT」はなぜ“カーボンモノコック”ではなく“アルミ骨格”を選んだのか? LFAの悔しさが生んだ“新生フラッグシップ”のねらいとは
VAGUE
NISMO渾身のコンセプトモデルにマイナーチェンジの「Z」や北米人気の「ROCK CREEK」のカスタマイズ車両など豪華絢爛! 日産の「東京オートサロン2026」の展示車両から目がはなせない
NISMO渾身のコンセプトモデルにマイナーチェンジの「Z」や北米人気の「ROCK CREEK」のカスタマイズ車両など豪華絢爛! 日産の「東京オートサロン2026」の展示車両から目がはなせない
WEB CARTOP
日産「セレナ」待望のマイナーチェンジ! 魅力アップの「ルキシオン」に注目
日産「セレナ」待望のマイナーチェンジ! 魅力アップの「ルキシオン」に注目
グーネット
日産『セレナ』改良新型、「LUXION」「ハイウェイスターV」が新グリルで表情一新…278万5200円から
日産『セレナ』改良新型、「LUXION」「ハイウェイスターV」が新グリルで表情一新…278万5200円から
レスポンス
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
THE EV TIMES
ベスパ誕生80周年を記念した「“新型”スクーター」登場! 市販化最初のモデル「98」に着想を得た特別仕様車に注目! 「Vespa 80th」イタリアで発表
ベスパ誕生80周年を記念した「“新型”スクーター」登場! 市販化最初のモデル「98」に着想を得た特別仕様車に注目! 「Vespa 80th」イタリアで発表
くるまのニュース
「あなた誰?」レベルの激変っぷり! 3度のマイチェンでまるで別人に変身したレクサスISの顔を追ってみた
「あなた誰?」レベルの激変っぷり! 3度のマイチェンでまるで別人に変身したレクサスISの顔を追ってみた
WEB CARTOP
SGホールディングス、ダイバーシティ推進で最高評価…5年連続「ベストワークプレイス」認定
SGホールディングス、ダイバーシティ推進で最高評価…5年連続「ベストワークプレイス」認定
レスポンス
670馬力のスバル車が過激スタント! 人気動画『ジムカーナ』最新作にヨコハマタイヤ「ADVAN」装着
670馬力のスバル車が過激スタント! 人気動画『ジムカーナ』最新作にヨコハマタイヤ「ADVAN」装着
レスポンス

みんなのコメント

2件
  • これは街のショップレベルでは出来ないね。
    技術力と生産技術、評価能力が無いと製品化出来ない。
    その技術力を持って、ノーマルよりも燃費が良くなるパーツも作って欲しい。
    そうすればチューニングメーカーも社会からもっと認められる存在になる。
  • HKSが一から独自開発していると誤誘導する記事。スバルFJ20の可変ユニットを流用してるのは触れない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

177 . 7万円 257 . 8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2 . 1万円 296 . 0万円

中古車を検索
ホンダ フィットの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

177 . 7万円 257 . 8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2 . 1万円 296 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村