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まさかの日本発売へ 高級ミニバン「レクサスLM」、3つの注目点 4人乗りは成功できるのか?

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まさかの日本発売へ 高級ミニバン「レクサスLM」、3つの注目点 4人乗りは成功できるのか?

新型「LM」4シーター版 今秋、発売へ

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】新型「レクサスLM」と日産「エルグランドVIP」 じっくり見る【4人乗りミニバン】 全67枚

現在開催中の上海モーターショー2023で、レクサスが新型の「LM」を発表した。

LMは日本未発売のモデルだが、中国などアジア地域でショーファードリブンとして人気が高いLLクラスのミニバンである。

嬉しいことに、新型は「3列シートの6/7人乗り」「2列シートの4人乗り」がラインナップされるが、4人乗りが日本で秋に発売されるという。

従来型は2020年に中国で販売が始まっている。レクサス初のミニバンとして登場したが、ベースはトヨタのアルファード/ヴェルファイア(以下、アルヴェル)だった。

したがって、従来型LMのボディパネルやパワートレインはアルヴェルと共通で、フロントマスクがスピンドルグリルとなり、内外装のクオリティ・吸音材の違いによる高い静粛性など、いわゆる「レクサス品質」にふさわしいクルマとなっていた。

前述のように日本には導入されなかったが、並行輸入販売している業者も存在する。

「アルヴェルそっくりなのに、レクサスのグリルが付いて、しかも左ハンドル!」というミニバンを街中で見たことがある人もいるだろう。

それが、レクサスLMだったのだ。

アルファードより大きい サイズの魅力 

上海でデビューした新型LMは、レクサスが次世代に向けて取り組む「素性の刷新」を実践したものと説明されている。

その注目点を整理しながら、新型がどんなモデルなのか、日本のミニバン市場にどのような影響を与えるか検証していこう。

まずはクルマの造りだ。

新型LMは、従来型比で1.5倍のボディねじり剛性を確保し、車室に届く振動を低減するために構造用接着剤を各部に採用している。箱型のバンボディを強固にすべく、ロッカーストレート構造やブレースの追加を進めた。

新型LMのボディサイズは、全長5125×全幅1890×全高1955mm。現行型アルファードと比べて、175mm長く、105mmもワイドで、車高は5mm高い。

「ミニバンが必要なほどの人数で出かけない。でも、大きなクルマでステータスが欲しい」と、大きな輸入車セダン・SUVに乗る裕福なユーザーはこのモデルをどう見るだろうか。

「レクサスだし、4シーターなら、ミニバンでもいいかな……」 新型LMに注目する可能性が高く、レクサスにとって新規ユーザーを獲得できるチャンスになると期待される。

「4人乗り」を日本導入へ 需要はある?

もう1つ、新型LMで注目すべき点は「4人乗り仕様」を設定していること。

レクサスのプレスリリースには、2つの仕様のうち「日本国内は、4人乗り仕様(2.4L直列4気筒ターボ・ハイブリッドシステム)から導入予定です」とある。

アルヴェルの兄弟車であることは間違いないが、そのアルヴェルはフルモデルチェンジが噂されているものの、いまだティーザーすら始まっておらず、それより先に新型LMが公開される形となった。

新型アルヴェルとの食い合いを防ぐために、日本市場はまずは4人乗りに特化、ということになるのだろう。

ライバルである日産エルグランドには、以前からオーテックジャパンが手がけた2列4人乗りの「VIP」がラインナップされている。

トップグレードは800万円を超える車両価格ながら、そこそこ人気を集めており、車名のとおり政財界のVIPや力士などが乗っているのを見かける。

経済界の大物のような年長者や、また力士のような体格の大きな人は、サルーンよりは身体をかがめることもなく、スライドドアで楽に乗り降りできて、しかも車内は広い4シーターのミニバンを選びたくなるのは頷ける。

そんな姿に憧れて、「いつかは……」とエルグランドVIPを選んでいるオーナーも少なくない。絶対数は多くないとはいえ、レクサスLMの4人乗り仕様が日本で戦えるマーケットはたしかに存在するのだ。

「LM」 vs 国産ミニバン 影響は?

最後は、日本の自動車市場という視点で見ていこう。

自販連が先ごろ発表した2022年度の登録車の新車販売台数トップ20を見返すと、シエンタ(5位)、フリード(6位)、ノア(8位)、ヴォクシー(9位)、アルファード(12位)、セレナ(13位)、ステップワゴン(20位)と、3分の1以上をミニバンが占めている。

それほどまでにミニバンを選ぶドライバーは日本に多いのだ。しかし、こうした人気ミニバン勢と、LMはユーザー層が異なる。

4人乗りのLMには、前席・後席を隔てるようにスモークガラスと48インチ大画面ディスプレイが設置され、大切な後席乗員のプライバシーに配慮している。画面を使って、オンライン会議に参加することもできる。

レクサスらしい上質な乗り心地を実現するために、電子制御サスペンション(AVS)の特性を後席優先にする「リア・コンフォート」モードをレクサスとして初採用した。

こうしたゴージャスなインテリア・装備を奢る高級車ブランドならではの「おもてなし」という付加価値が、商品力のコアとなるわけだ。

数少ない競合車の「エルグランドVIP」や、いままでショーファードリブンのセダン型リムジンに乗っていたオーナーからの乗り換えが、ユーザーの大半となるだろう。

したがって、アルヴェルの新型が登場し、噂されているエルグランドのフルモデルチェンジが発表され、また今冬に改良型オデッセイが登場しても、当面は4座のレクサスLMのライバルにはなり得ない。

LLクラス・ミニバンの本当に熾烈な闘いは、レクサスLMの3列シート車、いわゆるミニバン仕様が日本に導入されたとき、始まるに違いない。

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みんなのコメント

11件
  • また一人のアンチで頑張ってるんだね。
    アクセス協力、ありがとうね。
  • 高級路線では大衆ミニバン扱わないと言っていたが
    まさかこんなの出すなんて
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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