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スズキ新型ソリオ/ソリオ バンディット正式発表。トヨタ ルーミ対策バッチリか?

掲載 更新 5
スズキ新型ソリオ/ソリオ バンディット正式発表。トヨタ ルーミ対策バッチリか?

2020年11月25日、スズキは新型ソリオ/ソリオ バンディットを発表した。発売は12月4日。初代ソリオは、ワゴンRの拡幅版を起源とし、コンパクトハイトワゴンというカテゴリーを創出。今や、スズキ国内小型車のベストセラーにまで成長した。「小さくても広いクルマ」という歴代が築いた長所を伸ばすべく、じつに手堅い進化を遂げた。

大きくはなったが…5ナンバーサイズはもちろん死守!

【画像ギャラリー】スズキ新型ソリオの詳細画像

全長4m、全幅1.7mを優に切る5ナンバーサイズのボディに1.2Lエンジン+モーターのマイルドハイブリッドシステムを搭載。スズキのコンパクトハイトワゴン「ソリオ」が5年ぶりに一新し、4代目へと生まれ変わった。


「ワゴンRソリオ」として2000年12月に登場した初代。以降、代を重ねるごとに着実にユーザーを獲得し、今やスズキの国内販売における屋台骨へと成長した。その新型の企画開発にあたってまず始めたのは、ユーザーと販売現場の声の聞き取り調査。そこでは、おもにファミリー層から「後席をもっと快適に」、「荷室をもっと大きく」という声が聞かれたという。

そこで新型は、ボディ全長を先代より80mm(バンディットは70mm)延長し、全幅も20mm拡大。これによって、広く使える室内空間と荷室を両立。全幅を広げた一方、最小回転半径を先代と同じ4.8mとすることで長所の小回り性能を維持した。

安全装備も最新モデルにふさわしい内容へアップデート。アダプティブクルーズコントロールには全車速追従機能も追加された。プラットフォームは基本先代からのキャリーオーバーとなるが、構造用接着剤などの採用により、操縦安定性と乗り心地も高められている。

●新型ソリオ バンディット。2段構えのヘッドライトは先代から踏襲。ランプはプロジェクター式のLEDで、ポジションランプは全体が光るインナーレンズ内蔵型だ

●新型ソリオ。プロジェクター式LEDヘッドライトは上級のハイブリッドMZに標準装備(ハイブリッドMXにオプション設定)Gはハロゲンとなる

全長の延長分は、ほぼリヤオーバーハングへ充てられた。狙いはもちろん荷室の拡大。床面長(奥行き)は、全長アップ分を超える先代比プラス100mmを実現。パンパーやテールゲートもストンと落ちた先代よりも抑揚のあるデザインとなり、まとまりもいい。

新型の主力パワートレーンは先代と同じく、ISG(モーター機能付き発電機)と専用リチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッド。エンジンを含め、こちらも基本はキャリーオーバーとなる。
全長の延長分は、荷室空間に充てられた!

全長の延長分はほぼ荷室空間に充てられた新型。全幅は取りまわし性との兼ね合いで20mmアップにとどまるものの、実寸以上に広く見せる工夫がなされる。

まずは内装部品の形状見直し。これにより後席乗員の肩まわりのスペースに余裕が生まれ、上下左右のヘッドクリアランスも拡大。後席3人乗車時の快適性を向上させた。

前席(運転時)は、意匠による視覚効果も。インパネの基本骨格をアッパーとミドル、上下2本のラインが左右を貫くデザインとして、安定感とボディサイズ以上の広がりを演出。ソリオはネイビーとホワイトを基調とした、シックで落ち着きのある「リビングのような」心地よさ。ボルドーとブラックを基調としたソリオ バンディットは、充実感あふれる「大人のこだわり」を感じる空間を表現している。

シート地も同様に、ソリオは光沢のあるライン柄とグレーミックス表皮でシックなソファをイメージ。ソリオ バンディットは、深みのあるブラック&ボルドー柄に、鈍く輝くメタル調の表皮をアクセントに加え仕立てた。

ボディには、ルーフパネルとルーフメンバーの接合部に、こもり音や雨音の低減に寄与する高減衰マスチックシーラーを採用。ほかにもダッシュアウターサイレンサーを一体成型(従来は分割型)とすることでエンジンルーム内の吸音性能を高め、足まわりもリヤサスのストロークを拡大。コイルスプリングのばね定数も30%高めるなど、後席の乗り心地を高めた。

運転をサポートする情報や警告をメーター内に表示する4.2インチカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイは全車標準装備。ソリオ バンディットの速度計数字は斜体がかけられ、赤の差し色と合わせてスポーティな印象。

地図や映像を高精細に再現する9インチHDディスプレイを、全方位モニター付きメモリーナビゲーション装着車としてオプション設定。ナビゲーションはみちびき&グロナスにも対応し、逆走警告機能も備わる。全方位モニターのカメラ映像はデジタル伝送化による鮮明さが売りで、前方左右&後方左右サポート機能も備わる。
荷室が広くなって使い勝手がアップ!

先代より100mmの床面長(奥行き)拡大を実現した新型は、最大開口幅も先代プラス10mm拡大(開口高は共通)。写真のように35Lのスーツケースを横に5個並べて積み込め、この状態で後席に成人男性が座っても足元には余裕がある。後席背面肩口のレバー操作でシートスライド&前倒しも可能だ。

あらためて新旧の室内寸法を比べると、室内高は先代プラス5mm。室内幅は同数値で、室内長は先代の15mm減とほぼ同じ。スライドドアの開口部も、開口幅は新旧同じで、開口高は先代の5mm減。その差はいずれも誤差の範囲といえる。

先進安全装備はどうなった?
安全面では、予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」の進化版を搭載。夜間の歩行者も検知するステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキをはじめ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能とハイビームアシストが備わる。

アダプティブクルーズコントロール(ACC)も高速道路の渋滞時にも対応した、停止まで追従する全車速に進化した。ただし、電動パーキングブレーキ(EPB)ではないため停車保持はせず、停止状態は約2秒で解除されるのが残念だ。

また、視線の移動を抑えて運転に必要な情報を見やすく表示するカラーヘッドアップディスプレイ(HUD)を、スズキの小型車で初採用(ソリオGとハイブリッドMXを除く)。

使いやすさと快適性も進化。パワースライドドアに予約ロック機能を追加したほか、USB電源ソケットをインパネ中央に2個設置。スペーシアではおなじみのスリムサーキュレーターが採用されたことも新型のトピックだ。

インパネドリンクホルダーは、紙パックや細い缶も安定して置けるよう底部の形状を改良。運転席側は、先代よりペットボトル約1本分、ドライバーに近づけ配置し、荷室側面にあったアクセサリーソケットを、新型は後席の右側面に移動した。

飛び道具よりも、ユーザーに寄り添うカタチで着実な進化を遂げた新型ソリオ/ソリオ バンディット。売れに売れているトヨタ ルーミに対してどんな戦いを見せるのか。発売後の動向が楽しみである。

〈文=ドライバーWeb編集部〉

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みんなのコメント

5件
  • トヨタ ルーミー対策はバッチリか?・・・って言うてもね
    旧モデルでもソリオの方が車としての出来はルーミーより上だと思うんだが
  • バンディットはクルマの「目」の存在を感じられないデザイン。
    いかつい人間の顔というよりも、昆虫か異生物を意識させるが、これがどう評価されるかだな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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