■専用アイテムを装備したオーラNISMOは「パワー感」が違う!?
日産「ノート」シリーズの第3弾となるモデルが「ノートオーラNISMO(以下オーラNISMO)」です。2020年12月にノートがフルモデルチェンジして以降、多くの人から「NISMOはいつ登場するのか?」と待ち望まれていました。
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実は先代ノートNISMOはグレード比率がモデルライフ平均で7%(最大で14%)という高い人気を誇り、「マーチNISMO」と共に「ニスモロードカーシリーズ」の裾野と知名度を大きく高めたモデルでした。
ただ、気になるのは、新型は標準仕様のノートではなく、上級モデルの「ノートオーラ」に設定されたことでしょう。この辺りを開発陣に聞くと、「出力アップされた『パワートレイン』と3ナンバーボディの『デザイン』を活かすため」とのことでした。
NISMOロードカーを簡単におさらいすると、2013年に「日産車にさらなるワクワクを」、「レーシングテクノロジーを量産車へフォードバック」をコンセプトに生まれた日産のサブブランドのひとつで、日産自動車、NISMO、そしてオーテック・ジャパンのタッグによる集団「NISMOロードカー事業部」で企画・開発をおこなっています。
オーラNISMOのコンセプトはほかのモデルと変わりませんが、新世代にアップデートされています。それは「先進性と本物志向」を備えたスポーツバージョンであること。
エクステリアは先代と同じくモータスポーツで培ったエアロダイナミクスをフィードバックしたエアロパーツが追加されています。
Cd値(空気抵抗係数)はノーマル(0.31)をキープ、Cl値(揚力係数)はマイナスリフト(0.14低減)と、走行性能の寄与する機能部品と考えはそのままですが、新たにフォーミュラEをインスパイアしたデザインの採用で、クリーンなダイナミックさをプラス。
先代のようなチューニングカー感覚は薄れましたが、メーカー直系のスペシャルモデルらしいスマートな本物感は増しています。
インテリアは専用のステアリング(本革&アルカンターラ)やメーターグラフィック、レカロシート(オプション/標準はノーマルシートの表皮違い)などをプラス。
インテリアカラーはスポーツモデル定番となる「ブラック&レッド」のコーディネイトですが、レッドのアクセント/カーボン柄をバランスよく用いることで、ノーマルモデルの質感の高さも相まって、子供っぽさはなく大人も納得のハイセンスでマチュア(成熟した)なコーディネイトとなっています。
パワートレインはノーマルの時点で先代e-POWER NISMO S同等のパフォーマンスですが、オーラNISMOではスペックは不変ながらも、「加速の伸びの良さ」、「レスポンス」を重視した制御系チューニング(VCM)を採用。
ドライブモードはノーマルモードとNISMOモード(ノーマルのスポーツモードから変更)」が専用仕様となっています(Ecoモードはノーマルのスポーツモードと同じ)。
フットワーク関連は専用アイテムを数多く採用しています。
ボディはリアバンパーリーンフォースに補強が追加される程度ですが、これはコストアップを抑えるために手を抜いたのではなく、新型のプラットフォームの基本素性が先代に対して飛躍的にレベルアップしたので、「手を入れる必要がなかった」というのが正解です。
シャシ系は20mmローダウンされたスプリング(レートはフロント:36%アップ、リア:25%アップ)、ショックアブソーバー(フロント:外筒板圧アップ、リア:モノチューブ化)、そしてバンプラバーが専用品。
足元はミシュラン・パイロットスポーツ4(205/50R17)と専用アルミホイール(ノーマルの6.5Jから7Jにワイドリム化)の組み合わせ、もちろんEPSアシストマップやシャシ制御(VDC/インテリジェントトレースコントロール)なども専用の適合品となっています。
今回はナンバー無しモデルだったこともあり、試乗は神奈川県・追浜の「グランドライブ」で実施。クローズドコースであるメリットを活かし、一般道を想定した速度域からハイスピード領域までチェックすることができました。
ノーマルとの違いは発進した瞬間から明確です。まず、パワートレインですが、「力の出し方」と「応答性」が異なります。
例えるならば、ノーマルのオーラはノートからの出力アップ分(+15kW、+20Nm)を「ゆとりの走り」に使っているイメージですが、オーラNISMOは確実に「パフォーマンス」に使っているイメージです。
いうなれば、ノーマルは「トルク感」、オーラNISMOは「パワー感」を大事にした制御というわけです。
■走りの軽快さが段違い!? 新型「オーラNISMO」の実力とは
ドライブモードはノーマルモード/NISMOモード共に、アクセル操作に対する応答性の鋭さと伸びのある加速感があり、特に発進時やアクセル開度の中間くらいまでは「おーっ、速い!!」と実感できるレベルです。
NISMOモードは日常域では「ちょっと鋭すぎ!?」と思ってしまうくらい確信犯的なセットで、速度域が高めでコーナリング時により繊細なアクセルワークが求められるワインディングやクローズドコースにピッタリなモードのように感じました。
逆にノーマルモードは力強さと扱いやすさが上手にバランスされています。ノーマルのオーラのノーマルモードはどこか中途半端で必要ないと思っていましたが、オーラNISMOのノーマルモードは「一般道ベスト」です。
さらにEcoモードも十分以上の性能を備えているものの、オーラNISMOのキャラクターを考えると「ちょっと役不足」かな……と。
フットワークは「スポーティ」ではなく「スポーツ」です。先代はNISMOの名を冠していましたが、その走りは「ノーマルの物足りなさをチューニングでカバーする」というリセッティング的な考えでした。オーラNISMOはベースの基本素性が大きく向上したことから、「ゼロからプラス」と明確にNISMOを主張しています。
そのハンドリングはノーマルよりも明確に姿勢変化を抑えたセットで、ピターっと路面に張り付いている感覚があるリアの接地性の高さから来る安心感とフロントのノーズの入りのバランスが絶妙で、セオリー通りに走らせる限りアンダーステアはほぼ感じません。
車両重量はノーマルとほぼ同等ですが、クルマの動きは「バッテリー外したの?」と錯覚してしまうくらいの軽快さ、コーナリングはワイドトレッド化されているかのような安定感が備えられています。
そして旋回時の舵角の少なさはノーマルのe-POWER 4WD並みだと感じましたが、これは前後バランスが整えられたサスペンションセットにより、4つのタイヤをより効果的に使いながら旋回をおこなっている証拠でしょう。
今回、試乗コースのなかにパイロンスラロームが設定されていましたが、ノーマルのオーラは切り返しで「ヨッコラショ」と上屋の重さを感じましたが、オーラNISMOはまるでボディ上部が軽くなったかのように無駄な動きが少ないので、リズムよく走ることができました。
車高は20mm下げられていますが、基本的なパッケージは変わらないので、これもシャシチューニングの「技」なのでしょう。加えて、オプションのレカロシートのサポート性の高さは大きくアップしている限界Gに対してもシッカリと体を支えてくれます。逆をいえば標準のノーマルシートはちょっと辛いかもしれません。
乗り心地はどうでしょう。
バネレートのアップ率を見ても解るようにノーマルよりも明らかに引き締められています。
しかし、短いストロークのなかでいなしの効いた足の動きによるバネ下のスッキリ感と、空気の力(=エアロパーツ)で車体の無駄な動きを抑えることで目線がブレにくいバネ上のフラット感、そしてレカロシートやミシュラン・パイロットスポーツ4の吸収性の高さなども相まって、「角が丸い優しい硬さ」で、スポーツモデルとして見ると、「乗り心地、悪くないよ」といえる、絶妙なセットアップです。
ちなみに筆者(山本シンヤ)は、フラットなバネ上や短いストロークながら繊細に動く足、4つのタイヤを効果的に使いながら無駄な動き抑えたコーナリング、硬いのに優しさがある乗り心地、車両重量の変更がないのにどこかクルマが軽く感じる感覚などの総合的な印象が、どこか「GT-R」的な、それも1回目の大幅改良後の2011~2013モデルと似ているように感じました。
試乗後にセットアップを担当した人を聞くと、R35 GT-Rの開発ドライバーも務めた神山幸雄氏と聞いて納得。
価格は286万9900円と、先代e-POWER NISMO S(267万1920円)の約20万円高と戦略的なプライスとなっています。
ここにオプションのレカロシートやナビゲーション+プロパイロットなどをプラスしていくと、それなりの価格になってしまうのも事実ですが、それでも「指名買い」したくなる魅力を持っている一台で、先代ノートNISMOユーザーは間違いなく「嫉妬する」クルマでしょう。
ちなみに今回登場したモデルは“普通”のオーラNISMOですが、より高性能なスペックを備えたオーラNISMO Sが存在するならば、個人的にはe-POWER 4WDで挑戦して欲しいと思っています。
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見てるとすごいデタラメばっかりですね