アロンソ、勝てそうで勝てなかった2023年。アストンマーチンF1が「勝利に最も相応しかった」

　フェルナンド・アロンソは、2023年シーズンのアストンマーチンは「勝利に値した」と語った。

　2023年に向けてアルピーヌからアストンマーチンに移籍したアロンソは、シーズン序盤の8レースで6回の表彰台を獲得。競争力のあるマシンで鮮烈なアストンマーチン加入初年度をスタートさせた。

　サマーブレイク後にアロンソはさらに2回の表彰台を獲得し、ドライバーズランキングではフェラーリのシャルル・ルクレールと同ポイントの4位を獲得した。8回の表彰台獲得のうち3回が2位だった。

　ただ2023年シーズン、アストンマーチンはレースを追うごとに失速。コンストラクターズランキングでアストンマーチンは当初レッドブルを追う2番手につけていたものの、結果的にはメルセデス、フェラーリ、マクラーレンに抜かれてランキング5位となった。

　竜頭蛇尾の1年とはなったものの、アロンソは2022年に比べて2023年はアストンマーチンが「最も勝利に相応しい」と語った。

　アストンマーチンとアロンソが勝利に最も近づいたのはモナコGPだった。しかし、予選ではフェルスタッペンがセクター3を完璧にまとめ上げたことでポールポジションを逃し、絶好の位置から決勝を迎えることはできず、そのレースでは降ってきた雨が強まる前にミディアムタイヤを履いたことで、フェルスタッペンを抜いて先頭に立つチャンスを逃してしまった。

「（勝つ）可能性はあったと思う。多分、モナコが一番（勝利に）近づけた」とアロンソは言う。

「タイヤ変更の指示や何かがあったかもしれない（違いを生んでいたかもしれない）。ザントフールトも、リスタートで違うポジションにいるなどすれば、何か起こったかもしれない」

「チャンスはあちこちにあった。そして今年、他の誰よりも僕らがそれに値したと僕は信じている」

　またアロンソは、アストンマーチンがシーズン後半にかけて失速したものの、2023年シーズンには「ポジティブな要素しかない」と考えている。そしてアロンソ曰く、アストンマーチンはまだトップチーム入りを目指して成長している過程にあるという。

「僕はポジティブなことしか考えていないし、苦戦も仕事の一部で、このチームとの旅の一部だ」とアロンソは言う。

「僕らは驚くほど強いマシンでスタートを切ることができて、驚くほど競争力があった。昨年から今年にかけてのステップアップとして、僕らも驚きだった」

「それから、自分たちが準備不足であることに気がついたんだ。メルセデスやフェラーリといったトップチームは、あのレベルでの戦いに慣れている。シーズン中のマシン開発という点では少し後退してしまったかもしれない」

「僕らはまだトップレベルに達していないし、競争力も少し落ちていた。でも全体的に見れば、12ヵ月前のこの時期には考えられなかったことだ」

「昨年のポストシーズンテストのことを完璧に覚えているし、もし誰かに僕らがこのポジションにいると言われても、信じなかっただろうね」