4月23日から販売開始されるホンダの新型「ヴェゼル」を、今尾直樹が論評する。発売前より大量の事前注文を抱えているホンダの新しいコンパクトSUVの魅力とは?
コンパクトSUVのパイオニア
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本年2月にグローバル・デビューを飾ったホンダの新型ヴェゼルはすでにディーラーへの注文が山のように集まっていて、4月23日(金)の発売を待つばかり、だそうである。初代ヴェゼルは2013年12月の国内発売以来、SUVセグメントの販売台数No.1に4度も輝いた大ヒット・モデルで、累計販売台数45万台を数える。この買い替え需要だけでも、相当数が見込めるわけだ。
ホンダによると、初代ヴェゼル誕生当時の国内のSUV市場は年間20万台程度だった。それが右肩上がりに成長し、2020年は3倍以上の71万台、国内の登録車(除く軽自動車)市場の31%を占めるに至っている。初代ヴェゼルは近年におけるコンパクトSUVのパイオニア的存在だった。
ちなみに、昨年の販売台数のセグメント別1位はコンパクト・ハッチで84万台、37%。2位がSUVで、それにミニバンの51万台、22%が3位と続く。すでに読者諸兄も実感されているように、SUVはミニバンよりもメジャーになっている。
初代がニッチ狙いのコンパクトSUVクーペだったのに対し、2代目が初代の面影を追うことなく、別路線の、いわばSUVのセダンのような落ち着いたたたずまいに変わったのは、SUVが自動車市場の中心に座って、あらゆる層を取り込まねばならないメジャー・プレイヤーになったからなのだ。
ほぼ変わらぬボディ・サイズ
で、発売ちょっと前に千葉県某所で開かれた事前撮影会&説明会で、2代目ヴェゼルの数値を交えた特徴が初めて発表された。今年の初めに実車を都内某所で目の当たりにしたとき、筆者はてっきり初代より大型化されている、と、思ったのですけれど、それは間違いで、ボディはまったく大きくなっていない。
4330mmの全長も2610mmのホイールベースも1790mmの全幅もおなじ。1580mm、もしくは1590mmの全高は、スタイリングのために25mm、もしくは15mm低くなっている。195mmの最低地上高は、SUVっぽさを増すために初代より10mmプラスになっており、サイド・プロフィールは初代より上下に薄くなっている。これにより、視覚的にプロポーションがグッとおとなびているように感じるのだろう。
プラットフォームは初代同様、フィットをベースにしている。つまり、燃料タンクを前席の下に配置する、ホンダ自慢の「センタータンクレイアウト」を踏襲しているということで、これにより、最大で長さ約190cmの、車中泊も可能なフルフラットな空間をつくることもできる。
パワートレインも基本的には現行フィットとおなじ2モーターのハイブリッド・システム「e:HEV」をメインとする。ただし、ボディが大きくて重いヴェゼルに合わせ、発電と高速時の動力源になる1.5リッター直列4気筒のアトキンソン・サイクル・エンジンは、最高出力をフィット用の98psから106psに引き上げ、電気式CVTのギア・レシオを低めている。
電気モーターは、バッテリー・セル数を48から60に増加することで、最高出力は109psから131psにアップ。253Nmの最大トルクの数値は同じものの、その発生回転数を0~3000rpmから0~3500rpmへと広げている。
ホンダ独自の2モーター・ハイブリッドe:HEVは、状況に応じて「EV」、「ハイブリッド」、「エンジン」の各モードを自動的に使い分ける。さらに「ノーマル」、「スポーツ」、「ECON」の3つのいわゆるドライブ・モードを備えるほか、坂道等で有効なように、アクセル・オフ時の減速度を3段階で切り替えることもできる。
1クラス上の4WDシステム
ハイブリッド車としては珍しく、プロペシャラ・シャフトを備えた4WDの設定があることも新型ヴェゼルのウリだ。それも、ヴィスカス・カップリング式のフィットの4WDとは異なり、1クラス上のCR-Vと同じ「リアルタイム4WD」を採用する。電動油圧式クラッチを用いているこれは、従来型より10%、トルクを後輪に配分できるようになっている。前後トルク配分は加速時には最大50:50になる。
e:HEVは基本的にモーター駆動だから、アクセルに対するレスポンスがリニアで、トラクション・コントロールも緻密に制御できる。それゆえ、グリップするのが1輪だけの状況になっても楽々と脱出できるという。今回の事前撮影&説明会では、このような4WD性能を体験する機会も設けられており、これは助手席で眺めていただけですけれど、前後輪の片側1輪ずつが空転する状況でもアクセルを踏み込むだけで瞬時に脱出してしまった。
このクラスの他社のハイブリッドの4WDで、プロペラ・シャフトを持たず、モーターで後輪を駆動するタイプは、モーターの性能に制約があるため、4WDになるのは発進時に限られる。その点、リアルタイム4WDは低速から高速まで4WDで走行出来るから、より高い安定性が得られる。と、ホンダは考えた。新型ヴェゼルは、SUVとして4WD性能にもこだわっているのである。
モーター駆動を基本とすることで目立ちがちな騒音・振動への対策にも目を配っている。重量増を招くことなく達成したという高剛性ボディ、ストロークを増やしたというサスペンション等についても言及された。これらについては試乗時にあらためて検証する。
新型もいいんじゃないの
もうひとつ新型ヴェゼルで強調されているのが、フィット、ホンダeに続いて採用されたコネクテッド技術の「Honda CONNECT」である。
スマホにアプリをダウンロードすることで、エアコンの操作が予約できたりするというIT時代ならではのテクノロジーで、携帯の電波を用いておこなう。なので、携帯の電波さえ届けば、遠く離れていても操作できる。
ただし、ちょっと時間がかかる。そこで、近くのドア・ロックの開閉等はブルートゥースを使う。スマホを自動車のキーとして用いる場合の電波もブルートゥースだ。スマホを持っていれば、ブレーキを踏んでパワーのスイッチを押すだけで起動できる。ナビゲーション・システムの地図が自動的に更新されたりもする。
これらは「Honda Total Careプレミアム」というサービスに含まれるもので、基本パック月/550円かかる。オプションで車内Wi-Fiが、たいていのスマホ料金より安い、ところをホンダとしては狙って、1GB /330円で使用できる。しかも、基本パックも車内Wi-Fiも初回申し込みから12カ月間は無料だそうで、う~む、コネクテッド、自動車のスマホ化とはつまり、毎月お金を払い続けるシステムのことだったのである。
もちろん便利だから大歓迎。という声もあるでしょう。ホンダは車載用のアプリも開発中で、目的地を複数入力すると、旅のルートをつくってくれたりするのとか、エイベックスとサイバーエージェントの合弁会社の音楽配信サービス「AWA」などを用意している。
ほかのホンダ車同様、運転支援システムの「Honda SENSING」を全タイプに標準装備して、価格は1.5リッター直列4気筒ガソリン・エンジンの「G」の227万9200円から、オシャレ仕様の「e:HEV PLaY」の329万8900円まで。インテリアもスッキリさわやかだし、事前撮影会&説明会が終わるころ、「初代ヴェゼルのほうがカッコよかったけどなぁ」という思いはすっかり消えて、「新型もいいんじゃないの」に変わっておりました。
文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
既に17,000台受注してるらしく、半導体の遅延でPLaYは12月以降の納車予定とか…。