■レクサス新型「LM」最大の見どころは「豪華すぎる」後席にあり
レクサスは2023年4月18日、新型高級ミニバン「LM」を、同日より開幕する「上海モーターショー」で世界初公開しました。2020年登場の初代LMは海外専用モデルでしたが、新型は2023年秋頃より国内でも発売される予定です。
VIPを送迎するための用途を想定した新型LMでは、豪華な仕上がりの後席内装に注目が集まります。
【画像】内装が「超豪華」過ぎる! レクサス高級ミニバンの新型「LM」を写真で見る(84枚)
初代LMは、2019年4月に開催された上海モーターショーで世界初公開され、翌2020年より主に中国やアジア地域で発売されたレクサス初の高級ミニバンです。
LMとは「ラグジュアリー・ムーバー」を意味し、運転はお抱え運転手に任せ後席でリラックスしながら乗車するクルマ、いわゆる「ショーファードリブン」の用途に向けて開発されました。
そのため3列シート・7人乗り仕様に加え、よりゆとりある空間を持つ2列シート・4人乗り仕様を設定したのが大きな特徴です。
新型LMではこうした初代の価値や存在意義をあらためて見直し、全面刷新されました。
レクサスによると、すべての乗員が自然体でくつろげる乗り味と居住空間を作り上げることを目指し開発したといいます。
そのためインテリアでは、前席周りは運転に集中できる機能性と上質感を、後席ではゆったりと過ごせる広さと仕立ての良いシートや内装トリム、そしてユーザーのさまざまな用途に対応した装備を用意しました。
リビングのようにくつろげる世界観を追求し、室内高を生かした広く心地よい空間を、水平・垂直を基調としたシームレスなデザインでまとめています。
新型LMのシートレイアウトは、3列シート・6人乗り/7人乗り仕様と、2列シート・4人乗り仕様を設定します。
なかでも4人乗り仕様は、パーソナル感とプライバシー性を高めました。
4人乗り仕様の後席前方には、48インチ大型ワイドディスプレイを備えたパーティションを配することで、後席空間が個室化されます。
見晴らしのための昇降式スモークガラスや、乗降をサポートするアシストグリップもパーティション内に統合され配置。乗員がリラックスできる空間を追求し、視覚的ノイズを減らすことにも注力しています。
スピーカーや、ディスプレイ下部の冷蔵庫、収納といった各機能は加飾と融合させつつ、内装部品間の段差低減にまで配慮を加えたといいます。
新型LMの4人乗り仕様専用で装備される左右独立式のセカンドシートも、非常に豪華な仕立てとなっています。
オットマンの伸縮量を先代LMより拡大させた一方で、パーティションとの距離を保ち、余裕あるスペースを確保しました。またアームレストやオットマンにもレクサス初となるシートヒーターを採用しています。
さらにパーティション上部中央部に、乗員と周辺温度を検知する後席専用「温熱感IRマトリクスセンサー」を設定。乗員の身体を顔や胸、大腿、下腿の4つの部位に分け温熱感を推定することで、エアコンやシートヒーターを一括コントロールし、車内を常に快適な温度に保つ機能を備えます。
加えて、エアコンやシートポジション、サンシェード、計64色を用意する間接照明のイルミネーションなどは「リアクライメートコンシェルジュ」機能で統括制御でき、4種類のプリセットモードに加え、好みに応じたカスタマイズモードも用意します。
■豪華な仕立てにふさわしい乗り心地や静粛性にも配慮
多機能なシートやリアクライメートコンシェルジュ、オーディオなどの操作は、セカンドシートのコンソールアームレスト上に備わる2個のリアマルチオペレーションパネル上で、左右席それぞれに操作可能です。
ノートPCが操作できるサイズのテーブルも用意され、質感に加え滑り止めや傷付き防止の機能性を持たせた表皮巻きの天板を採用し、未使用時にはアームレスト内に収納できる仕組みとしています。
なお6人乗り/7人乗り仕様では、開放感や見晴らしに配慮しながら、前後左右に広がりのあるトリムやオーバーヘッドコンソールを配し、多人数乗車でのパーソナル感を追求したといいます。
3列どのシートに座っても心身ともに自然体でいられるよう、開発陣は乗員の身体の動きを徹底的に分析し、特に頭部の揺れの軽減と、視線の安定化を図りました。
特に2列目シートでは、特性の異なる2種類の衝撃吸収材を使用し、停車時から走行中まで乗員を優しく包み込みながら支える構造を採用。3列目シートも大人がゆったりと座れるよう、シートバックとクッションに厚みを持たせました。
豪華な内装の仕立てだけではなく、新型LMでは高級モデルにふさわしい乗り心地や静粛性にも配慮しました。
ボディ骨格では、従来型に比べ約1.5倍のボディねじり剛性を確保したほか、アッパーボディやフロアには振動軽減に効果を発揮する構造用接着剤を採用します。
また、速度を問わず常に上質な乗り心地を生み出すサスペンションシステム「周波数感応バルブ付AVS(Adaptive Variable Suspension system)」に加え、後席の快適性を重視したドライブモードセレクト「Rear Comfort(リアコンフォート)」モードもレクサス初採用しています。
リアコンフォートモードでは、AVSの制御を後席の乗り心地優先としながら、アクセルやブレーキも統合制御し、加減速時の姿勢変化が少なくなるセッティングとなっているといいます。
静粛性向上の取り組みについては「心地よく感じる自然な静けさ」にこだわり、ノイズ(源音)を小さくし、車内への侵入を防ぐ「遮音」をしたうえで、さらにノイズを下げる「吸音」を図るという3つのステップで開発されました。
※ ※ ※
このようにさまざまな取り組みによって生み出させる優雅な走りは、外観デザインにも反映されました。
最新のデザイン言語「スピンドルボディ」をさらに進化させ、押し出しの強いスピンドル形状をボディ一体で表現。さらにボディサイドでは、開放的なキャビンと、走りや乗り心地の良さを思わせる前後タイヤの存在感を強調した造形を組み合わせています。
レクサスではこれらの要素を融合することで、躍動感がありながら上品で伸びやかな独自のフォルムを実現させたと説明します。
新型LMが今後日本をはじめとする世界の市場において、従来の高級セダンを脅かす存在となるか、注目されます。
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