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「筋肉質に進化する」体育会系コンパクト

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「筋肉質に進化する」体育会系コンパクト

4代目にして晴れて日本での名称がヤリスに統一されたトヨタの量販コンパクトハッチ。代を重ねるごとに贅肉がそがれ筋肉質になっていく“体育会系”だ。パワフルなハイブリッドに試乗し、その進化を体感した。

4代目でようやく“ヤリス”になった

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ようやく“ヤリス”になった、というのが第一印象だ。このトヨタのBセグメントコンパクトカーは1999年に初代が登場して、3代、約20年にわたってなぜか日本だけ“ヴィッツ”の名で販売されてきた。

登録商標の関係で国によって車名を変更するというケースはこれまでにもあったが、ヴィッツは語呂のよさで選ばれたものだったという。したがってトヨタが2017年にヤリスベースのマシンでWRC(世界ラリー選手権)に復帰しても、「ヤリス(日本名ヴィッツ)」とカッコ付きで表記しなければならない煩わしさに、正直なんだかなと思っていた。

数年前、あるトヨタの役員に、なぜヤリスに統一しないのかと尋ねたところ、「もちろん考えてはいるが、約20年間続けてきた車名だけに販売店など現場の理解も必要で、メーカーの一存では変更できない」という主旨の答えがかえってきた。ヴィッツは4代目へとフルモデルチェンジを機に晴れてヤリスになったというわけだ。

新型ヤリスには、WRCで得たノウハウが注ぎ込まれているという。初採用となるコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)は、従来型に比べ車両重量を50kg軽量化し、ねじり剛性を30%以上強化。重心高を15mm下げている。

パワ−トレインは、新開発の1.5リッター直列3気筒ベースとハイブリッドとノンハイブリッド、そして1リッター直列3気筒ガソリンの3種類がある。

ハイブリッドもここまで進化した

試乗車は装備違いによって3種類あるハイブリッドの中間グレードのGだった。ヤリスは代を重ねるごとに贅肉がそがれ筋肉質になっている印象だ。とくにリアまわりは隆起したフェンダーが特徴的だ。室内もタイトで、後席もそれほど広くない。視界の広さ、空間の広さ、アレンジのしやすさという面では、ホンダフィットのほうが優れている。

ではヤリスのセリングポイントはといえば、スポーティであること、そしてハイブリッドモデルの燃費の良さということになる。軽量化され剛性の高められたボディの効果がステアリングをとおして伝わってくる。足回りももう少しソフトでもいいかもと思うくらいしっかりしている。コーナリングも大きくロールすることなく、安定して素直に曲がる。

そして新しいハイブリッドは、パワフルだ。ドライブモードスイッチで、「ノーマル」、「パワー」、「エコ」の切り替えが可能だが、とくにパワーではアクセル操作に対して鋭く反応する。それでいながらすごいのが、36.0km/L (WLTCモード)という燃費だ。燃費計を見ても、30km/Lくらいはフツーに走る。今回は試してはいないけれど、おそらくエコランすれば、40km/Lを表示することも可能だろう。ハイブリッドもここまで進化したのだとつくづく感じた。

また、「トヨタセーフティセンス」を全グレードに標準装備する。いまやこのクラスであってもADAS(先進運転支援システム)は欠かせないものだ。量販モデルだからこそ社会貢献度が高いともいえるだろう。単眼カメラとミリ波レーダーの組み合わせで、歩行者や自転車も検知し衝突回避、被害軽減ブレーキもついている。1つ残念だったのが、レーダークルーズコントロールが停止まで行わず、30km/hで制御をやめてしまうこと。その速度域での制御こそ渋滞時には有用なので、アップデイトに期待したい。

ちなみにヤリスの受注台数は、発売から1カ月で約3万7000台とホンダフィットと同様に売れに売れている。癒やし系のフィットに対して、体育会系のヤリス、新型ではより明確にキャラクターの違いが打ち出されたようだ。

新型コロナウイルスの状況次第ではあるものの、今年11月には10年ぶりのWRC日本ラウンド「Rally Japan」が予定されている。そして、ヤリスWRCを日本人ドライバーの勝田貴元選手がドライブする予定だ。もうカッコ付きで紹介する必要のない“ヤリス”の活躍を楽しみにしたい。

文・藤野太一 写真・郡大二郎 編集・iconic

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