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GT-Rの再来か!?と驚かれた究極の4気筒 鉄仮面ターボC「スカイライン2000ターボインタークーラーRS」

掲載 更新 70
GT-Rの再来か!?と驚かれた究極の4気筒 鉄仮面ターボC「スカイライン2000ターボインタークーラーRS」

0→400m:15秒03 0→100/km:8.4秒をマーク!

S20、L、RB……日産のスカイラインといえば6気筒、というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、1980年代、4気筒エンジンでハイパフォーマンスを追求した異端のモデルがあったのを覚えているでしょうか?
6代目、R30系スカイラインに登場した2000ターボインタークーラーRS──“鉄仮面”でおなじみとなった後期型2000RS系の最強バージョンで、「ターボC」の愛称でも呼ばれるモデルです。

鉄仮面ターボC「スカイライン2000ターボインタークーラーRS」を写真で見る

もともと、S20型エンジン以来となる4バルブを採用した新開発のDOHC直列4気筒エンジン・FJ20を搭載した2000RS系(DR30)自体非常にスポーティな位置付けのモデルで、1981年登場の2000RSが150馬力、それにターボを組み合わせ1983年に登場した2000ターボRSが190馬力を発揮しました。
(ちなみにR30系で2000ccのL20型6気筒+ターボの「2000GTターボ」は145馬力)
ですが、当時の高性能の目安とされた「オーバー200馬力」「リッター当たり100馬力」の壁をうち破り、1984年2月に登場したのが2000ターボインタークーラーRSです。
それまでの2000ターボRS用FJ20ETエンジンをベースに空冷式インタークーラーを組み合わせ、パワー・トルクともに上乗せ、最高出力は205馬力に達しました。

……というと、ハイパワーとスピードだけを追求した凶暴なマシンのようなイメージを抱いてしまいそうですが、デビュー直後に行われたdrive誌新車テストでは、テストコース・公道ともに「扱いやすい高性能車」という意外な評価が。とはいえ性能面は折り紙付きで、谷田部のテストコースでの計測結果は0→400m:15秒03、0→100/km:8.4秒をマーク。当時の国産車としては最速の領域でした。

回してナンボだけじゃない! とにかく粘るエンジン

エンジンはスムーズに回るというよりも、迫力をともない回転を上げていくタイプで、4000回転以上のパワーバンドに入るとターボとは思えない俊敏なレスポンスを発揮する特性。一方で、低回転域からもブーストが効き、従来までのターボRSより扱いやすさが格段に向上している、という評価がなされています。
ちなみにターボは、2000ターボRSより低い回転数……2400回転で体感できるレベルで効き始め、3000回転で弾みをつけ、4000回転からはターボRSよりパンチの効いた盛り上がりを見せる、というもの。

100km/h時の回転数は5速で2600回転で、この時点で十分“ターボゾーン”なのです。高速道路で必要な一般的な追い越し加速なら、わざわざシフトダウンする必要もなく「5速でも、標準的な2ℓスポーティモデルの3速に匹敵する加速力が得られる」というテストのコメントからは、2000ターボインタークーラーRSの懐の深さを感じさせます。
驚くのは、3速15km/hでアイドリング走行も可能だった、という事実です。回転数800のほぼアイドリング状態でもノッキングすることなく走り、そのままアクセルを踏み込んでいけば上記のように約170km/hまでカバーできるという……実用領域の広さ、恐るべし!
ただし「6000回転あたりでパワーが頭打ちとなり、レッドゾーンとなる7400回転まで回してもあまり意味がない」という評価で、超高回転域はあまり得意ではなかったようです。

それでいて、それまでのスカイラインGT-Rのようなハイチューン車につきものの扱いにくさがほとんどなく、ペダル類の操作も同時代のクルマと比べて特別重くなかったとのこと。低回転域も難なく対応してしまうエンジン特性で、ビギナーからベテランまで高性能を享受してドライブできる“フレキシビリティの高さが美点”というテスト評価が導き出されています。
今の時代では当たり前となった「扱いやすく、なおかつ、速い」を30年以上前に先駆けて実践していたとも言えるのではないでしょうか。

ただし、サスペンションはハードなセッティングになっていて、基本的には弱アンダーに徹するものの、パワーのほうがサスペンションの能力を圧倒的に上回っているという“狼”な要素もあったそうです。
ペースを上げすぎてリヤがブレイクすると、かなりの腕前のドライバーでもコントロールが難しかったとか……。
そのうえで、2000ターボインタークーラーRSを速く走らせるには「パワーバンドを適切に維持した走りであり、それにはある程度の腕前をドライバーに要求する。そうした人が乗ると、ターボインタークーラーRSの走りは活気に満ちてくる」と評されたあたり、間違いなく“羊の皮を被った狼”ことスカイラインの純血種だったのではないでしょうか。

[スカイラインハードトップ2000ターボインタークーラーRS-X主要諸元]
■寸法・重量
全長:4620mm
全幅:1675mm
全高:1360mm
ホイールベース:2615mm
トレッド:前1420mm/後1410mm
車両重量:1245kg
燃料タンク容量:65ℓ

■エンジン・トランスミッション
型式:FJ20ET型 直列4気筒DOHC4バルブ
排気量:1990cc
最高出力:205馬力/6400回転
最大トルク:25.0kgm/4000回転
トランスミッション:5速MT

■サスペンション・ブレーキ・タイヤ
サスペンション:前ストラット/後セミトレーリングアーム
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク/後ディスク
タイヤ:205/60R15(ヨコハマ・アドバンA450)

■1984年発売当時価格
2ドアハードトップ2000ターボインタークーラーRS-X:273万9000円
2ドアハードトップ2000ターボインタークーラーRS:247万4000円
4ドアセダン2000ターボインタークーラーRS-X:268万4000円
4ドアセダン2000ターボインタークーラーRS:241万9000円
「RS-X」は8種の電動調整機構を備えたシート、パワーステアリング、クルーズコントロール、ダイバーシティ付き4スピーカーFM・AMラジオなど快適装備を充実させた上級仕様。

*文中、諸元の出力はいずれもグロス値。
*この記事は1984年ドライバー4月5日号『緊急試乗205馬力!スカイラインRSターボインタークーラー』、1984年ドライバー4月20日号『OVER200!205馬力スカイラインターボRS vs 230馬力フェアレディZ 300ZX』より編集・抜粋しています。

(まとめ=driver@web編集部)

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みんなのコメント

70件
  • ヘッドカバーが赤い結晶塗装で、妖しいオーラを放っていた。
  • 記事にあるとおりインタークーラー付きは低回転から良くなったけれど
    インタークーラー無しのドッカンターボの方が運転していて楽しい
    ただ、全モデル足回りが古臭すぎるのでコーナリングはシビアだ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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