現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > フォーミュラEポートランドはポルシェのダ・コスタが連勝。キャシディはまさかのノーポイントで最終戦へ

ここから本文です

フォーミュラEポートランドはポルシェのダ・コスタが連勝。キャシディはまさかのノーポイントで最終戦へ

掲載
フォーミュラEポートランドはポルシェのダ・コスタが連勝。キャシディはまさかのノーポイントで最終戦へ

 6月29日(土)と30日(日)、アメリカのポートランド・インターナショナル・レースウェイにて2024年ABB FIAフォーミュラE世界選手権の第13/14戦ポートランドE-Prixが行われ、土曜日のレース1と日曜日のレース2はともにアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)が優勝を飾った。

■最終ラップにまさかのスピンアウト

東京E-Prixは5月開催、2レース制に。2025年フォーミュラEのスケジュールが発表

 今季も残り2ラウンドと佳境を迎えたフォーミュラE“シーズン10”。選手権としてはニック・キャシディ(ジャガーTCSレーシング)がパスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)に対して25ポイントリードするという展開で迎えた第13戦は、午前中のデュエル予選をミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)が制して戦いの幕が開けた。

 迎えた決勝では、序盤はポールスタートのエバンスと4番手スタートのダ・コスタが首位争いを展開。その間、10番手からレースを開始したキャシディもポジションをひとつずつあげ、12周目にはトップに立つことに成功する。

 しかし15周目、混戦のなかで接触の原因となったとしてエバンスに5秒のタイムペナルティが課される事態に。残り5周、3台の首位争いはペースアップを始め、キャシディ、エバンスというジャガーのワン・ツーで最終ラップに入ろうというところで、首位キャシディが縁石の乗り過ぎで姿勢を崩し、まさかの単独スピンを喫した。


 その後、代わりに首位に立ったエバンスはトップチェッカーを受けたもののタイムペナルティによって後退し、2番手フィニッシュのダ・コスタが第12戦上海E-Prixからの連勝を飾った。

 今季3勝目をあげたダ・コスタは、「まず、ミッチ(・エバンス)におめでとうと言いたい。なぜなら彼はトラック上でこのレースに勝ったからだ。僕もそれを奪われたらどうなるか、気持ちが分かる」とコメント。

「ただ、勝利はもちろん引き受ける。ジャガーの2台と戦うのはいつも難しいことだが、今日はすべてが正しくできたと思う。彼らにプレッシャーをかけることができ、最後にはニック(・キャシディ)がミスを犯した」

「僕は、展開を見届けただけのようだったが、今年経験したことを考えると、どんな勝利や表彰台も当然のこととは決して思えない。今日は運よく勝てたので、しっかり楽しみたいね」と喜びを語った。

■ダ・コスタが上海から続く連勝

 明けた日曜日、まず行われた第14戦の予選では、ジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)がデュエル形式の予選を制し、最多ポールポジション記録を『17』に伸ばす。

 迎えた決勝は、曇り空のもとでクリーンにスタート。スタート直後の1コーナーで、2番手スタートのダ・コスタがトップの座を奪った。

 以降は、バッテリーマネジメントやアタックモードの使用に伴い、上位集団は目まぐるしく順位を入れ替えながら周回を重ねる。

 レース1の勝者であるダ・コスタは、レース中盤までは集団に鳴りを潜めてバッテリーを節約。そして、終盤に差し掛かったころに、首位のロビン・フラインス(エンビジョン・レーシング)を抜いてふたたび首位に返り咲き、残りのバッテリーを使い切ってトップを死守へ。

 最終的にふたりは0.332秒の僅差でチェッカーを受け、ダ・コスタが第12戦上海E-Prixから続く3連勝を飾った。

 また、ポイントリーダーのキャシディは、レース中盤に集団を走行中に他車と接触してしまい、マシンにダメージを負って痛恨のピットイン。今週末の両レースをノーポイントで終えた。


 ランキングとしては、キャシディが167ポイントでトップをキープ。2位には、チームメイトのミッチ・エバンスとポルシェのパスカル・ウェーレインが155ポイントで並び、トップとの差は25点から12点にまで縮まった。

 なお、ニッサン・フォーミュラEチームのオリバー・ローランドは今大会を病気を理由に欠場しており、リザーブドライバーのカイオ・コレが出場。サッシャ・フェネストラズはレース1=15位/レース2=18位、コレはレース1=18位/レース2=16位という結果となっている。

 これで、シーズン10の残るレースはあと1ラウンドとなった。最終戦は、イギリス・ロンドンを舞台にダブルヘッダーレースを行う第15/16戦ロンドンE-Prix。いよいよ年間王者が決まる一戦は、7月20日(土)と21日(日)に開催される予定だ。

■第13/14戦リザルト、各ランキング
■2023/24年フォーミュラE第13戦ポートランドE-Prix 順位結果
Pos.No.DriverTeamTime/GapsGrid113A.F.ダ・コスタタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム34’00.097424R.フラインスエンビジョン・レーシング0’00.4153325J-E.ベルニュDSペンスキー0’01.44014448E.モルタラマヒンドラ・レーシング0’01.7016551N.ミューラーABTクプラフォーミュラEチーム0’02.086761J.デニスアンドレッティ・フォーミュラE0’02.634978S.バードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム0’02.8581989M.エバンスジャガーTCSレーシング0’04.507192S.バンドーンDSペンスキー0’05.183161094P.ウェーレインタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム0’05.65381111L.ディ・グラッシABTクプラフォーミュラEチーム0’06.325121221N.デ・フリースマヒンドラ・レーシング0’06.477201317N.ナトアンドレッティ・フォーミュラE0’06.48711143S.セッテ・カマラERTフォーミュラEチーム0’06.857211523S.フェネストラズニッサン・フォーミュラEチーム0’08.686151618J.ダルバラマセラティMSGレーシング0’14.031181733D.ティクトゥムERTフォーミュラEチーム0’14.18651822C.コレニッサン・フォーミュラEチーム0’15.005131937N.キャシディジャガーTCSレーシング0’15.445102016S.ブエミエンビジョン・レーシング0’58.40922215J.ヒューズネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム1Lap207M.ギュンターマセラティMSGレーシングDNF17

■2023/24年フォーミュラE第14戦ポートランドE-Prix 順位結果
Pos.No.DriverTeamTime/GapsGrid113A.F.ダ・コスタタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム36’21.519224R.フラインスエンビジョン・レーシング0’00.332439M.エバンスジャガーTCSレーシング0’03.19411494P.ウェーレインタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム0’03.2627525J-E.ベルニュDSペンスキー0’03.6831651N.ミューラーABTクプラフォーミュラEチーム0’03.78513717N.ナトアンドレッティ・フォーミュラE0’04.8872087M.ギュンターマセラティMSGレーシング0’05.69221916S.ブエミエンビジョン・レーシング0’06.25017101J.デニスアンドレッティ・フォーミュラE0’06.84018112S.バンドーンDSペンスキー0’07.490101218J.ダルバラマセラティMSGレーシング0’07.92891337N.キャシディジャガーTCSレーシング0’08.0786143S.セッテ・カマラERTフォーミュラEチーム0’10.044161533D.ティクトゥムERTフォーミュラEチーム0’10.111151622C.コレニッサン・フォーミュラEチーム0’11.290221711L.ディ・グラッシABTクプラフォーミュラEチーム0’12.575191823S.フェネストラズニッサン・フォーミュラEチーム0’20.62814048E.モルタラマヒンドラ・レーシングDNF1208S.バードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチームDNF3021N.デ・フリースマヒンドラ・レーシングDNF805J.ヒューズネオム・マクラーレン・フォーミュラEチームDNF5

■2023/24年ドライバーズランキング(第14戦終了時点)
Pos.No.DriverTeamPoint137ニック・キャシディジャガーTCSレーシング16729ミッチ・エバンスジャガーTCSレーシング155394パスカル・ウェーレインタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム155413アントニオ・フェリックス・ダ・コスタタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム134522オリバー・ローランドニッサン・フォーミュラEチーム131625ジャン-エリック・ベルニュDSペンスキー12971ジェイク・デニスアンドレッティ・フォーミュラE12287マキシミリアン・ギュンターマセラティMSGレーシング7394ロビン・フラインスエンビジョン・レーシング60102ストフェル・バンドーンDSペンスキー55115ジェイク・ヒューズネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム461217ノルマン・ナトアンドレッティ・フォーミュラE46138サム・バードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム441451ニコ・ミューラーABTクプラフォーミュラEチーム361516セバスチャン・ブエミエンビジョン・レーシング261623サッシャ・フェネストラズニッサン・フォーミュラEチーム261748エドアルド・モルタラマヒンドラ・レーシング191833ダン・ティクトゥムERTフォーミュラEチーム12193セルジオ・セッテ・カマラERTフォーミュラEチーム112018ユアン・ダルバラマセラティMSGレーシング82121ニック・デ・フリースマヒンドラ・レーシング6228テイラー・バーナードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム5234ジョエル・エリクソンエンビジョン・レーシング22411ルーカス・ディ・グラッシABTクプラフォーミュラEチーム22551ケルビン・ファン・デル・リンデABTクプラフォーミュラEチーム02621ジョーダン・キングマヒンドラ・レーシング02716ポール・アロンエンビジョン・レーシング02822カイオ・コレニッサン・フォーミュラEチーム0

■2023/24年フォーミュラE チームランキング(第14戦終了時点)
Pos.TeamPoint1ジャガーTCSレーシング3222タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム2893DSペンスキー1844アンドレッティ・フォーミュラE1685ニッサン・フォーミュラEチーム1576ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム957エンビジョン・レーシング888マセラティMSGレーシング819ABTクプラフォーミュラEチーム3810マヒンドラ・レーシング2511ERTフォーミュラEチーム23

■2023/24年フォーミュラE マニュファクチャラーズ・トロフィー(第14戦終了時点)
Pos.ManufacturerPoint1ポルシェ4072ジャガー3883ステランティス2474ニッサン2425マヒンドラ636ERT23

こんな記事も読まれています

ピット入口にまさかの停止車両。終盤にフェラーリを逆転したアストンマーティンが76年ぶりのスパ24時間制覇
ピット入口にまさかの停止車両。終盤にフェラーリを逆転したアストンマーティンが76年ぶりのスパ24時間制覇
AUTOSPORT web
マクラーレン育成ボルトレートが初優勝。マシントラブル相次ぐ一戦に/FIA F2第7戦レース2
マクラーレン育成ボルトレートが初優勝。マシントラブル相次ぐ一戦に/FIA F2第7戦レース2
AUTOSPORT web
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
AUTOSPORT web
暫定4位のマルティに30秒のタイムペナルティ。VSC中のピットストップ敢行と判定/FIA F2第7戦レース2
暫定4位のマルティに30秒のタイムペナルティ。VSC中のピットストップ敢行と判定/FIA F2第7戦レース2
AUTOSPORT web
荒天中止の第2戦代替を含む変則3ヒート開催。セラが通算25勝目も押し寄せる世代交代の波/SCB第5戦
荒天中止の第2戦代替を含む変則3ヒート開催。セラが通算25勝目も押し寄せる世代交代の波/SCB第5戦
AUTOSPORT web
【フォーミュラEシーズン10】第14戦 アメリカ・ポートランド  ダ・コスタが3連勝を飾る
【フォーミュラEシーズン10】第14戦 アメリカ・ポートランド  ダ・コスタが3連勝を飾る
Auto Prove
レッドブル育成ハジャルが最速。宮田莉朋は0.007秒差でリバースポール逃す/FIA F2第8戦シルバーストン予選
レッドブル育成ハジャルが最速。宮田莉朋は0.007秒差でリバースポール逃す/FIA F2第8戦シルバーストン予選
AUTOSPORT web
ラッセルが2年ぶりの美酒。首位を争うフェルスタッペンとノリスが接触の波乱【決勝レポート/第11戦】
ラッセルが2年ぶりの美酒。首位を争うフェルスタッペンとノリスが接触の波乱【決勝レポート/第11戦】
AUTOSPORT web
ダ・コスタ破竹の3連勝。キャシディ無得点、フロントウイング無しのウェーレイン4位で王座争い混沌|フォーミュラE第14戦ポートランドE-Prix
ダ・コスタ破竹の3連勝。キャシディ無得点、フロントウイング無しのウェーレイン4位で王座争い混沌|フォーミュラE第14戦ポートランドE-Prix
motorsport.com 日本版
宮田莉朋「ポイントを獲るチャンスは十分にあった」入賞を逃した2つの要因/FIA F2第7戦レビュー
宮田莉朋「ポイントを獲るチャンスは十分にあった」入賞を逃した2つの要因/FIA F2第7戦レビュー
AUTOSPORT web
ルクレール「1周目の接触が僕のレースを台無しにした」追い上げも得点ならず/F1オーストリアGP
ルクレール「1周目の接触が僕のレースを台無しにした」追い上げも得点ならず/F1オーストリアGP
AUTOSPORT web
ポイントリーダーのサウターが2勝、レイシーが初優勝飾る/フォーミュラ・リージョナル第3大会岡山
ポイントリーダーのサウターが2勝、レイシーが初優勝飾る/フォーミュラ・リージョナル第3大会岡山
AUTOSPORT web
雨のなかAIXのデュルクセンが最速。宮田莉朋は17番手/FIA F2第8戦フリー走行
雨のなかAIXのデュルクセンが最速。宮田莉朋は17番手/FIA F2第8戦フリー走行
AUTOSPORT web
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
AUTOSPORT web
“王者の行軍”を止めた! ヨッヘンとルーカスのハーン親子が日曜最終ヒートで共闘勝利/ETRC第3戦
“王者の行軍”を止めた! ヨッヘンとルーカスのハーン親子が日曜最終ヒートで共闘勝利/ETRC第3戦
AUTOSPORT web
“3番目に速いクルマ”でスパ24時間優勝「アストンマーティンにとって素晴らしい成果」とソーレンセン
“3番目に速いクルマ”でスパ24時間優勝「アストンマーティンにとって素晴らしい成果」とソーレンセン
AUTOSPORT web
接触リタイアにノリス「あれ以上どうしようもできない」ピアストリは2位にがっかり/オーストリアGP決勝
接触リタイアにノリス「あれ以上どうしようもできない」ピアストリは2位にがっかり/オーストリアGP決勝
AUTOSPORT web
初の通常フォーマット戦で、テスラのエースが予選と決勝2ヒートを獲り週末完全制覇/STCC第2戦
初の通常フォーマット戦で、テスラのエースが予選と決勝2ヒートを獲り週末完全制覇/STCC第2戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村