新型「レクサス ES」は2018年10月に発表され、フラッグシップのLSに次ぐEセグメント・サイズでデビューした。ESとしては7代目となが、日本では事実上のブランニューモデルで、輸入プレミアム・ブランドのセダンと肩を並べる存在なのだ。
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初代のESは、トヨタ カムリ・プロミネントのアメリカ仕様のレクサス版だった。そして2代目~4代目は、アメリカではES、日本ではウインダムの車名で販売された歴史を持っている。しかしその後の5代目ESからは、日本市場で姿を消し、アメリカや中国市場で販売されていた。そのアメリカでは、レクサス RXとともにレクサスを牽引するモデルへと成長したモデルだ。
こんな背景があって、日本では復活したというより、新たなLクラスのセダンとしてデビューしたというのが正確だろう。ボディサイズは全長4975mm、全幅1865mm、全高1445mm、ホイールベース2870mmで、アメリカや中国ではミッドサイズ・セダン、ヨーロッパではEセグメントと呼ばれるサイズで、メルセデス・ベンツEクラス、BMW5シリーズと同等。日本市場で見るとクラウンをやや上回るサイズとなる。
価格帯は580万円~698万円で、これもクラウンの460万円~560万円を上回る。つまり欧州プレミアムEセグメントのセダンに価格戦略も含めて対抗するレクサスの切り札となるエグゼクティブカーだ。
ESのクルマづくり
このESは先に登場したトヨタ カムリのレクサス版で、プラットフォームはGA-Kと呼ばれる大型FF用のプラットフォームだ。ただしESはカムリよりホイールベースが45mm長く、ボディ・サイズもやや大きい。搭載エンジンはカムリと共通で、A25A-FXS型4気筒の2.5Lエンジン+ハイブリッドの組み合わせだけになっている。ただし、海外では自然吸気2.0L、2.5L(中国のみ)、3.5L・V6、そして2.5L+ハイブリッドというラインアップもある。
新型ESの開発コンセプトは、刺激的かつエレガントなデザイン、最新の安全装備、インテリアにクラフトマンシップのテイストを盛り込んだ質感の高さ、レクサス共通のすっきりした奥深い走り味の実現だという。
ちなみに、トヨタ・カムリは堤工場で製造されるが、レクサス ESは九州・宮田工場で生産される。宮田工場はレクサス専用ラインという一面があるからこそ、質感を重視した作り込みができるということだろう。
NEXT:ESのハードウェアは、その多くをカムリと共通としているが…
ESのハードウェアは、その多くをカムリと共通としているが、エグゼクティブクラスにふさわしく静粛性や乗り心地などはより一層重視し、新たな技術も投入している。例えばバージョンLは専用のノイズリダクション構造を持つ18インチのアルミホイールを装備している。リム部に空洞を設け、ロードノイズを抑制する役割が与えられている。
また静粛性を高めるため、フェンダー内部のライナー、床下にも吸音素材を採用している。さらにフロント・サスペンションのタワー部にサイレンサーを追加したり、ダッシュボード内部のサイレンサーも吸音・遮音をコントロールできるハイブリッド素材を初採用するなど、きめ細かな対策が行なわれている。また乗った時の質感を高めるために、ボディの微振動を減衰させる車体取付式のパフォーマンスダンパーもバージョンL、Fスポーツに標準装備されている。
ESのサスペンションの前後ダンパーには、KYB社との共同開発によるスイングバルブ付きダンパーを初採用している。このダンパーは全体の摩擦抵抗を抑えた上で、オイル流路の途中にごく薄い円盤状のバルブ(スイングバルブ)を追加し、0.002m/secという超微小ストローク時に減衰力を正確に発生し、しなやかな乗り心地と車体の初期の安定感を両立させている。なおFスポーツはリニアソレノイド式の連続可変減衰ダンパーを装備している。
従来の鏡面のバックミラーの代わりに、話題のカメラ式のデジタルアウターミラー、デジタルインナーミラーもメーカーオプションに設定されている。購入者のどれほどがこのメーカーオプションを選ぶかはわからないが、世界初採用とあって話題作りに成功している。
レクサス ES 諸元表
レクサス ES 関連情報
レクサス 関連情報
レクサス 公式サイト
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