もくじ
ー アストン マーティンDB11より鋭い0-100km/h加速
ー AMG謹製のエンジンに4輪駆動システム
ー 複雑多様な電子デバイスはドリフトモード付き
ー ターボらしい悪癖のない2.0ℓ4気筒
ー 性能とブランド、A45のスキのない完成度
ー メルセデス-AMG A45 Sのスペック
アストン マーティンDB11より鋭い0-100km/h加速
これまでホットハッチと呼ばれていたクルマの性能向上は留まるところを知らず、もはや過熱気味のメガ・ホットハッチの領域にまで届いている感すらある。メルセデス-AMGはこれまでの量産4気筒エンジンの中では最も強力な2.0ℓエンジンを開発し、ニッチマーケットの需要拡大を目指すべく、コンパクトなハッチバックに押し込んだ。今の世の中にあって、421psのメルセデス-AMG A45 Sの登場を歓迎したいと思う。
A45 Sの速さは並のものではない。0-100km/h加速はアストン マーティンDB11よりも速い。ボディタイプはハッチバックのほかに、4ドアサルーンとエステート、クロスオーバーも登場する予定だ。それぞれA、CLA、CLAシューティングブレーク、GLAというモデルに、45のエンブレムが追加されることになる。メルセデス-AMGによれば「コンパクトクラスにおけるスーパースポーツカー」という位置づけだという。ちょっと安直にも聞こえるが、目指すところは充分にわかる。
今回のクルマはA45で、実用的な5ドアボディを持つが、622psと50.9kg-mというスペックが掲げられた「S」グレード。0-100km/hの加速に要する時間は3.9秒。ベースグレードは387psとなるが、英国には入ってこない模様。
ライバルモデルとしては、アウディRS3やBMW M2コンペティションなど。ドアの数も少ないし、異論もあるかもしれないが、5万ポンド(680万円)前後の金額に相応しいクルマだ。A45も同等の金額となる見込みだが、正式発表はもうしばらく待たなければならない。
AMG謹製のエンジンに4輪駆動システム
A45は基本的には通常のAクラスと同じ製造ラインを流れるそうだが、ワイドフェンダーをまとい、トレッドも広げられている。ボディにはフロントホイールアーチ付近やアンダーボディに補強ブラケットが追加されている。フロント側は溶接されるという、気合の入れようだ。
BMWのMブランドに相当する、メルセデスのAMGの得意分野は、なんといってもエンジン開発。ひとりひとりが1基づつを担当して製造するというフィロソフィーは、A45に搭載される1991ccの4気筒にも当てはまる。Aクラスの製造ラインへと、シュトゥットガルト郊外、アッファルターバッハ謹製のユニットが届けられるのだ。
新しいドライブトレインは少々構造が複雑。エンジンには8速デュアルクラッチATが組み合わされ、4輪を駆動する。リアタイヤとを結ぶドライブシャフトは、トランスミッションからの出力スピードで基本的に常に回転している状態となる。フォード・フォーカスRSのように、リアデフの左右にそれぞれクラッチが挟み込まれ、左右それぞれのタイヤに、必要なぶんだけトルクを伝達する。
だが後輪にトルクが有効にかかるのは加速時とコーナリング時のみ。一定速度でのクルージング時は、基本的には空転状態に近い。ココぞという時には、左右どちらかの両輪へ、最大100%のトルクを伝達することも可能。意図的に後輪へ伝わるトルクは最大でも50%までに設定されている。滑りやすい路面のコーナーで荷重が大きく掛かった際、フロントタイヤがもがくような場面もあるかもしれないが、ほんのわずかの時間で納まるだろう。
複雑多様な電子デバイスはドリフトモード付き
巨大なパワーに備えて、ドライブモードも多数準備された。インテリアは、美しいタービンのようにデザインされたエアベントに高精細のインスツルメントパネル、大型のセンターモニターなど、触れるべき点が多くある。だが、テクノロジー的な部分では交通整理を求めたい印象もある。
インスツルメントパネルに納まるモニターは、スピードメーターを左側に表示させるモードだけでもいくつかが用意されている。そこからひとつを選んだとしても、右側のタコメーターのグラフィックスの選択肢が7種類も用意されていたりする。加えてスピードとタコメーターの間の表示内容も変更できる。
ステアリングホイールには合わせて17種類のボタンやスイッチが取り付けられ、そのうちのふたつはマルチファンクションのトラックパッド。これだけのボタンが並んでいながら、レーンキープアシスト機能をオフにする操作は、センターモニターで行わなければならない。
ドライブモードは、個別に設定可能なインディビジュアルを加えて6種類。そこにはスタビリティコントロールやトランスミッション、4輪駆動システムの動作を変更できるAMGダイナミックモードとして4種類、ダンパーのセッティは3段階、2段階のエグゾーストモードが用意されている。ステアリングホイールの操舵感の重さは個別に選択はできないが、ドライブモード次第で変化する。
ESC(エレクトリック・スタビリティ・コントロール)は通常のオン(ノーマル)、スポーツ、オフから選べる。フロントタイヤの駆動は残るが、リアタイヤへ伝わるトルクの割合が増えるドリフトモードに、ローンチコントロールも装備している。
ターボらしい悪癖のない2.0ℓ4気筒
低速域では少々振動が気になるA45だが、スピードが上がるにつれて落ち着きが出てくる。車重は全長4.4mのクルマにしては重めの1625kg。直線加速の鋭さと、コーナリング時のスタビリティには目をみはる。
コーナーではターンインを助けるためにイン側のリアタイヤへブレーキを掛け、アクセルを踏めばアウト側リアタイヤの駆動力が増大し、機敏なコーナリングを体現する。アクティブ・リアステアといった機能は必要ない。とても効果的に機能しているが、挙動は極めて自然でもある。
サーキットでA45を走らせると、アンダーステア気味ながら、後輪へも駆動力が分配されるおかげで、アクセルオンのタイミングは早く来る。アウディRS3よりもスムーズで、ドライバーの調整しろも大きく取られているようだ。フォード・フォーカスRSには及ばないけれど。
ドライビングモードによるステアリングの重さの変化は大きくはない。軽すぎることもなく、極めて正確でレスポンスも丁度いい。トルク配分がリア寄りとなると、セルフセンタリングしにくくなる傾向があり、進行方向にクルマを向かせるにはステアリングを切り戻す必要があるようだった。わたしは重めのステアリングの設定が好みだったが、ドライビングモードの好みを探している内に、試乗時間は終了してしまった。
エンジンはAMGに期待する通りのユニット。2.0ℓ4気筒ターボが生むパワーは強烈で、圧倒的なストレートスピードを叶えている以上の仕上がりを得ている。ターボ過給されるエンジンにありがちな、ブースト圧が高まるまでトルクが立ち上がらない、というような悪癖は一切ない。
性能とブランド、A45のスキのない完成度
低回転域ではブースト圧が低めになるように設定されているらしく、自然吸気のようなフィーリングすらある。非常にリニアでスムーズ。2500rpmを超えるとトルクが増幅仕出すが、ピークトルクが沸き立つのは5000rpmを迎えてから。ピークパワーは、7000rpmがレブリミットの設定にあって、6750rpmと高回転寄りだ。
エグゾーストノートはドライブモードにもよるが、パタパタと弾くような音も混ざった、ルノー・スポーツにも似た、エグゾーストノートとターボの唸りとが混ざりあったサウンドが楽しめる。ただし、一部スピーカー越しの合成音も混ざってしまう。
8速デュアルクラッチATは、メルセデス・ベンツを含めるすべてのモデルの中でもベスト。サーキット走行時、エンジンが高回転の状態ではやや変速で遅れる場面があったものの、シフトアップもシフトダウンも、おおむね文句の付け所がない。
例えるなら、ホットハッチでありながら、最も日産GT-Rに近い印象を与えてくれるクルマだ。わたしとしては、後輪駆動の素直なレスポンスとハンドリングを備えた、BMW M2の方が好みではある。アルピーヌA110の純粋性も良い。しかし利便性やブランド性なども考えれば、A45のスキのない完成度は、唯一無二だといえるだろう。
メルセデス-AMG A45 Sのスペック
価格:5万ポンド(680万円・予想)
全長×全幅×全高:4419✕1796✕1440mm(標準Aクラス)
最高速度:270km/h(リミッター)
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:11.8km/ℓ
CO2排出量:192g/km
乾燥重量:1625kg
パワートレイン:直列4気筒1991ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:421ps/6750rpm
最大トルク:50.9kg-m/5000-5250rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック
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