10月13日、静岡県の富士スピードウェイで行われた2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の第7戦。最後尾21番グリッドからスタートしたJujuこと野田樹潤(TGM Grand Prix)は、序盤にセーフティカー(SC)導入時のピットインで順位を上げ、その直後にライバルからポジションを守るべくサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げた。
週末2レースで行われた第6&7戦富士。前日の第6戦では、ライバルを追い上げるなかで痛恨のブレーキミスがあり、17位でのフィニッシュとなったが、第7戦はさらに厳しい状況での幕開けとなった。
Juju、2度目の富士でライバルを攻め立てる駆け引き。初めてのアンダーカットは「頑張りすぎちゃった」
午前の予選では、セットアップの変更やコンディションの変化に合わせきれなかったようで、「本当、全然駄目」なアタックとなったという。1ポジション上の国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と0.890秒差のタイムとなり、最後尾グリッドとなる21番手スタートが決まった。
迎えた決勝では、スタートでミスをした2台をパスし、19番手でTGR(1)コーナーへ飛び込む。そのまま順位を守りたい展開であったが、コース後半のダンロップ・コーナーで笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、小高一斗(KONDO RACING)にパスされてしまった。
その際には、一瞬のスローダウンもあった様子だが「アンチストールに入ってしまったようで、それが原因で失速してしまいました」という。
トラブルにも落ち着いて対処し、隊列最後尾で迎えた2周目には、中団で4台が絡むクラッシュが起きたことで最初のSCが導入。7周目のリスタートでは、アクシデントで後退していた笹原とニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)にパスされるなど、防戦一方のレースを戦う。
■「今までとは違う」国内トップフォーミュラでのバトル
レースが10周目を越え、ピットタイミングを迎えたころに上位勢で激しいバトルからクラッシュが発生。1コーナーで国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と接触した大嶋和也(docomo business ROOKIE)がスピンし、マシンを停止させたことでふたたびのSC導入となった。
このタイミングを好機にピットインしたJujuは、16番手で隊列に合流し、3台をパスすることに成功する。17周目のリスタートでは、笹原と木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)にポジションを奪われるも、この周は小高を抑えてホームストレートに戻った。
後ろの小高は、前日の第6戦でポジションを争った相手。18周目も順位そのままに僅差で周回したふたりは、19周目に向かうホームストレートでサイド・バイ・サイドのバトルを展開する。
1コーナーでインを守るJujuだったが、続くコカ・コーラコーナーではポジションを奪われてしまった。レース後に、その時の心境を次のように語った。
「(2台並んで1コーナーに飛び込んだ時には)気持ち的にはもう、『絶対に負けるもんか』っていう想いで走っていました」
「1コーナーはブロックできたのですが、立ち上がりのスピードは向こうが良かったので、コカ・コーラコーナーでインに入られて、前に出られてしまいました」
これまではライバルを追う立場だったが、今回はポジションを守るレースを経験したJuju。今年初めて参戦している日本トップフォーミュラでのバトルからは、新たに学べたこともあったようで、コメントする際には笑顔も見せた。
「トップドライバーが集まるSFでは、もっともっとレベルの高いブロックの技術が必要で、(戦い方の)引き出しをいっぱい増やしていかないといけないなと感じました」
「ただ、後ろのクルマをブロックする立場になったっていうのは成長だと思います。今まで他のカテゴリーで戦ってきたのとは違う部分もあるので、こうやって実戦で経験を積んで一歩ずつステップアップしたいです」
ポジションを奪われて以降は食らいつくペースを発揮できず、16位でレースを終えた彼女だが、11月最終戦の舞台となる鈴鹿大会に向けて、これまでの学びを活かしたいと意気込んで前を向いた。
「鈴鹿サーキットは、日本のなかで一番テクニカルなコースです。クルマのバランスとしても他のサーキットとは違うので、その点でも難しさを感じていますが、その状況のなかでもベストを尽くして、自分たちの力を出し切れる走りをしたいです。これまで一歩一歩、チームと積み重ねてきたことを全部出し切りたい気持ちです」
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みんなのコメント
最初は期待していたのだが、こんなに酷いとは思わなかった!