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【20世紀名車】かつてモータースポーツシーンで活躍した英国オープンと過ごす休日

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【20世紀名車】かつてモータースポーツシーンで活躍した英国オープンと過ごす休日

ジャガーに迫った動力性能。気骨あふれるトラディショナルオープン

 トライアンフTR2は、TR8まで続いたTRシリーズの名声を確立した名車である。1952年秋のロンドン・モーターショーに出品されたコンセプトカー、トライアンフ・ロードスター(のちにTR1と命名)の市販型で1953年8月にデビューした。

【20世紀名車ギャラリー】ゆったりとしたツーリングが似合う英国オープン、1955年式トライアンフTR2の肖像

 TR2の魅力は優れたパフォーマンスにあった。軽量コンパクトなボディに1991ccの直4OHV(90ps)ユニットを搭載している。排気量は、当時人気のMG-TD(直4/1250cc)とジャガーXK120(直6/3442cc)の中間、性能はジャガーに近かった。

 公表されたトップスピードは170km/h。しかし1953年5月にベルギーのテストコースで挑んだ最高速度チャレンジでは、ウインドシールドなど空気抵抗を改善したモデル(エンジンは標準状態)が201km/hを達成する。160km/hを突破すると高性能車の称号が与えられた時代、TR2のスピード性能は圧倒的だった。

 フロントがダブルウィッシュボーン、リアがリーフリジッド式の足回りも、レーシングドライバーであり、開発エンジニアでもあったケン・リチャードソンの調整で、ハイレベルに仕上がっていた。

 TR2はモータースポーツシーンで大活躍する。1954年3月のRACラリーで1/2/5位を獲得。ミッレミリアやアルパイン・ラリー、ル・マン24時間レースでも好成績を収めた。スピード性能と高い信頼性を備えた「TR」の伝統は、初代TR2で築かれたといえる。

 TR2は1955年10月にマイナーチェンジされ、TR3にバトンを渡した。2年ほどのモデルライフである。生産台数は8636台。そのうち約65%にあたる5521台がアメリカに輸出された。

 取材車はTR2最終期に生産された1955年式。フロントノーズのエンブレムは、なぜか新車時から“TR3用”が装着されていたという。数年前に日本でフルレストア作業が施されており、内外装の状態は素晴らしい。乗車定員は2名だが、リアにもシート状のクッションが装着されている。これはル・マン24時間レースのレギュレーションに適合させるための工夫だったという。

 走りは絶好調。ツインキャブ仕様の1991ccユニットは、レッドゾーンの5000rpmまで無理なく回る。2000rpm前後から太いトルクを発揮し加速は鋭い。現在でも交通の流れをリードできるポテンシャルを備えている。
 トライアンフTR2は、トラディショナルなスタイリングと豪快な走りが味わえる傑作車。希少性が高く、実に味わい深い。

トライアンフTR2主要諸元

モデル=1955年式/トライアンフTR2
全長×全幅×全高=3835×1410×1270mm
ホイールベース=2235mm
車重=840kg
エンジン=1991cc直4OHV
エンジン最高出力=90ps/4800rpm
エンジン最大トルク=16.2kgm/3000rpm
トランスミッション=4速MT
サスペンション=前ダブルウィッシュボーン/後リーフリジッド
ブレーキ=前ディスク/後ドラム
タイヤ&ホイール=5.50-15+ワイヤースポーク
駆動方式=FR
乗車定員=2名

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みんなのコメント

3件
  • snowlight
    二世代後のTR4を乗っていましたが、TR2、3の欠き切ったドアのフェンダーラインが憧れでした。新車当時といえば、石原慎太郎がTR3、裕次郎はヒーレー100、三船敏郎はMGTDと、それぞれ英国スポーツカーが3系統に分かれて面白い。
  • Nobody
    これ、欲しかった、1958年型、35年前で300万円〜だったから買えなかったが、今は幾らなんだろう

    ドレッサーの前にありそうなスツールみたいな座席がキュートだった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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