もくじ
どんなクルマ?
ー 2025年に向けたモデル戦略の第一歩
ー パワートレインは違えど、同じ508
どんな感じ?
ー インテリアの雰囲気も共通
ー ソフトウェアの調整はこれから
「買い」か?
ー フィロソフィーの良さははそのまま
スペック
ー プジョー508 PHEVのスペック
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どんなクルマ?
2025年に向けたモデル戦略の第一歩
プジョー508 PHEVは、あくまでも複数あるグレードのひとつではある。内面ではかなり大きな変化を得ていることは間違いないが、まずはプジョー508の概要をおさらいをしてみよう。508はプジョーのDセグメントモデルで、セグメントの中でも比較的大きなボディサイズを持ち、ハッチバックとステーションワゴンがラインナップされている。ややトラッドなスタイリングに、良質なドライビング性能を持ち合わせた、優れたファミリーカーだ。
ジーン・フィリップCEOは発表当初、割引をして販売台数を稼いで、ユーザーに媚びる時代は終わったと話していた。また安定していた欧州におけるDセグメント・サルーンのポジションは弱まりつつあり、SUVの人気の高まりとともに、販売数も伸び悩んでいることにも触れていた。ただし、その話を聞いたのは中国市場の販売台数が40万台から14万台へと急落する以前のこと。今後の508の動向については見守るしかない。それでも、プジョーが退屈なクルマを作り続けていた時代は終わり、本来の魅力あるクルマづくりに向けて再スタートしたことを示す1台であることには違いない。
そしてこのPHEVバージョンは、2025年にすべてのモデルでハイブリッドを始めとする電動化技術を導入したグレードを揃えるという次の目標に向けた、現実的な第一歩となる。姉妹メーカーのシトロエンと同様に、プジョーも小型のモデルにはEVを選択肢として用意し、大きなモデルには今回のようなプラグイン・ハイブリッドシステムを導入するようだ。
パワートレインは違えど、同じ508
プジョーは航続距離を長めに設定したがる傾向があり、また大きなクルマのユーザーはエンジンのフレキシビリティを好むというメーカーの読みもあるのだろう。今回の508 PHEVもそれに合致している。登場は2019年の後半か2020年初頭になるとされており、180psを発生する1.6ℓターボガソリンエンジンに、109psの電気モーターが組み合わされている。
エンジンと電気モーターは同時に最高出力を発生させないため、システム総合での最高出力は単純な足し算の289psではなく、225psとなり、最大トルクは今のところ未定となっている。ふたつのパワーソースはともに8速ATを介して、前輪を駆動する。
今後プジョーの大型SUVには、同様のシステムを用いながら、後輪にモーターを追加した四輪駆動版も登場するだろう。また、350ps位のハイパワーを誇るプジョー・スポーツ508なども登場するのではないかと、勝手に想像していたりする。
搭載するバッテリーの容量は11.8kWhで、車内空間を若干犠牲にしてはいるが、一度の充電で最大48kmの距離をEVモードとして走行することも可能。ガソリンタンクの大きさは30ℓ小さくなり43ℓになっているが、この508 PHEVも含めて、電動化技術を導入してもクルマとしての妥協は極力しないことがプジョーの目指すところ。あくまでもパワートレインの違いであり、根本的な508のフィロソフィーに違いはない。
どんな感じ?
インテリアの雰囲気も共通
ドアを開けてプジョー508 PHEVの車内に座ってみても、他の508と大きな違いは感じられない。ダッシュボードのスタートボタンを押してもエンジンが始動しないことと、インスツルメントパネルに通常のガソリンエンジン・モデルなどには見られないメーターが備わっていることが、感じ取れる差異だろう。
プジョーのiコクピットのスタイルが適用されているから、ステアリングホイールの位置は低く、通常のドライビング・ポジションを取ろうとすると、インスツルメントパネルはやや見にくくなってしまう。この点も、他のプジョー508と変わらない。
車内には大きなモニターが2面備わり、エンジンとモーターの駆動状況なども表示してくれる。また操作を行うインターフェイスには物理的なボタン式のスイッチは殆どなく、大部分をモニターで行う。ドライブモードにはフルEVモードとハイブリッドモードが設定され、フルEVモードを選ぶと、バッテリーの電気がなくなるか、強くアクセルペダルを踏み込まない限り、自動的にハイブリッドには切り替わらないようだ。
ハイブリッドモードでは、バッテリーの電力を使用しながらエンジンのパワーを補いながら走行し、スポーツモードにすると電気のアシストが大きくなる。また環境規制でEV以外の乗り入りが禁止されているエリアなどに備えて、バッテリーの残量を保てる程度の充電も、走行しながら可能だという。
ソフトウェアの調整はこれから
ただし、普通に走りながらバッテリーを充電するという使い方を、508PHEVでは想定していない。実際、充電ステーションで充電せずに走ることの方に慣れてしまいそうだが、EV以外の立ち入りが禁止されている区間では、バッテリーの残量に気を配り、EVモードままを保つべきだろう。クルマに搭載されたバッテリーの充電は、夜間の自宅や目的地で行われると想定されている。7kWhタイプの充電器なら2時間以下で充電が可能な一方で、急速充電器には対応していないという。
EVモードで走行していると、リアビューミラーの下に青いLEDが灯るから、一般市民や環境団体のひとにも、そのことを伝えることができる。しかしこのEVモードを知らせるライトの色はまだ決まっていない。EUが何色を用いるべきか決定していないこともあり、プジョーも色を決めかねているようだ。
まだこのクルマは開発段階にあり、メカニカルな部分のスペックはほぼ決定しているものの、ソフトウエアなどのキャリブレーションはこれからとなる。実際、今回のテストではエンジンとモーターとの切り替え時にギクシャクした様子があったり、滑らかに加速したり、印象はまちまちではあった。
「買い」か?
フィロソフィーの良さははそのまま
電動モーターはエンジンの燃料消費を増やすことなく、余裕のあるパワーを加えてくれるだけでなく、EVモードでは非常にスムーズにクルマを走らせてくれたことは明らか。また他のEVやPHEV等と同様に回生ブレーキ機能もあり、アクセルを離すとゆるく、ブレーキング時にはしっかりとエネルギーを回収する。
クルマの中には設定メニューなどが複雑なものもあるが、プジョー508 PHEVなら、シフトノブをDに入れるだけ。ブレーキを離せば、ドライブモードに関わらず緩やかなクリープ走行もしてくれる。
今回のテストは非常に短い距離の、一般的なテストコースではあったものの、ステアリングフィールやハンドリング、乗り心地などの面で、重量増に伴う悪化は感じ取れなかった。むしろ、好印象だった508の性格には変わりはないと感じた。パワートレインが異なるだけで、508のフィロソフィーの良さはどれを選んでも同じということは確認できた。
プジョー508 PHEVのスペック
■価格 3万8000ポンド(539万円/予想)
■全長×全幅×全高 4780×1860×1420mm(予想)
■最高速度 209km/h
■0-100km/h加速 7.5秒(予想)
■燃費 45.3km/ℓ
■CO2排出量 43g/km
■乾燥重量 1770kg
■パワートレイン 直列4気筒1598ccターボ+電気モーター
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 225ps(エンジン 180ps/電気モーター 109ps)
■最大トルク 未定
■ギアボックス 8速オートマティック
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