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受注好調の新型「ハリアー」 SUVの歴史を変えた初代ハリアーと比べてみた

掲載 更新 15
受注好調の新型「ハリアー」 SUVの歴史を変えた初代ハリアーと比べてみた

■初代「ハリアー」はレクサス「RX」として世界のSUV事情を変えた

 2020年6月17日、4代目となるトヨタ「ハリアー」が発表・発売された。

超豪華なトヨタ「ハリアー」!? 最上級グレードにフル装備な夢仕様の価格は?

 新型ハリアーは、2リッターガソリンエンジンとハイブリッドの2種類のパワートレーンを用意、駆動方式はFFと4WDから選ぶことができる。また車両価格は299万円からという、いま注目のSUVだ。

 流れるようなプロポーションはエレガントかつダイナミック。月販目標台数は3100台を見込むが、すでにWEB商談などで多数の注文が入っているという。

※ ※ ※

 人気のSUV、ハリアーの初代モデルが登場したのは1997年12月25日。いまから23年前のことになる。

 初代ハリアーは、1996年12月に発売された6代目「カムリ」をベースに、高級乗用車の基本性能とSUVの機動性・機能性をあわせ持つモデルとして開発された。

 この初代ハリアーは、日本で登場した翌年の1998年、北米や欧州など世界の市場でレクサス「RX」として発売された。

 日本でレクサスブランドの展開が始まったのは2005年。いまはトヨタ・ハリアーとレクサス・RXは違うブランドの別のモデルとなるが、2007年の3代目登場までは日本ではハリアー名で販売されていた。

 初代RXが発売された当時、世界最大の自動車市場だった北米では、ラダーフレームを持つ本格的な4WDモデルが主流だった。

 そんななか乗用車のプラットフォームを元にした前輪駆動(FF)ベースのSUVとして登場したRXは、その質感の高さや使い勝手の良さなどで大ヒット。「ラグジュアリークロスオーバーセグメント」を創り出した1台として、圧倒的な人気モデルとなっていく。

 このRXの好調が引っ張る形で、レクサスは1999年に北米での販売がはじめて年間100万台を突破。2000年には輸入ブランドとしてはじめて月間2万台の販売、そして同年、レクサスは北米でラグジュアリーブランドとしてもっとも売れたブランドへと成長していく。

 レクサスRXは、2002年にアメリカでもっとも売れたラグジュアリーSUVとなり、そして2003年にフルモデルチェンジをおこない2代目へと進化した。

 このレクサスRXの大ヒットがきっかけで、世界中のプレミアムブランドが北米市場をターゲットに乗用車をベースとしたSUVを開発していく。

 2000年に発売されたBMW「X5」、2002年に登場したポルシェ「カイエン」、同じく2002年に発売されたフォルクスワーゲン「トゥアレグ」など、各社から続々とSUVが登場した。この流れは2020年のいまも続いており、昨今のSUV人気をつくり出したきっかけになったのが、初代ハリアーの登場と言い換えることもできるだろう。

■新型ハリアーと初代ハリアーを比較すると23年の進化がわかる

 1997年に発売された初代ハリアーと2020年6月に発売された4代目新型ハリアーを比較すると、23年のハリアーの進化が見えてくる。

●スリーサイズ:新型は初代よりも全長が165mm長い

 まず、大きさを比較してみよう。

 初代ハリアーは全長4575mm×全幅1815mm×全高1665mm、ホイールベースは2615mmだった。

 対する新型ハリアーは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm、ホイールベースは2690mm。つまり初代と比べると全長は165mm長く、全幅は40mm幅広く、全高は5mm低められている。ホイールベースは75mm長くなった。

 ちなみに車両重量は、初代ハリアーが1590kgから1750kg。新型ハリアーは1530kgから1750kgだ。

 代を重ねるごとに大型化するモデルが多いなか、ハリアーは登場以来それほど大きく変わっていないのが特徴といえる。

●パワートレーン:初代も新型も2種類ずつ

 初代ハリアーに搭載されたパワートレーンは、140ps・191Nmを発生する2.2リッター直列4気筒エンジンと、220ps・305Nmを発生する3リッターV型6気筒エンジンの2種類があった。のちのマイナーチェンジで2.2リッターエンジンは2.4リッターに変更されている。

 新型ハリアーは171ps・207Nmを発生する2リッター直列4気筒エンジンと、システム最高出力218ps(2WD)、222ps(E-Four)を発生する2.5リッター直列4気筒+モーターの2種類。駆動方式は初代・新型ともにFFと4WDを用意している。

●燃費:ハイブリッドも用意する新型が圧倒的に優れる

 ハリアーにハイブリッドが登場したのは2005年。これは2代目ハリアーになる。初代ハリアーはガソリンエンジン搭載モデルだけだった。

 初代のJC08モード燃費は、「ハリアー」2WDが9.5km/L、4WDが9.1km/L、「ハリアー3.0」2WDが9.4km/L、4WDが8.9km/Lだった。

 対する新型ハリアーは、ハイブリッドモデルのJC08モード燃費が26.3km/Lから27.4km/Lと、圧倒的に優れた燃費を叩き出している。ガソリンエンジンモデルのJC08モード燃費は発表されていないが、WLTCモード燃費は14.7km/L(4WD)、15.4km/Lとなる。

 新型ハリアーはハイブリッドの燃費の良さだけに目が行きがちだが、ガソリンエンジン車も相当良くなっているのが特徴だ。

●車両価格:23年という時の流れをしみじみと感じさせる

 初代ハリアーと新型ハリアーを比較して、一番大きな差は車両価格かもしれない。

 初代ハリアー登場当時の価格は、「ハリアー」(2WD)で239万5000円。最上級の「ハリアー3.0 FOUR Sパッケージ」が318万5000円だった。

 これは消費税抜きの価格で、1997年当時の消費税率は5%だったから、それを掛けてみると初代ハリアーの価格帯は251万4750円から334万4250円となる。

 対する新型ハリアーは、エントリーモデルの「ハリアーS ガソリン(2WD)が299万円(消費税込)、最上級の「ハリアーZ レザーパッケージ ハイブリッド・E-Four」が504万円となる。

 エントリーモデルの価格差では25万1475円、最上級グレードでは168万5750円もの差が出てくる。

※ ※ ※

 初代から2代目、3代目、そして新型と、フルモデルチェンジをおこなうタイミングでハリアーから新型ハリアーに乗り換えるオーナーが多いという。これはハリアーが、使い勝手の良さや信頼感、静粛性や走りなどバランスが取れたSUVだからこそだろう。

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みんなのコメント

15件
  • 良くも悪くも初代のあのボテッとした感じが結構好きなんだけどな。
  • 給与水準は20年前と変わらないか下がってぐらいなのに、クルマの価格はどんどん上がってるんだな…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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