全国の高速道路に点在するサービスエリア/パーキングエリア。かつては公営の日本道路公団が管理していましたが、2005年に民営化されたことで施設のリニューアルが進み、サービスが向上しています。
横川SA内に置いてある列車(写真提供:NEXCO東日本) そのため最近のサービスエリアは、トイレ休憩などで立ち寄るだけではなく、そこに行くためにわざわざ高速道路に乗るくらい魅力的なスポットに生まれ変わっています。
「あっ、ラーメン食べたい!」 くるまやラーメンはなぜ「くるま」が店名に?
関越自動車道の寄居パーキングエリア(上り)は「星の王子さま」、東北自動車道の羽生パーキングエリア(上り)は時代小説「鬼平犯科帳」など、テーマを設けた個性的なパーキングエリアも登場しました。
そんななか、地元の特色を打ち出すサービスエリア/パーキングエリアも増えています。
群馬県藤岡市から新潟県上越市までを結ぶ上信越自動車道の横川サービスエリア(上り)には、施設内に列車が展示されています。サービスエリア/パーキングエリアといえば、クルマに関連する施設なのに、なぜ列車が置かれているのでしょうか。
群馬県安中市にある横川サービスエリアの周辺地域は、その昔、碓氷峠(うすいとうげ)を超えて長野県軽井沢へと続く、信越本線の終着駅である横川駅がありました。
この横川駅のホームで「温かく家庭的なお弁当」として1958年に誕生した駅弁が、「峠の釜めし」です。
峠の釜めしを販売する「おぎのや」は、クルマに乗る人への対応も早く、上信越道はおろか関越道ができる前の1962年に、「峠の釜めし・ドライブイン(荻野屋横川店)」を開設。当時流行しつつあったバス旅行の立ち寄りスポットとして人気を集め、より多くの人に認知されていきました。
そのような歴史がある横川ですが、ネクスコ東日本では、さらなる地域拠点として、また地域の経済活性化を目指した個性的なサービスエリアを作ることを計画していました。
それが、各地域のサービスエリア/パーキングエリアを、よりご当地の特色を活かした「ドラマチックエリア」にするプロジェクトです。
横川サービスエリアの「ドラマチックエリア」プロジェクトについて、ネクスコ東日本内のサービスエリア/パーキングエリア商業施設を管理・運営するネクセリア東日本の遠山氏は次のように説明します。
「訪れる皆さまが立ち寄りたくなり、訪れたら思い出になる、写真を撮りたくなるような個性的なサービスエリア/パーキングエリアのひとつがドラマチックエリアです。
横川サービスエリアならではの特色を出すために、おぎのやとの協議の結果、2009年3月にドラマチックエリアがオープンする際に、昭和30年代の横川駅を再現したメモリアルコーナーを作ることになり、施設内に列車を置くことにしました」
訪れた人の思い出に残るSAを目指したドラマチックエリア 横川サービスエリア(上り)にある列車は、昭和時代の信越本線で走っていた列車を再現し、ノスタルジックな雰囲気のなかで「峠の釜めし」を食べられるスポットを目指して設置されたものだということです。
ボックスシートで「峠の釜めし」を食べることができる(画像提供:ネクセリア東日本) 最近は、鉄道ファンが増えており、この横川駅を再現したコーナーは注目を集めることになりました。
「こちらでは、おぎのやの『峠の釜めし』を購入して、イートインスペースに改装した車両で召し上がっていただけます。もちろん写真も撮り放題です」(遠山氏)
車両は、サービスエリアのフードコートに出店するおぎのやの前にドーンと鎮座しています。
独特の色合いのクリームと赤で塗られた車体は当時の雰囲気そのもの。なお、この車両は2008年までJR九州で稼働していた「キハ58 624」という車両で、当時使用されていた車両「キハ57 26」に仕立て上げられたといいます。
運転席は隔離されているので座ることはできませんが、ボックスシートになった座席に座り、テーブルに峠の釜めしを広げれば、当時の横川駅のような雰囲気が楽しめます。
土釜に入った釜めしは、醤油味の炊き込みご飯に、甘辛く炊いた鶏肉やシイタケ、ゴボウに加え、タケノコ、うずらの卵、グリーンピース、紅ショウガが載せてあり、杏や栗が箸休めとして添えられています。
また、益子焼きの重厚な器は、持ち帰って小さな土鍋として使ったり、植木鉢として活用する人もいるようです。
横川サービスエリアでは、この峠の釜めしをモチーフにしたお土産も充実しており、クルマだけでなく鉄道マニアからの人気も高いようです。
※ ※ ※
峠の釜めしは各地で開催される「駅弁グランプリ」などで上位に入賞するなど、人気駅弁のひとつとして多くの人に愛されています。
人気の駅弁のため、18時前には売り切れてしまうことも多いようです。峠の釜めしを味わいたいなら、18時前に訪れるのがよさそうです。
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