サンタガータで特別注文システム“アドペルソナム”を使って、実際にアヴェンタドール SVJをオーダー。一部のオーダーに問題が発生したものの、とうとう現車が福岡のディーラーに到着した。太宰府天満宮で無事祈祷を終えると、ここから新たなテーマが始まる。
マットカーボンインテリアを諦めることに
2019年11月に大阪で開催されたランボルギーニDAYで、ランボルギーニのスタッフに確認したところ、この時点でもまだ内装のマットカーボン仕上げはできそうだ、という回答だった。ここまで来たらこちらとしても別段、急いで作ってもらう必要はない。巷では既にSVJスパイダーの納車もどんどん始まっていた。何なら最後になってもいい(その方がネタになる! )から、と腹を括ったものだった。
2020年になった。新たなオプションとしてカーボン製フロントフェンダーのアウトレットが加わったと聞き、それをマットブラックでメーカー装着できるか、という問い合わせと同時にもう一度、内装マットカーボンについてもプッシュしてもらう。2月のことだ。
アウトレットに関してはすぐに返事が来た。ディーラーオプション用に開発したもので、日本でつけて欲しいとのこと。フェンダーに穴を開けるので、できればやりたくないというのが日本側の素直な気持ちだろう。そこまでして装着するのも何だかなぁ、という気分になり、こちらは諦めた。マットカーボンインテリアについては返事がないという。
5月。いよいよ日本市場向け個体の最終オーダー締め切りが近づいてきたという連絡が入った。最悪、マットカーボンインテリアなしで進めることになるかもしれない。前回にも書いたように、マットカーボンは今回、内外装の主要なテーマだった。その一部が崩れるとなると……。
結論から言うと、マットカーボンをすべて諦めることにした。エクステリアのツートーンもだ。その代わり、インテリアについてはバスタブまでしっかりシャインカーボンにしてもらうことになった。コンフィギュレーションの成否はクルマ全体にわたっていかに筋を通すかにかかっている。アレもコレもの足し算は絶対に格好悪いし、可能な限り引き算にした方が良い。アレもコレもできると聞くと、ついついやってみたくなるのが人情というものだが、そこをグッと堪える。最も良い例がブレーキ・キャリパーの色だ。大きなキャリパーを目立たせたいという気持ちは分かる。色とりどりの見本を見せられたら、当然、あまり見かけない色を塗ってみたくなる。けれどもキャリパーは黒や銀がいい。いかにボディカラーと合わせても、キャリパーを目立たせると飽きがくる(ははーん、もしやメーカーはそれを狙っているのか! )
7月に最終のオーダー表を送った。生産は9月。年内には日本にやってくるということだった。
12月下旬。待ちに待った知らせが届く。ランボルギーニ福岡に現車が到着したのだ。クリスマスの日、まずは現物チェックというわけで福岡へ。その出来栄えに納得し京都へ戻った。福岡滞在時間わずか1時間。
明けて21年2月。納車の準備が整った。今回はランボルギーニ福岡で車両を受け取り、京都まで慣らしを兼ねて自走して帰るというプランだ。カメラマンも帯同して道中の“記念撮影”をしてもらう。
ランボルギーニ福岡ではスタッフによる暖かい納車セレモニーと取扱いの説明、付属品や記念品の紹介を丁寧に受けた。ミニカーはまだ届いていなかったが、それでも様々な付属品がある。些細なことだけれど、筆者が感動したのがドアに貼られたステッカーだった。Welcome to Lamborghini、とある。思わずキレイに剥がして記念に持ち帰ることに。
ランボルギーニ福岡を出発して、まずは太宰府天満宮で新車のお祓いをしていただく。何とRPMの入江公司社長が太宰府天満宮までディアブロで追走してくれるという。小雨ぱらつく生憎の空模様だったが、2台の新旧12気筒ランボルギーニが福岡の都市高速を快走した。
アヴェンタドールを神使に見立て、天神さまと京都を目指す
太宰府天満宮で無事祈祷を終え、ここからもう1つのテーマが始まった。太宰府天満宮から京都北野天満宮への慣らしを兼ねたドライブだ。
この二社は日本における天満宮(天神さん)の総本社で、特に太宰府天満宮は祭神である菅原道真公の霊廟がある。また、天満宮の神使といえば伏せ牛で、まさにランボルギーニだ。その関係で筆者は北野天満宮でランボルギーニを中心としたイベントをコロナ禍前まで開催していた。そう、今回はアヴェンタドールSVJを神使に見立てて、菅原道真公の魂と共に公のふるさと、京都を目指そうという想いもあったのだ。
午後、博多の街を後にして関門海峡を目指し、山陽道へ。この日は岡山まで走り、春と秋にクラシックカーラリー(岡山ヴェッキオバンビーノ)を開催する面々にSVJを披露した。なかでも山陽道随一の保有台数を誇る古谷野コレクション(プライベート、一般公開はしていません)は圧巻で、いつものように膨大な数のクラシックモデルを眺めつつクルマ談義を楽しんだ。
翌日。雨で汚れたSVJのまま、京都を目指す。もう一つの総本社、北野天満宮ではさらに古い12気筒モデルが待ってくれているはずだ。
到着前に洗車をすませ、わが家にも程近い天神さんに乗り付ける。いた! シルバーのカウンタックLP400だ。そう、今年2021年はカウンタックの50周年。その初代モデルがLP400である。
フラッグシップの中身はずっと“カウンタック”
1971年3月のジュネーブショーにて“クーンタッチ”は衝撃のデビューを果たした。それは黄色のプロトタイプで、のちの生産型とはディテールがかなり異なっていたが、人々はその姿に熱狂したという。よもや生産されるとは誰もが信じなかったことだろう。今年の夏、ペブルビーチにて登場した新型カウンタックLPI800-4は、このプロトタイプを第1のデザインモチーフとしている。
カウンタックの衝撃は、もちろん、スタイリストであるマルチェロ・ガンディーニのエクステリアデザインによるところが大きい。否、一般的にはそれがすべてだろう。
けれども、ガンディーニのデザインありきで開発が始まったわけではない。ミウラの後継モデルとして、苦境にあったランボルギーニのフラッグシップはどうあるべきか、を模索したなかから生まれた、非常にユニークな12気筒ミドシップレイアウトがあってこそ、あのスタイルやシザースドアが生まれた。
そのレイアウトは、長くて巨大なエンジン+ミッションのパワートレーンを、通常とは180度逆の、つまりキャビン中央にミッション、その背後にエンジン、エンジン後端にリアアクスルというパッケージだった。天才エンジニア、パオロ・スタンツァーニによるこの奇想天外なLP(エンジン縦置き)パッケージこそが、ガンディーニの奇跡的なスタイリングを生み出したと言っていい。
そして、ここからが重要なのだけれども、ランボルギーニはこのレイアウトをカウンタックの後継モデル、すなわちディアブロ、ムルシエラゴ、そしてアヴェンタドールまで使い続けた。つまりカウンタックの魂はずっと受け継がれてきたのだ。だからこそ、アヴェンタドールの派生モデルであるシアンをベースとした新型カウンタックも、誰かれはばかることなくカウンタックを名乗ってよろしいというのが筆者の見解である。フラッグシップモデルの中身はずっとカウンタックだった。
アヴェンタドールもまた“クーンタッチ”なのだ。カウンタックの50周年を北野天満宮でもっと盛大に祝いたかったけれども、生産型として最初期のオリジナルカウンタックと、その子孫であるアヴェンタドールSVJの2台を並べることで、ランボルギーニのイメージを形成した半世紀を個人的に祝すことができたと思っている。
文・西川淳 写真・タナカヒデヒロ 編集・iconic
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同じアヴェンタドールのシリーズだけど、興味が今在るのは来春に私の手元に届く予定のアヴェンタドール・ウルティマのロードスターだけ。