大ヒットしたのは2代目? 3代目?
上のグラフは2000年~2021年の日本、アメリカでのプリウスの販売台数の推移を表したものだ。
トヨタC-HR | これがオーナーの本音レビュー !(リベイクver.)「燃費は? 長所は? 短所は?」
今度は、このグラフを世代でわかるようにしてみよう。
見てすぐにわかるように、初代は特別なクルマだったから販売台数も限られている。そもそも、トヨタにとっては「売れば売るほど赤字が嵩んでいく」クルマだった。それでもハイブリッドに賭けたトヨタという言い方もできる。その賭けに勝ったのが、2代目、3代目モデルだ。
2代目、3代目が日米でどう受け入れられたか?
初代トヨタ・プリウス 登場は1997年「21世紀に間に合いました」でデビューした。2代目プリウス(左)と3代目プリウス(右)2003-2008年の年間平均販売台数
日本:5万0063台/年
アメリカ:10万5599台/年
この期間は主に2代目モデル(20系)の販売期間だ。北米で急にセールスが伸びている理由のひとつは、環境意識の変化だ。人気俳優のレオナルド・デュカプリオさんがプリウスでレッドカーペットにプリウスで乗り付けたことで一躍プリウスの人気・認知度が高まったのは、この頃だ。
2009-2015年の年間平均販売台数
日本:25万5346台/年
アメリカ:18万2875台/年
この期間は主に3代目モデル(30系)の販売期間だ。日本で大ヒットした3代目だが、意外なことにアメリカでは日本ほどの大ヒットとはなっていない。2代目→3代目で日本では平均年間販売台数が約5倍になっているのに対して、アメリカでは約1.8倍だ。
現行4代目プリウス 登場は2015年12月だ。 2016-2021年の年間平均販売台数
日本:12万6282台/年
アメリカ:9万8575台/年
現行モデルになってからの販売台数は3代目と比べるとやや寂しくなっている。20年21年はコロナ禍による大きな影響を受けているが、その要素を除外しても4代目は3代目ほどのヒットとはなっていない。
ハイブリッドを含む燃費のいいクルマが増えてきたことと、4代目モデルのデザインが好き嫌いが分かれるものだったからということもあるだろう。
プリウスと言えば燃費
プリウスと言えば燃費性能である。ザッと記してみると
初代プリウス(10系):10・15モード燃費28km/ℓ
2代目プリウス(20系):10・15モード燃費35.5km/ℓ
3代目プリウス(30系):10・15モード燃費38km/ℓ/JC08モード燃費32.6km/ℓ
4代目プリウス(50系):JC08モード燃費40.8km/ℓ/WLTCモード32.1km/ℓ
となっている。燃費向上の割合は
初代→2代目 26.8%
2代目→3代目 7.0%
3代目→4代目 25.2%
これを見ると4代目プリウスの燃費性能の向上は目覚ましい。それでもセールスには結びつかないのは、すでに充分な燃費性能を持っていたから、ということかもしれない。
次期プリウスはどうなる?
現行(4代目)プリウスが登場してそろそろ7年。次期型はどうなるだろうか?
「ハイブリッド=プリウス、プリウス=ハイブリッド」という図式が成り立っていた3代目までと4代目、そして次期型はプリウスの立ち位置がだいぶ変わっている。なにせ、トヨタのクルマのほとんどにハイブリッドパワートレーンを積んだグレードが設定されていて、プリウスより燃費の優れたクルマもある。
プリウスの役割が文字通り「先駆者」であるなら、次期モデルはどこを目指すのか?
最新のトヨタ・ハイブリッドシステムは社内では「第5世代のハイブリッドシステム」と呼ばれているもので、新開発のリチウムイオンバッテリーをはじめ、すべての電動モジュールを刷新している。新型ノア/ヴォクシーが初出しになった「第5世代のハイブリッドシステム」で、ノア・/ヴォクシーは燃費が前型から23%も向上していることを考えると、次期プリウスは40.0km/ℓ(WLTCモードで)を超えてくるかもしれない。
プリウスPHEV(北米ではPrius Primeのモデル名となる)プラットフォームはTNGAのGA-Cが引き続き使われると予想する。エクステリアデザインも大きく変わるだろうし、先進安全装備や運転支援システム、コネクティビティも最新のものが載ってくるはずだ。
登場はおそらく2023年春頃。40km/ℓの燃費性能と最新装備、受け入れやすいエクステリアデザインで登場する……だけではちょっと物足りない。
次期プリウスは、全車PHEV、しかも価格破壊的なコストパフォーマンスを持つ……といったサプライズを期待したい。
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