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【2019年 最高のハードコア・スポーツカー10選】サーキットから公道まで

掲載 更新 10
【2019年 最高のハードコア・スポーツカー10選】サーキットから公道まで

10位 メルセデスAMG GT Rプロ

メルセデスAMGの市販車史上最もモータースポーツの技術が取り入れられたマシンだ。このGT Rはアファルターバッハの雄がシュトゥットガルトのライバルであるポルシェ911 GT3に対抗すべく投入された。

【画像】最高のハードコア・スポーツカー 全65枚

しかし今回の格付けにおいては、GT3に大きく差をつけられる結果となってしまった。これはGT Rがダメで、GT3がすべてにおいて素晴らしいという意味ではないことに注意してほしい。この2台は大きく違うキャラクターを持っているのだ。たとえばGT Rが搭載する585psのV8エンジンの爆発的なパワーは、GT3のフラット6では味わえないものだ。

GT3と同様、GT Rのシャシーもリジッド・マウントのサスペンションと四輪操舵が特徴だ。アファルターバッハは2019年モデルの各車に大きな改良を加え、それに伴い最上位のGT Rプロを設定した。このグレードはダンパーの減衰力、車高、それにアンチロールバーのセッティングを手動で変更できるほか、エアロの追加やシャシーの補強、それに軽量化が加えられた。

サーキットにおいては、GT Rプロは以前のGT Rよりもハンドリングやボディの動きが大きく改善されていた。公道での試乗はしていないが、ホッケンハイムで得た印象を維持できればこのランキングは大きく変動することになるだろう。

9位 BMW M4 GTS

今も昔も、BMWのモータースポーツ部門は最高のパフォーマンスを持った少々狂気じみたマシンを限定生産している。これはE30型ではM3スポーツ・エボに始まり、E46型M3 CSL、それにE90世代ではM3 GTSなどが当てはまる。今回のM4 GTSは、500psのウォーター・インジェクション付き6気筒ターボを搭載し、カーボンセラミック・ブレーキや調整式サスペンション、それにカーボン製ボディキットで武装し、その価格は12万1000ポンド(1732万円)だ。

フロントエンジン・リアドライブの古典的なレイアウトが採用され、タイヤが温まるまでの間はまさに暴れ馬といった印象だ。今時のこのカテゴリーのクルマとしては珍しいほどドリフトマシンであり、滑らせても自信を持ってコントロールすることができる。

ただし問題点を挙げるとすれば、この6気筒エンジンのフィーリングが価格に見合うかどうかということだ。それにギアボックスも公道ではそれほど躾けられておらず、乗り心地やハンドリングも足まわりのセッティングを煮詰めなおさない限りそれほど良くはない。

GTSは場面によっては素晴らしいハンドリングを見せてくれたこともあったが、公道ではしばしば過敏で扱いにくいこともあった。このクルマの真価を確かめるには、相応の場所とドライバーを用意する必要がありそうだ。

8位 ロータス・エキシージ・カップ430

これはロータス史上最速のロードカーだ。搭載されるエヴォーラGT430とも共通のスーパーチャージャー付きV6ユニットは436psを発生する。しかしその乾燥重量はわずか1056kgであり、0-100km/h加速は3.3秒だ。

最高速度は290km/hに達し、強大なダウンフォースのおかげもありサーキットでも凄まじい速さを見せる。公道でもサーキットでも、このカップ430の速さは今までのロータスでは到達し得ない次元だ。

また3ウェイの調整式ダンパーやアンチロール・バーが装備され、好みのセッティングが可能となっている。標準の設定でも十分な硬さで、キャビンもそれに見合った剛性が確保されている。

サーキットでは、そのハンドリングはほぼ完璧といったところだ。軽量ゆえメカニカル面への負担は少なく、ハードなラップを重ねても疲労は感じられない。投資額に見合うドライビング・エクスペリエンスが得られるバランスのとれたクルマだ。ただし、ウェットな路面では怖い思いをするかもしれない。

7位 ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ

このメーカーにとって、「イオタ」の名称は特別な意味合いを持つ。最初に使われたのはミウラをFIAのレギュレーションに即したマシンにしようというランボルギーニのテストドライバー、ボブ・ウォレス肝いりのプロジェクトであった。しかし1台のプロトタイプが製造されたのみで、それも事故で焼失してしまった。

アヴェンタドールSVJはそのイオタ(J)の名称が用いられたクルマだ。大排気量の12気筒をミドに搭載する最高峰のスーパーカーであり、ディアブロ、ムルシエラゴ、カウンタック、そしてミウラの血を引き継ぐモデルである。

大きく、幅広く、重く、そして驚異的に速いこのクルマは、ドライバーがその性能を完全に引き出すのは容易ではない。少々粗暴なギアチェンジや暴力的なまでの加速に耐え、グリップの限界を感じるのは難しいだろう。

とは言え、このアヴェンタドールSVJがもたらすドライビング・エクスペリエンスは他にはないものだ。速いクルマを操るのが簡単になった現代において、このクルマでラップタイムをたたき出すのはとてもやりがいのあることだろう。古典的かつハードコアなスリルを味わいたいのであれば、このランボが最良の選択だ。

6位 ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ

このクルマが一時ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおける市販車最速タイムを保持していたことは記憶に新しい。それだけでなく、このクルマはAUTOCARがロードテストに使うサーキットでも最速タイムを記録したのだ。

640psを発生する超軽量で4WDのランボは、マクラーレンP1、ポルシェ918スパイダー、さらにはブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツをも上回るコーナリングを見せる。サンタアガタのエンジニア達がウラカンに与えたグリップ、鋭さ、落ち着きは凄まじい。自然吸気のV10エンジンが8000rpmまで吹け上がるのはまさに一瞬の出来事だ。

このターボ全盛期において、このシャープなエンジンは貴重だ。ただし気をつけなければならないのは、ピレリ・トロフェオRタイヤが十分に温まるまではこのパフォーマンスを存分に味わうことはできないだろう。

ウラカンの持つ存在感は他のスーパーカーにはないものだ。地球上でこれほど美しいカーボンファイバー製の物体を他に探すのは困難だが、ドライバーズカーとして評価するならばスロットルの官能性や対話性があと一歩というところだろう。

5位 マクラーレン675LT

911 GT2 RSと同様、直接の後継車は登場していないことから今回もランクインさせていただいた。この675「ロングテール」はマクラーレンにとって象徴的な1台だ。

ハイパーカーのP1にも似たルックスで、搭載される3.8LのV8ターボはベースとなった650Sに25ps上乗せした675psを発生する。さらにボディワークの追加によりダウンフォースは40%増大し、車重は100kgの減量に成功している。さらにサスペンションを引き締め、ステアリングをクイックにすることで運動性能を高めた。

それだけではなく、トルク・ベクタリング・システムやその他の電子制御の改良が加えられている。これによりサーキットでの走りはもとより、グリップレベルやハンドリング、それにアジャスタビリティが向上し、まさしくミドエンジン・ドライバーズカーと言えるクルマになった。

サーキットでは凄まじく速いが、それだけでなくマクラーレンのロードカーとして初めて真に楽しいと思えるクルマではないか。

4位 ポルシェ911 GT2 RS

世界で最も愛されるスポーツカーの、狂気に満ちた最上位モデルだ。700psの最高出力と340km/hの最高速度は911史上最強だ。サーキットに特化したGT3 RSに、911ターボSをも上回る暴力的なトルクを与えている。しかもこれを後輪のみで駆動するのだから、いくらポルシェのシャシーをもってしても操るのは大変だ。

しかし、このクルマのオーナーにとって、そんな細かいことは取るに足らないことだ。GT2 RSは普段はその実力を奥に秘め、必要な時にのみ発揮することができるのだ。

21インチのホイールに取りつけられた325幅のタイヤがそのパワーを地面へと伝達する。そして標準装備されるカーボン・セラミックのブレーキや、GT3 RSよりもさらに引き締められたサスペンションがそれを支えるのだ。

それでいて普段の振る舞いは今までのどの911 GT2 RSよりも落ち着いている。踏み込んだらどうなるかって?まさに弾丸のようだ。ターボラグが無いわけではないが、それでもレスポンシブかつリニアで、ハイパーカー顔負けの速さを見せてくれる。サーキットでもおおむね良好だが、GT3のように神経に直結したかのような鋭さではない。

3位 フェラーリ488ピスタ

720ps、78.5kg-m、1359kg、0-100km/h加速2.85秒、そして車両本体価格25万2765ポンド(3600万円)。これらの数字を見ただけで、フェラーリの本気度が伺える。

458スペチアーレの後継車であるこのクルマは、われわれが2018年に行ったベスト・ドライバーズ・カーの審査において、アングルシー・コースタル・サーキットで最速タイムを記録した。この1分11秒4という記録は、マクラーレン600LTを1.7秒上回る。

このクルマの特徴は何と言ってもレスポンスの鋭さだ。ステアリングを切れば間髪を入れずに鼻先が動くのがわかり、ステアリングコラムのパドルを引けば電光石火の速さでシフトチェンジが行われる。さらにアクセルを床まで踏み込む度胸さえあれば、凄まじい速さで周囲の景色が流れ去るだろう。サーキットでの速さはもちろんだが、それだけではないバランスのとれたクルマである。

しかし公道での使用も考えれば、マクラーレン600LTなどにはかなわない。とは言え、その差はわずかだ。

2位 マクラーレン600LT

AUTOCARを日頃からご覧になっている皆さんにとって、2018年にもベスト・ドライバーズ・カーに選ばれたこのマクラーレン600LTが再び登場したことは驚きかもしれない。マクラーレンは根っからの刺激的でバランスのとれたハードコア・スポーツカーであり、公道でもサーキットでも素晴らしいクルマだ。しかし、それでも911 GT3にはかなわないのである。

600LTのベースとなったのはあの素晴らしい570Sであり、マクラーレンにとって3モデル目のロングテールだ。排気系の改良によりその最高出力は30ps増の600psとなり、引き締められたスプリングとダンパーが採用された。

そしてそのルックスもさらにアグレッシブになり、高速域でのダウンフォースが増大している。さらに他のサーキット向けモデルと同様、軽量化も図られた。エアコン、ノーズリフト、ステレオなどを排した最軽量仕様では、わずか1247kgだ。

結果として出来上がったこのクルマは非常にスペシャルな1台となっている。正確かつ甘美なステアフィールを持ち、過去のモデル以上の速さとグリップを見せつけてくれる。

1位 ポルシェ911 GT3

究極的なまでにハードコアで、サーキットでの走りやハンドリング、それにドライバーへの刺激を徹底的に追求したのがポルシェ911 GT3だ。クルマ好きがスピード、興奮、そして楽しさを追求するのであれば、最もコストパフォーマンスに優れる選択肢だろう。

このクルマの良さは机上の空論ではわからない。500psを発生する4.0Lフラット6は数値の面ではポルシェ最強ではなく、パワーや加速性能だけで比べたら911の中でもこれを上回るモデルはある。

しかし速さ、グリップ、バランス、そして車重などすべてを総合的に見ると、これほどまでにパフォーマンスと扱いやすさを両立したクルマはないだろう。それでいて、サーキットの帰りには公道走行も難なくこなすのである。

現行型は3世代目に当たるが、1999年の初代登場以来繰り返されて来たマイナーチェンジにより、GT3の実力は飛躍的に向上している。GT3だけでもAUTOCARでのベスト・ドライバーズ・カーに4度も選ばれているが、911全体で見れば7回を数える。参考までに、過去30年の間に2回以上の受賞を果たしたスポーツカーは他に存在しない。

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みんなのコメント

10件
  • どれも乗ったことないからわからない。1台ぐらいは所有できるようになりたいな。
  • LOTUSぐらいなら買えるだろう!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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