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東京モーターショーで見つけた、クルマ以外の「ミライの技術」5選

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東京モーターショーで見つけた、クルマ以外の「ミライの技術」5選

■用品・部品メーカーブースにも興味深い出展がずらり

 2019年10月24日から11月4日まで、東京ビッグサイトとお台場周辺地域で開催された東京モーターショー2019では、さまざまな次世代先進技術も出展されていました。そこで今回はそのなかから、登場すればカーライフががらりと変わる先進技術を紹介します。

市販化はいつ!? 反響が大きかった東京モーターショーのコンセプトカー5選

●ブレーキパッドのないブレーキ!? (曙ブレーキ)

 クルマの諸元表で「ディスク」「Vディスク」と表記される自動車のブレーキは、ブレーキディスクをブレーキパッドで挟み込んでタイヤの回転を止めています。

 ハイブリッド車やEVなどは、ブレーキをかける際にモーターを回す力に変えることで、回生ブレーキとして発電するといったタイプも普及してきていますが、ブレーキディスクとブレーキパッドは装備されています。

 ただ、必ずブレーキパッドを使うため、ブレーキパッドのカスが出てホイールが汚れたり、摩擦による熱が発生したりすることは避けられず、山道などでブレーキを使い続けると、摩擦による熱によってブレーキがフェードして効かなくなるというトラブルも考えられます。

「曙ブレーキ」のブースには、従来のブレーキシステムのほかに、「MR流体ブレーキ」を参考出品していました。このMR流体ブレーキは、ブレーキパッドもディスクローターもない次世代の電動ブレーキシステムです。

 磁場を加えると瞬時に液体から半固体になるMR流体(Magneto Rheological Fluid)を使用しているので、摩耗粉や音/振動を出さないといった環境への配慮と、自動車の電動化や自動運転に対応した応答性/制御性の良さが実現できるとしています。

 じつは、前回の東京モーターショー2017でも「MR流体ブレーキ」が出展されており、実車テストの動画や実際にペダルで漕いでブレーキ作動を確認できるモデルなども展示されていたので、そろそろ実用化されるのではと期待をしていました。ところが、今回の展示も前回と同様のモデルの出展となっていました。

 説明員に前回からの進化について聞いたところ、「じつは新しいモデルがすでに出来上がっているが、今回のモーターショーのタイミングでは、まだ一般公開できなかっただけなので、期待していてほしい」とのことでした。

 電動のブレーキなので、応答性も高く制動力も細かく制御でき、パッドやディスクローターの交換も不要という次世代の「MR流体ブレーキ」。こちらも早く実用化されてほしいです。

●気分に合わせてアプリで香りがチェンジ(カーメイト)

「カーメイト」のブースには、いろいろな香りを気分に合わせてチェンジさせたいという想いをかなえてくれる、「フレグランス切替式ディフューザー」を参考出品していました。

 ヘッドレストに内蔵されたユニットには、リフレッシュ/リラックス/デオドラントの3タイプの香りが内蔵されており、普段はリラックス、眠くなったらリフレッシュ、運動した後の帰り道にはデオドラントなど、タブレット端末で選ぶことができます。

 また、音声での操作も可能なので、運転中の気分転換に効果を発揮しそうです。

 なお、香りのチェンジはできませんが、フレグランスを楽しみたい時だけ香らせることができる「フレグランスディフューザー」を2020年1月に発売する予定とのことです。

 このフレグランスディフューザーを複数個設置して、それぞれ別の香りを入れておけば、気分に合わせて香りをチェンジすることもできそうです。

■すでに量産車に採用されているスゴい技術も

●ドライビングシアターに早変わり!? するヘッドライト(マレリ)

 ヘッドランプが電球からHIDにそして、LEDに進化し、これまでのヘッドランプではできなかった、対向車や前方車などがまぶしくないように部分的にヘッドライト光をカットし、ハイビームを制御する機能を備えたALH(アダプティブヘッドライト)を採用するクルマが増えてきています。

「マレリ」のブースには、さらに進化したヘッドランプ「インテリジェントライティング」が出展されていました。このライトは、世界初の130万画素の量産ヘッドランプで、画像を前方に表示する機能を備えています。

 ヘッドランプから壁に照射された動画は、まるで白黒映画を見ているようにはっきり映し出されており、上部の説明用のプレゼン用のカラープロジェクターと比較しても遜色ない仕上がりです。

 構造としては、LEDを多数のマイクロミラーに反射させて表示しているとのことで、プレゼン用のカラープロジェクターのようにカラーにすることも技術的には可能とのことでした。

 なお、このヘッドランプはすでに量産車のメルセデス・マイバッハに装備されているとのことですが、日本などの法規に合致していないため、ドイツのみでの利用が可能だといいます。

 ドイツでは、路面に白線のようなラインを表示させたり、雪のマークを表示させたりして、ワーニングとして活躍しているとのことでした。

 法規制の問題がクリアされる必要はありますが、ヘッドランプで動画が映せる機能が普及すれば、自宅の車庫の壁に映画を映写したり、キャンプのテントに動画を映して楽しんだりすることもできそうです。

●グーグルストリートビューを自分で撮影!(カーメイト)

 グーグルマップが普及してから、ストリートビューを参考に、事前に旅先のプランを立てたり、訪問先へのルートを確認したりできるようになり、これまでより便利に外出ができるようになりました。

 しかし、グーグルマップの撮影車は、一般的な道を撮影しているので、細い道や林道などは撮影されていなかったり、撮影日が古く、まわりの風景がガラッと変わっていたりすることがあります。

 また、春に訪れた場合は新緑がきれいだったり、冬に訪れた場合に雪景色だったりと、季節によって同じ場所でも雰囲気がだいぶ違うこともあります。

「カーメイト」のブースには、そのようなときに、自分の旅の思い出としてストリートビューを簡単に撮影できる「ダクション360S ルーフキャリア用アタッチメント」が参考出品されていました。

 ダクション360Sは、ドライブレコーダーとアクションカメラがひとつになった360度動画を撮影できるドライブアクションカメラですが、これをルーフキャリアに取り付けるだけで、ストリートビューのような360度画像が撮影できるといいます。

 事故やあおり運転の動画も死角なしにばっちり撮れますが、自分が行った楽しい旅の思い出も360度で録画できるのは良さそうです。

●EVライフが大きく変わる! 移動できる充電スポット(トヨタ)

 EVの電欠は、ガス欠とは違い、給油のように手軽に補充できない点が不安です。このような場合に活躍しそうなのが、「トヨタ」のブースに参考出品されていた「TOYOTA e-Chargeair」です。

 フューエルセル搭載を想定したこの車輪がついた移動できる充電スポットは、非接触で電気を飛ばせるほか、走行中のEVなどに接続して走りながら充電ができる優れものです。

 バッテリーの大きさがEVの航続距離や価格に大きな影響を与えているだけに、この「TOYOTA e-Chargeair」が実用化されれば、小型EVモビリティでも日本一周が実現できそうです。まだコンセプトなのですぐには登場しませんが、大きくEVライフが変わる一台になりそうです。

※ ※ ※

 前回の東京モーターショーで参考出品やコンセプトとして展示された製品の一部は、すでに量産車に採用されています。

 今回紹介した、新技術を取り入れた量産モデルも近い将来に実現され、より快適で楽しいカーライフが創造されることを期待したいところです。

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