2020年にランボルギーニGT3プログラムの育成ドライバーに選出され、イタリアGT選手権やGTワールドチャレンジ(GTWC)・ヨーロッパでの研鑽を経て、今年は以前から目標としていた念願のGTWCヨーロッパ・エンデュランスカップのシルバーカップへ、イタリアのVSR(ヴィンツェンツォ・ソスピリ・レーシング)から参戦中の根本悠生。日本人として海外メーカーのワークスドライバーに一番近い存在として活躍する彼に、5月に発表されたランボルギーニのLMDhプログラムなどについて話を聞いた。
――今年のル・マン24時間耐久レース開始前に、ランボルギーニのLMDhプロジェクトが正式に発表となりました。根本選手は現在、ランボルギーニの育成ドライバーとしてGTWCヨーロッパ・エンデュランスカップに参戦中ですが、育成ドライバーにはLMDhプロジェクトに関して、なにか具体的な告知はあったのでしょうか?
ランボルギーニ、LMDhプログラムを正式発表。WECとIMSAへの2024年投入目指す
根本悠生(YN):ランボルギーニ・モータースポーツ代表のジョルジオ・サンナからは、私たちジュニアドライバーに対しては直接新しいプロジェクトに関しての話はまだありません。ただし、ランボルギーニはとてもこじんまりとしていますから、ファクトリーに行くと、冗談半分で色んな話題が出てきますので、そこで耳に入る話は多少あります。
YN:私の所属するVSRのチーム代表であるヴィンツェンツォ・ソスピリや、ランボルギーニのサンナとは、私の今後については機会があるごとにさまざまな話し合いを持っていますが、WEC世界耐久選手権やル・マン24時間へというような具体的な話はまだしていません。
――いまはジュニア育成プログラムに集中して、ワークスドライバーのシートを獲得すべく研鑽中ということですね。
YN:私はランボルギーニのジュニアドライバーに選出していただいてから、いまもずっと正式にファクトリードライバーになることを目標としています。もちろんLMDhのプロジェクトに加われたらこんな光栄なことはないかと思いますが、メンバーに選ばれるのかどうかは、まずはファクトリードライバーのシートを確実にしてからだと思っています。
――すでにあなたの先輩ドライバーのミルコ・ボルトロッティとアンドレア・カルダレッリの2名がLMDhプログラムに加入することが発表されています。恐らく残りのドライバーは後に発表されるのでしょうね。
YN:選ばれるドライバーは速さだけではなく、マーケティング要素も選ばれる理由のひとつにあるのではないかと思います。私のアジア人としてアイデンティティーをフルに活用して、いつかはランボルギーニでル・マンへ出るという目標は新たに追加されましたし、参戦できるようにしっかりと気を引き締めて頑張りたいと思います。
■目標にたどり着くため、「目に見えるかたちで結果を残していかなければならない」と根本
――ランボルギーニがLMDhでWECにデビューする2024年には、LMDhだけではなく、GT3マシンでもWEC/ル・マンに参戦することが可能となりますね。
YN:まず2024年には、WEC/ル・マンへGT3クラスからの参戦を確実に実現しなければならない目標だと思っています。私を応援してくださっているスポンサーのみなさまにとってもル・マンは目標のひとつですし、日本人としてあの世界の舞台へ挑戦とすることは非常に重要だと思いますし、LMGTEからGT3へのレギュレーション変更は、私にはとてもよい転機になると思っています。
――今季のGTWCヨーロッパ・エンデュランスカップ開幕戦のイモラでは、『今年は自分自身にとって勝負の年にしたい』とおっしゃっていましたね。シーズン中盤となりましたが、自分の思うレースができていますか?
YN:開幕戦はBoPの問題もあり、私のドライブする563号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボだけではなく、ランボルギーニ全般として順位を落としてしまい、第2戦ではトラブルで出走できませんでしたが、全体的に見た場合はペースも安定していますし、去年よりは随分とコンディションは良いと思いますのでポジティブに捉えています。しかし、しっかりと目に見えるかたちで結果を残していかなければなりません。
YN:今季はイタリアGT選手権も平行して参戦していますが、そちらは優勝するなど、結果をきちんと出せていますので、それと同様にGTWCの最終戦のバルセロナでは、できるだけ前の方でゴールして、笑顔でシーズンを終えられるようにしたいと思っています。
YN:2017年にサポートレースのランボルギーニ・スーパートロフェオに参戦していた時から、いつかはこの強豪揃いのGTWCヨーロッパの表彰台に立ちたいと願い、目標としていましたので、ぜひその目標を叶えられるように残りのシーズンを頑張りたいと思います。
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