一台のクルマには、縁あってオーナーになった人との歴史や思い出があり、物語になるほどのエピソードが生まれることもある。
そんなクルマと人との関わりを、オーナーさんに直接取材して、リアルな生の声を紹介していきたいと思います。はたして、どんな生の声が聞けるのでしょうか?
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購入した動機から、愛車に対するこだわりのポイント、年間の維持費、故障箇所、愛車の主治医まで、これからそのクルマを購入しようと思っている人にも役に立つ情報満載でお届けします。
文・写真/松村透
【画像ギャラリー】「家族のような存在」オーナー内田さんが29年間乗り続けるこだわりの愛車 スズキカプチーノを見る!
■新車から29年愛し続けるカプチーノに襲った2度の廃車危機とは
昭和から平成へと元号が変わった直後、「A・B・Cトリオ」などと呼ばれる軽自動車のオープンスポーツモデルが相次いで誕生しました。この「A・B・C」は、同時期にリリースされた少年隊の曲名ではなく、AZ-1、BEAT、Cappuccinoの頭文字をとったもの。
今やすべて絶版車となってしまいましたが、各モデルの熱心なファンが30年近く経った令和の現在も、現役のマシンとして大切に所有しています。
そのなかで、今回はカプチーノオーナーの内田 剛夫さんを取材。発売直後に新車で購入し、2度に渡る廃車の危機を乗り越えて現在に至るそうです。内田さんがそれほど愛してやまない「カプチーノの魅力」とは?
オーナーの内田 剛夫さん。愛車であるスズキ カプチーノとは29年の付き合い
■プロフィール&愛車紹介
・お名前:内田 剛夫さん
・ご年齢:52歳
・ご職業:会社員
・所有しているクルマ:1992年式スズキ カプチーノ
・購入時期:1992年1月
・所有年数:29年目
・購入時の走行距離:60キロ(納車時)
・現在の走行距離:30万キロ超え
・購入時の金額:約180万円(オプション込み)
■カプチーノを手に入れようと思ったきっかけを教えてください
1989年に開催された第28回東京モーターショーに参考出品されたカプチーノのコンセプトカーを現地で見て、ひと目で気に入り「欲しい!」と思いました。
スズキブースにいたスタッフさんに「いつ発売されるんですか?価格はいくらくらいですか?」と質問攻めしてしまったほどです(笑)。会場アンケートにも「ぜったいに買います!」と書きました。
現代の軽自動車スポーツと比較しても明らかにコンパクトなカプチーノのボディサイズ
■愛車との濃いエピソードを教えてください
実はこのカプチーノ、過去に2回、廃車になるくらいのダメージを受けています。1回目は購入して4年目の追突事故でした。背後からノーブレーキで追突され、カプチーノのトランクがつぶれるくらいのダメージを受けました。
私自身もむち打ちで2ヵ月入院しました。当時は新車が買える時代でしたが、この個体に愛着があるので修理することにしました。
そして、2回目は水没です。追突事故から2年後のことでした。移動中にゲリラ豪雨に巻き込まれ、気づけば前のクルマが水没。私もUターンして回避したかったのですが、背後に4tトラックがいて身動きが取れず、そのうち水かさが増してきて……エンジンルームにも浸水。泣く泣く動けなったクルマを置いて帰宅しました(後日、レッカーを呼んで引き取りました)。
幸い、保険会社の方の理解もあり、全損扱いにしてくれたので、修理費用をまかなうことができました。既にカプチーノの販売は終了していましたが、まだ純正部品が潤沢にある時代で無事に修理することができ、この点は助かりました。
水没してしまったエンジンルームも見事に復活!これも内田さんの愛情の賜物なのです
■愛車に対するこだわりを教えてください
手に入れて以来、29年間このカプチーノでクルマ通勤しています。しいていえば「通勤で使えるように、コンディションを維持したい」ことですね(趣味車として20年以上、ハコスカGT-Rも所有)。
職場でも「私=カプチーノ」なので、代車で通勤すると「ついに乗り換えたんですか!?」と聞かれます(笑)。
職場でも「内田さんといえばカプチーノ」として知られるのだとか
■手を入れた箇所はありますか?
・マフラー
・足回り
・ノンスリップデフ
・水没後のタイミングでエンジンの圧縮比をUP
・コンピューター
・タービン
・メタルガスケット
・ナルディのステアリング
・シートカバー
ステアリングをナルディに交換。純正シート保護ため、カバーを被せてあります
■大まかな年間の維持費を教えてください(自動車税、オイル関係、ガソリン代などを含めた概算)
年間で20万円弱です。燃費も案外よくて、リッター15km/Lは走りますよ!
・保険→1万弱(車両はもう入れない。2回救われたから入れるなら入りたいけど…)
・オイル交換サイクルは3~4000kmに1回
内田さんのカプチーノの燃費は、現在でもリッター15km/Lをキープ!
■失礼ながら、これまで大小の故障はありましたか?
水没時にエンジンの載せ換え、メーターが故障して交換、20万kmを越えた時にクラッチワイヤーが切れたことくらいでしょうか(前述の2度の廃車レベルのアクシデントを除き)29年間、動かなくなって困ったというほどのトラブルは1度もないですね。
でも、雨漏りは購入時からありました。納車して1週間もしないうちに助手席に水たまりができましたから。ディーラーに相談しても「そういうクルマなので仕方ないです……」と言われまして(苦笑)。
その後、ゴムが馴染んできたのか、豪雨では雨だれはするものの、納車時のような雨漏りはなくなりました。アタリがついて馴染んできたのかもしれないですね。
ちなみに、ゴム類も新車時から無交換です。手に入れてから2~3年間はフルオープン(タルガやTバーよりも好きです)にしていたが、その後は屋根を開ける頻度が少なくなったので、結果としていい塩梅なのかもしれません(※愛車のコンディション保護を優先し、撮影時に屋根を開けることは避けました)。
交換前のメーターも大切に保管されています
■純正部品の入手に苦労していますか?(欠品・製造廃止している部品などご存知でしたら教えてください)
意外に思われるかもしれませんが、入手には苦労していないんです。その代わり、年1回の価格改定のたびに2割くらい値上がりしているんです。仕方がないとはいえ、困りましたね…。
カプチーノのサイドシルに貼り付けられた"SUZUKI DESIGN"プレート
■愛車の主治医のどのようなお店ですか?(ディーラー or 専門店等)
ハコスカGT-Rを含め、長年、懇意にしている整備工場に預けています。20代の頃からの付き合いで気心知れているので安心です。
内田さんの運転はとにかくていねいでスムーズ。愛車に優しい運転なのです
■これからも乗り続けるご予定ですか?
「FR+軽自動車スポーツカー」というパッケージが好きなので、代わりになるクルマもないです。10万kmくらい乗った時、180SXやシルビア(S13型)への乗り換えを考えた時期もありましたが、実際にクルマを観に行くこともありませんでしたし…。おそらくこのまま走れる限り、乗り続けるんでしょうね。
カプチーノの代わりになるクルマなんてありませんよ!と語ってくださった内田さん
■未来のオーナーのために購入時のチェックポイントや愛車のウィークポイントを教えてください
チェックポイントはやはり「ボディの錆」です。古いクルマで、なおかつオープンカーなので、どうしてもトランク・フロア・サイドシルなどに水が溜まっている可能性がありますから。後ろの窓は収納式なので、水抜き穴が詰まっている可能性大です。可能な限りリフトアップして下回りをチェックしてください。
ウィークポイントは、オープンカーなので仕方ありませんが、ボディ剛性が低いところです。新車で納車された時から、わだちや段差を乗り越えた時にボディのよじれを感じますね。今どきのコペンやS660と比べてはいけません(笑)。
カプチーノの特徴でもあるさまざまなオープンバリエーションゆえ、雨漏りや錆、水抜き穴のチェックは必須です
■あなたにとって愛車はどんな存在ですか?
「家族のような存在」ですね。あってあたりまえ、いないと寂しさを感じる存在なんです。30年も一緒に暮らしたら必然的にそうなりますよね。
29年間、使い続けているシフトノブ。テカリが歴史を感じさせます
■取材後記
内田さんは長年にわたって「ハコスカGT-R」のオーナーでもあり、どちらかというとカプチーノは通勤用、足車とも解釈できるわけです。しかし、内田さんはカプチーノを単なる足車としては見ていないようです。
1度目は追突され、2度目は水没…。たとえ惚れ込んで購入したクルマでも、2度の廃車の危機を乗り越え、約30年という長きにわたって1台のクルマとの生活(もはや人生)をともにしてきた内田さん。
毎日、数十kmの距離を走り、信頼できる主治医のところでこまめにメンテナンスを行い、気になる箇所があれば修理・交換を行う……。
屋根付きガレージで文字どおり箱入り娘として扱われた個体ではなく、実用車として乗られてきたからこその生活傷もあります。しかし、これこそがクルマ本来の姿ともいえるはず。大切に使えば30年くらい優に乗り続けられることを、内田さんが実践し、証明してくれているのです!
カプチーノのカタログももちろん保有
取材当日は軽自動車スポーツカー仲間も駆けつけてくれました
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