FF化されても走りの楽しさは忘れない
4代目にフルモデルチェンジされたBMW 1シリーズが日本デビューを果たした。そのルーツは2001年に登場した『3シリーズ・コンパクト』だが、2004年には『1シリーズ』として初代がデビュー。駆動方式は上位モデルと同様のFRとしていたが、2019年に登場した3代目からは同グループのミニとプラットフォームを共有する関係もあり、FFとなった。それでも『駆け抜ける歓び』を標榜するBMWらしく、走りの楽しさに変わりはない。
【画像】一度は乗りたいホットハッチ!新型BMW M135xドライブ 全27枚
まず日本に導入されたのは、1.5Lの直3ターボを搭載した『120』と2Lの直4ターボを搭載した4WDの『M135 xドライブ』の2グレード。車名を見ておや? と思われた読者諸氏もおられるだろうが、この新型1シリーズから高効率ガソリン車のモデル名の最後に付いていた『i』は廃止され、今後は電気自動車を意味する文字として電気自動車のみに採用される。もっとも、当初はインジェクションを意味するiだったし、いまやキャブレター車も存在しないのだからiが付いてなくても問題ないだろう。
さて、今回の試乗車は後者のM135 xドライブ(以下、M135)。BMW M社が開発する、本格的なサーキット走行で培われた技術を取り入れて走行性能を高めた『Mパフォーマンスモデル』だ。2Lターボは最高出力300ps/最大トルク400Nmまでパワーアップされ、7速DCTを介してフルタイムで4輪を駆動する。さらにハイパワーに対応すべく、サスペンションやブレーキなどを強化している。
最近では死語になりつつあるが、Cセグメントハッチバックのホットモデル、いわゆる『ホットハッチ』と呼べるモデルだ。SUVやミニバンが主流の昨今でも、この手のクルマのマニアは少なくない。まずは、そのパフォーマンスの片鱗を味わってみることにしよう。
エアロパーツで武装し足まわりも強化
サイズもフォルムも従来型とほとんど変わらないので、マイナーチェンジでは? と思われてしまうが、よく見るとデザインはかなりブラッシュアップされている。最新のBMW車はキドニーグリルが巨大化しているが、この新型1シリーズは従来型と変わらない大きさで、個人的には好ましく感じた。
M135ではグリルなどをブラックアウトし、エアロパーツで武装。左右4本出しのテールパイプにリアバンパー下部はディフューザー形状とするなど、なかなか迫力満点だ。
インテリアも12時の位置を赤くマーキングしたステアリングホイール、シートバックの『M』ロゴが光るスポーツシート、そしてダッシュボードにも『M』の3色ステッチが入るなど、好きな人にはたまらない。
そもそもがCセグメントのハッチバックだから、リアシートの広さも十分で、前席より座面が少し高くなって見晴らしも良いので、長時間乗車も苦にならないだろう。また、ラゲッジスペースは4WDながら380~1200Lもある。ちなみにFFの120は300~1135LとM135より少し狭いのだが、これはMHEVを採用している関係だという。
他のBMW車と同様、スイッチ式になったシフトレバーをDに入れて走り出す。まず感じたのは、ボディ剛性の高さ。実はM135を試乗する前日に、別の取材で最新のポルシェ 911カレラとメルセデスAMG CLE53 4マティックに乗る機会があったのだが、ボディのしっかり感はそんな2台のハイパフォーマンスモデルに近いものだった。
市街地や高速道路では4WDを意識させることはないが、それでも高速での直進性や安定性は高い。エンジン回転数は、7速の80km/hで約1500rpm、100km/hで約2000rpmといったところ。ここからジワッとアクセルペダルを踏み込めば、間髪入れずに加速する。
バランスの良さはさすがMスポーツ
どんなシチュエーションでも、アクセルレスポンスの良さは、2Lターボではなく車名の由来である3.5L自然吸気エンジンでも搭載しているかのよう。市街地でも、緩い上り坂でパーシャルスロットルから少しだけ右足に力を入れるとスーッと淀みなく加速する。自分の思ったように加減速してくるのは、やはり楽しい。
試乗車はオプションの235/40R19タイヤを履いており、締め上げられた足まわりも相まって路面の悪いところではそれなりに突き上げもあるが、それでも収束力は高い。
BMWらしいエンジン音を楽しみながら、太めのステアリングホイールを握り、ワインディングロードを走ると、ハンドリングとxドライブによる4WDのバランスの良さに感心する。アクセルと同様にステアリングのレスポンスも良く、前輪だけでなく後輪も稼働してコーナーを抜けていく、そんな感覚が味わえる。
今回、3日間で約320km(高速道路と一般道路の比率は約3:1)を走り、平均燃費計は13.5km/Lを記録した。高速道路での走行が多かったとはいえ、年末の渋滞に何度もハマったし、もちろんエアコンは入れっぱなしでエコランもしていない。それでWLTCモードの12.5km/Lより良い燃費を達成したのだからたいしたもの。なお、アイドリングストップ機能は頻繁に作動していた。
大人4人で快適に長距離移動も可能で、その気になればスポーツカー的なパフォーマンスも発揮するM135。ただし、その車両価格は698万円と、エンジンスペックや駆動方式が違うとはいえ、320i Mスポーツ(690万円)や420iクーペ Mスポーツ(694万円)より高い。
もっとも、ほぼ同スペック(306ps/400Nm)のメルセデスAMG A35 4マティックが758万円、アウディ A3スポーツバック(310ps/400Nm)が681万円だから、法外に高いとはいえないだろう。
予算的に問題はないけれど、大きいクルマは要らない、コンパクトなクルマでパフォーマンスを引き出して走るのが好き、という方なら、内外観は派手すぎず安全&快適装備も十分に充実しており、永く付き合えそうなM135は格好のアイテムになるに違いない。
経済的な問題はさておき、自分とクルマの付き合い方を考えると、久しぶりに「欲しいな!」と思わせてくれた1台だった。
SPEC:BMW M135 xドライブ
●全長×全幅×全高:4370×1800×1450mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1570kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1998cc
●最高出力:221kW(300ps)/5750rpm
●最大トルク:400Nm(40.8kg-m)/2000-4500rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●燃料/タンク容量:プレミアム/49L
●WLTCモード燃費:12.5km/L
●タイヤサイズ:225/45R18
●車両価格:698万円
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