創業の地だった東京・大森を離れ、日産自動車にほど近い場所へ移転
2002年に乗用車(最後はSUV)の生産を終了して以来、トラック関係者以外にはあまりアピールのないいすゞ自動車だが、2019年12月にはボルボ・グループ(トラックメーカーのABボルボ)と提携を強化するなどグローバル化を進めている。そのいすゞ自動車が創業の地である東京の大森を離れ、2022年5月頃をメドに神奈川県横浜市に本社機能を移転すると発表した。
1916年(大正5年)創業のいすゞ自動車は日本の自動車メーカーの中でも永い歴史を持ち、米ゼネラルモーターズ(GM)やトヨタとの提携など(現在はともに解消)柔軟な経営を進めてきた。加えて117クーペやピアッツァ、ジェミニやビッグホーンなど歴史に残るクルマも数多く世に出してきた。それらのアーカイブを集めて展示する「いすゞプラザ」も2017年に開館させ、商用車専門メーカーながらクルマ好きにとっても忘れえぬメーカーとなっている。
新本社が置かれる横濱ゲートタワーは横浜みなとみらい地区の新高島駅に近く、日産自動車の横浜本社と通りを隔てた斜向かいに位置する。かつて日産も大森に開発拠点を構えていたこともあり、再びご近所同士となるというわけだ。また、メインの開発拠点はいすゞプラザのある神奈川県藤沢市にあるので、社内の連携強化を図れるなど、次世代に向けた企業強化も考えた移転と位置づけている。いすゞが乗用車を作ることはもうないだろうが、次世代モビリティでは商用車が存在感を高めてくる可能性もあるだけに、今後もウォッチしていきたいところだ。
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