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「202対34」?スパコン「TOP500」に入った日本のスパコンのすべて 

掲載 更新

スーパーコンピューターの計算速度を競う国際ランキング「TOP500」が発表された。トップ1-2は中国、3位はスイス、日本勢は「暁光」(海洋研究開発機構)が4位で最高だった。というところまでは、新聞報道されているとおり。では、500位までに入った日本のスーパーコンピューターはいくつあるのだろうか? トップ500を詳細に見てみよう。

「暁光」は海洋研究開発機構の横浜研究所に設置されているスーパーコンピューターで、液体に浸す冷却システムが特徴。計算速度は1秒間に1京9135兆回(京は1兆の1万倍)を達成し、前回の69位から大きく順位を上げた。このほかに、9位には京大と筑波大が共同運用する「オークフォレスト・パックス」が、10位には理化学研究所の「京」が入った。

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トップ10に日本のスパコンが3機種ランクインしたことになる。
では、タイトルの「201対34」とはどういう意味だろうか?


トップ10は以下の通りだ。順位・国名・「名前」所属・製作企業を示す。


TOP10
1位中国「Sunday TaihuLight」中国国家超級計算センター無錫NRCPC
2位中国「Tianhe-2」中国国家超級計算センター広州NUDT
3位スイス「Piz Daint」スイススーパーコンピューティングセンタークレイ
4位日本「暁光」海洋研究開発機構ExaScaler
5位英国「Titan」DOE/SC/Oak Ridge National Laboratoryクレイ
6位米国「Sequoia」Oak Ridge National Laboratoryクレイ
7位米国「Trinity」DOE/NNSA/LANL/SNLクレイ
8位米国「Cori」DOE/NNSA/LANL/SNLクレイ
9位日本「オークフォレスト・パックス」Joint Center for Advanced High Performance Computing富士通
10位日本「京」理化学研究所富士通




海洋研究開発機構のプレスリリースによると、暁光は

「暁光(Gyoukou)」は、PEZY Computingが新規に独自開発した最新のメニーコアプロセッサ「PEZY-SC2」を基幹プロセッサとして採用した「ZettaScaler-2」シリーズからなり、1筐体(液浸槽)で2.0 PFLOPSクラスのピーク性能を目指し開発が進められているスーパーコンピュータシステムだ。ExaScalerの液浸冷却技術とシステム化技術を用いて高密度実装を実現するとともに、高い冷却効率を実現することで、消費電力の低減を図っている。2017年6月に発表された前回の「TOP500」ランキングでは、システムのごく一部の稼働ながら、世界69位にランキングされた。また、それ以降、システムボード全数を各種の改良を盛り込んだ最新の「ZettaScaler-2.2」に更新した上で、稼働システム規模の拡大とソフトウェアの最適化を行ない、さらなるシステム性能の改良を図ってきた。
今回、システム規模19.5筐体相当(CPU数10,000個)の構成で、LINPACK性能は19.14PFLOPS(ペタフロップス)、実行効率は67.9%、消費電力当たりの演算処理性能は14.17GFLOPS/Wを達成し、「TOP500」及び「Green500」のランキングに性能登録した。「TOP500」及び「Green500」への登録は、主催者規定によりシステムが設置されている「サイト」が行うこととされており、「暁光」についてはJAMSTECがこれを行っているす。その結果、米国東部標準時(EST)11月13日午前9時(日本時間11月13日午後11時)に公表された「TOP500」で国内第1位(世界第4位)、「Green500」で世界第5位を同時に獲得した。
なお、システム開発にあたり、ExaScalerは国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「産学共同実用化開発事業(NexTEP)未来創造ベンチャータイプ」の支援を受けている(課題名「磁界結合DRAM・インタフェースを用いた大規模省電力スーパーコンピュータ」)。また、基幹プロセッサであるPEZY-SC2開発にあたり、PEZY Computingは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の支援を受けている(課題名「非接触型磁界結合通信を用いた高密度実装プロセッサデバイスの開発(実証開発フェーズ)」。

と説明されている。

さて、次は、「TOP500」のうちの11-100位に入った日本のスパコンだ。


11-100位
13位日本「TSUBAME3.0」東京工業大学HPE
38位日本「SORA-MA」JAXA(宇宙航空研究開発機構)富士通
41位日本「Camphor 2」京都大学クレイ
43位日本名古屋大学富士通
48位日本「TSUBAME 2.5」東京工業大学NEC/HPE
59位日本「Plasma Simulator」自然科学研究機構富士通
67位日本日本原子力研究開発機構HPE
70位日本「Molecular Simulator」分子科学研究所NEC
82位日本理化学研究所情報基盤センター富士通
91位日本「NM-1」NTTコミュニケーション NTTコミュケーションズ/NTT PC コミュニケーションズ


101-200位
121位「SEKIREI」東京大学HPE
157位「Oakleaf-FX」東京大学富士通
169位「QUARTETTO」九州大学日立/富士通
180位「Shoubu」理化学研究所ExaScaler
184位「HOKUSAI GeatWave」理化学研究所富士通
185位気象庁気象研究所富士通
195位「AIST AI Cloud」産業技術総合研究所NEC


201-300位
258位Service CompanyHPE
259位「Shout system B」理化学研究所PEZY Computing/ExaScaler
276位「Sakura」ペジーコンピューティングPEZY Computing/ExaScaler
291位「Reedbush-L」東京大学HPE
295位「Reedbush-H」東京大学HPE
298位「Aterui」国立天文台クレイ


301-400位
307位「Suiren2」高エネルギー加速器研究機構PEZY Computing/ExaScaler
315位「Sekirei-ACC」東京大学HPE
319位「RCF2」国立環境研究所NSSOL/HPE
344位「COMA PACS-IV」筑波大学クレイ
349位「Numerical Materials Simulator」物質・材料研究機構


401-500位
419位「RAIDEN GPU subsystem」理化学研究所富士通
469位「Cary XC40」北陸先端科学技術大学院大学クレイ
470位電力中央研究所HPE


ちなみにドイツ勢は19位のHLRSが最高。トップ100に9つ入っている。
トップ500を見渡すと、中国勢の数の多さに驚かされる。

では、冒頭の「201対34」 の謎解きを。
1-100位に入ったスパコンは、中国が6機種、日本が13機種
トップ100に限ってみれば、日本もなかなかやるな、ということになる。
101-200位:中国50機種 日本7機種
201-300位:中国58機種 日本6機種
301-400位:中国48機種 5機種
401-500位:中国40機種 日本3機種

トップ500ランクを見渡すと
中国202対日本34
となるわけだ。

量より質、という見方もあるし、「なにを計算するのか?」が重要なことも理解している。が、201対34という数字は、それなりに重いもののように思える。

以下は、TOP500で目に付いたものを掲載しておく。

17位NASA
31位米政府(Government United States)
33位NASA
35位フェイスブック
36位NVIDIA
39位米政府(Government United States)
40位アメリカ空軍研究所
49位ローレンスリバモア研究所
56位アメリカ陸軍研究所
71位BASF
83位IBM
85位ロスアラモス研究所
86位インテル
89位アメリカ空軍研究所
98位と99位 アメリカ海軍DSRC
100位マックスプランク研究所

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