アウトモビリ・ランボルギーニは2023年2月21日、同社の創立60周年を記念して日本の現代アーティストであるIKEUCHI(池内啓人)氏とコラボレーションしたワンオフの“Opera Unica(ユニークな作品)”モデル「ウラカンSTOタイムチェイサー_111100(Huracán STO Time Chaser_111100)」と、過去のランボルギーニ車のパーツを使用して革新的なコクピットに仕立てた「タイムゲイザー(Time Gazer)」という2作品を東京で発表した。
ランボルギーニは2023年に会社創立60年を迎えることから、「The future began in 1963」をテーマに、53カ国にある180のディーラーネットワークを活かしながら、それぞれ異なるマーケットにおいて国際的に有名なアーティストとの協業による横断的なプロジェクトを展開すると予告し、合わせて“60 ANNIVERSARIO”ロゴを商標登録している。今回のIKEUCHI氏とのコラボはその一環として実施されたもので、プロジェクトテーマは「Chasing the Future」。IKEUCHI氏の表現手法の1つであるサイバーパンクやロボットといったサイバネティクスを駆使し、過去を打ち破って現在、そして未来へとつながるランボルギーニの姿を、同社のスーパースポーツモデルであるウラカンSTOと、過去のランボルギーニ車のパーツを使って具現化した。
ランボルギーニがV12エンジン搭載車の最終ワンオフモデルとなるクーペの「インベンシブレ」とロードスターの「オーテンティカ」を発表
まずは「ウラカンSTOタイムチェイサー_111100」から見ていこう。ベース車は5204cc・V型10気筒DOHCエンジン(最高出力640hp/最大トルク565Nm)をミッドシップ搭載したウラカンの最上位グレードのSTOで、ボディカラーにはマットグレーを基調色として選択。111100はコンピュータが読み込める2進数で表現したバイナリコード(binary code)で60を意味する。エクステリアにはそのバイナリコードのロゴやサイバースペースをイメージさせるグラフィックを配し、さらにエンジンフード上には六角形のPCケースを装備して、独創的かつ未来的なスタイリングを実現した。
一方で「タイムゲイザー」は、“時間”と“タイムレス”を最大限に追求する目的で、カウンタックやミウラ、ガルヤド、ウラカン、ウルスなど、ヒストリックカーから最新モデルまでランボルギーニに使用してきた珠玉のパーツをアートピースとして凝縮し、コクピット空間として仕立てた作品。詳細に観察していくと、マザーボードやトラックボールの操作系にウラカンのフルバケットシート、カウンタックのスタータースイッチ、ガルヤドのアロイホイール、リユースしたエンジンのヘッドカバーやピストン、電気配線系、ラジエーターファンなどを採用し、ランボルギーニの過去と現在がつながるサイバーインダストリアルなスペースを構築している。
なお、IKEUCHI氏は「ランボルギーニのようなブランドと、とくに60周年という記念すべき年にコラボレーションを実現することができ、大変光栄です。ランボルギーニは、私のアートと同じように、常に未来をカタチづくり、常に挑戦しようと努力しているブランドです。タイムゲイザーとウラカンSTOタイムチェイサー_111100は歴代のアニバーサリーモデルのオリジナルパーツを取り込んで制作しており、ランボルギーニの歴史を讃えるものでもあります。進化を続けるランボルギーニの門出として、多くの方にこの作品を楽しんでいただければと思っています」と述べる。
また、ランボルギーニ・ジャパンのダビデ・スフレコラCEOは「このような素晴らしい作品を、日本の未来を背負うアーティストと一緒に作り上げることができ大変嬉しく思います。壊れたマザーボード、プラスチック、電気配線などを複雑に組み合わせてサイバーパンクの黙示録的な美学を確立し、数千年の伝統と現代文化に彩られた日本で、IKEUCHI氏は人間とテクノロジーのつながりを増幅させ掘り下げているのです。そこにはあらゆる形の芸術に対する大きな情熱があり、日常生活の中にさえも溶け込んでいます。色彩豊かな国をより一層彩るブランドとして、このコラボレーションは日本とアウトモビリ・ランボルギーニの認知度をさらに高めることに貢献するでしょう」とコメントした。
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