■ミニバンの広さとSUVのアクティブさを兼ね備えた1台
トヨタグループのトヨタ車体は2023年10月25日、第1回「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー2023:JMS2023)」で、「X-VAN GEAR CONCEPT(クロスバン ギア コンセプト、以下クロスバン ギア)」を世界初公開しました。
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クロスバン ギアは、SUVテイストを持った新たなミニバンのコンセプトモデルです。
トヨタ車体の松尾 勝博 代表取締役社長は、10月25日に行われたプレスカンファレンスで、次のように問いかけました。
「クロスバン ギアは、生まれた時からミニバンがある、いわば“ミニバンネイティブ世代”に向けての新しい選択肢です。いかがでしょうか」
開発に携わったトヨタ車体の担当者は、クロスバン ギアを次のように説明します。
「ひとことでいうと“ミニバン”の広さと“SUV”のアクティブさをあわせ持ったクルマです。
ミニバンの商品企画については、トヨタと常に提案を出し合いながら議論を交わしていますが、今回のクロスバン ギアについても、次の時代に向けたミニバンの進化の方向性を模索するなかで生まれたコンセプトカーです」
あくまでも次世代ミニバンの方向性を探るコンセプトモデルであって、パワートレインやプラットフォームなどは特に定めていませんとしています。
クロスバン ギアのボディサイズは、全長4695mm×全幅1820mm×全高1855mmで、乗車定員は6人。
ちなみにミドルクラスミニバン「ノア」のボディサイズは、全長4695mm×全幅1730mm×全高1895mm(4WDモデルは1925mm)で、全長4.7m級のほぼ同クラスであることがわかります。
外観は、SUVらしいテイストが感じられるものです。
「キズに強い樹脂部分とスライドドアのレールに連続性を持たせたことで、フェンダーの張り出し感を強調する役割も果たしています。
ボディカラーは最近流行りの彩度を押さえた色合いで、これにギア感を加えるためマットな仕上げとしました」トヨタ車体ブースの担当者は説明します。
■ミニバンの大空間を「停車時」にも活用!
そしてクロスバン ギアは内装の仕立ても注目されます。
「まず、フロア部分が前から後ろまでフラットで、そこにロングスライドレールを配することで、多彩なシートアレンジが可能な点が最大の特徴です」
その狙いについて担当者は「ミニバンの大空間を移動中だけでなく、停まっている時にも活用したいという狙いがあった」と話します。
また、回転シートなどを活用することで心地よく過ごして欲しいとし、アレンジ次第では「車中泊」も可能だとしています。
床は汚れても拭きとれる素材で、明るい内装色で開放感を高めながらチャックでシートカバーを着脱可能な仕様とし、洗濯もしやすい仕様にしています。
一方インパネのレイアウトはできるだけ低くシンプルなものとし、ユーザーに自由にアレンジしてもらうことを考えているといいます。
インパネやCピラー(スライドドア後ろの柱部分)にはスリットを設け、ナビの取り付けや給電機能、空調の吹き出し口など、自分好みの仕様をつくる仕掛けを用意しています。
なおトヨタ車体ではJMS2023開催にあわせ、クロスバン ギアを紹介する動画を公開しました。
そこにはクロスバン ギアとベースを共有した姉妹モデルとして「クロスバン コア」と「クロスバン ツール」の2モデルも同時に登場し、3つのシリーズがラインナップされていることが確認できます。
クロスバン コアは“クロスバン”シリーズの中核(コア)となるモデルで、プレーンなスタイルとしています。
クロスバン ツールは積載性を重視したモデルで、動画では助手席シートを前倒しして自転車を積み込む様子が紹介されています。
このように多くの検討が進められている様子から見ても、クロスバンシリーズの市販が現実のものとなることも大いにありそうです。
※ ※ ※
クロスバン ギアは、10月28日から一般公開を開始し11月5日まで開催されるJMS2023のトヨタ車体ブースに出展されます。
前出の担当者も「来場者の皆さんの意見が聞きたいです」と話していましたが、トヨタ車体ブースにそうした熱い要望の声が寄せられれば、今後につながる大きな後押しとなるかもしれません。
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