技術力の高さから、いまや高性能ホイールの代名詞的存在となっているBBS。今回はレクサスのFモデルの開発責任者としてブランド戦略のベースを作り上げた矢口幸彦氏にインタビュー。BBSホイールについて語ってもらった。
BBSを訪れ鍛造製法の素晴らしさを知った
【ホイールカタログ2020秋】「BBS RE-V7」伝統と革新を凝縮したBBSの新時代クロススポークが満を持していよいよ登場!
世界一の静粛性を目指し、一躍その名を“響かせた”初代セルシオ(北米名レクサスLS400)。そのチーフエンジニアとしてレクサスとの関わりをスタートし、後に「IS F」から始まったFモデルの開発責任者としてレクサス・ブランド戦略の基盤を作り上げた人物、矢口幸彦さんは、今年の4月にトヨタ自動車を退社し、そのキャリアを活かして第二の人生を歩んでいる。現在は「office F.REGULUS」を開設し、その知識と経験を、各所へ提供しているという。そんな矢口さんにBBSホイールについて語ってもらった。
「仕事としてBBS鍛造ホイールと関わったのは、IS Fでホイールを採用してからです。ただそれ以前、1999年に自分の興味として、一度BBSさんを訪れていたんですね。そのとき鍛造製法の素晴らしさを知って、その印象が頭の中に強く残っていたものですから、IS Fでお声がけをしたんです。
そのときのことは、今でも語りぐさになっています(笑)。というのも我々は、鍛造ホイールとして考えると、かなり複雑な意匠をBBSにお願いしたんです。もちろんBBSにはY字スポークの伝統的なデザインがあったのですが、私たちはレクサス独自の意匠にしたかった。そこで自社のデザイナーを製造現場まで行かせて、その製法を理解しながら細部を煮詰めました。最後まで職人さんと相談しながら、磨き込みまで一緒に行って出来上がったのが、IS Fのホイールだったんです」
こうしてレクサスはBBSの技術力の高さを知り、BBSは新しい挑戦への扉を開き、お互いの認識を深め合った。
「そうしたやりとりからBBSとの信頼関係が生まれました」
こうしてBBSのエンジニアたちと深く関わることで、矢口さんは何を感じ取ったのか。
「それは彼らの思い入れの強さと、モチベーションの高さですね。素材の研究から始まって、作り方まで、常にこだわっている。特に鍛造比4以上(元の素材から1/4以上の高さまで圧縮していること)なのですが、この技術は、すごいです。そこで得られる強さと、加工に対する自由度の高さ。このふたつが際立っているから、鍛造なのに美しいデザインのホイールが作れるんです」
毎年違うデザインのホイールを作ってほしい
「クルマにとってホイールは、とても重要なパーツなんですよ。ホイールが変わるだけで、クルマを買い換えて頂けるお客様もいるくらいに。ですから私がレクサスにいるときは、BBSに『毎回違うテーマを掲げるので、毎年違うデザインのホイールを作って欲しい』とお願いしていました」
こうしてレクサスに登用されたBBSホイールは年々細く、そして美しく進化を果たしていった。またこうすることで大径ブレーキが放熱性を高めると共に、その性能をアピアランスとしてアピールすることができたのだという。
「アルミを鍛造することでホイールの強度が高まると、衝突安全に対する要件までもが変わってきます。また靭性(粘り強さ)が出ることで、乗り心地も良くなる。こうした条件を製法によって色々組み合わせられるのが、BBSのすごいところだと思います」
すでにBBSでは、その“靭性”をコントロールする領域にまで来ているのですか?
「はい。ご存じの通りタイヤは、年々扁平率が低くなって、エアボリュームが少なくなってきています。その状況で優れた操縦性と快適な乗り味を両立するために、靭性をコントロールしています」
ちなみに、今日乗っていらっしゃったアバルト124スパイダーはご自身のクルマですか?
「これは世の中がこんな状況になったので、仕事で移動するために春頃手に入れたんです」
もともと欧州車はお好きだったのですか?
「ええ。昔はアルファ156にも9年ほど乗っていたほど、イタリア車は好きなんですよ。そしてボクも『F』をやっていたので、このクルマはちょっと興味があったんです。マツダ・ロードスターをベースにハイパワーなエンジンを積んで“アバルト化”している。どんなことをやってるのかな? って見てみたかったんですよね」
矢口さんは毎月1000km以上の道のりをこのアバルトで走るのだという。
今回アバルトに装着されているホイールは、どういう理由から選ばれたのですか?
「アバルトはブレンボブレーキを装着している関係から、ロードスター用ホイールが装着できない。ですからこれをクリアするタイプとして、『LM』を選びました」
ご存じLMは、1994年から発売され続けているBBSのロングセラーホイール。その名の由来は当然、「ル・マン24時間耐久レース」。この歴史あるレースで装着されてきたBBSホイールのデザインをベースに、2ピース構造を与えた鍛造ホイールである。
「このクルマは目地段差などでの乗り上げ(バンプ要件)がちょっと苦手なのですが、LMに換えたら乗り心地が良くなりました。あとステアバランスと接地感が向上したので、普段の道がきれいになったように感じられましたよ」
最後に、これから矢口さんがBBSに実現して欲しいことがあれば教えていただけますか?
「クルマ屋の立場として言えば、その性能を維持したまま、さらに軽さへ挑戦して欲しいですね。あとは空気圧コントロールの自由度を、ホイールで高めるとか。その他にも空力や冷却性能に貢献するデザインを採用したり。インホイールモーターの時代が来たら、そのモーターを守って上げるのもホイールの役目になるでしょう。
自分は好き勝手言うだけですから気楽なのですが(笑)、それでもサプライヤーの人たちは常に今と向き合っていて忙しいですから、先のことを考えるのはなかなか難しい。それは私も現役のときに感じていたことなので、皆さんに刺激を与えられるアイディアを色々出して、自動車業界へ貢献していきたいと思います」
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愛知県豊田市を拠点とするポルシェとレクサスの専門店。コンプリートカーの製作販売やチューニングパーツの開発を行なう。
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