東京都武蔵村山市にある日産東京販売新車のひろば村山店で4月6日、「ローレルC30を語る会」が開かれ、初代のセダンとハードトップ計4台が集まった。
初代C30型の日産『ローレル』のオーナーズクラブが、当時の生産拠点だった日産村山工場跡地にある日産販売店の一部を借りて行っているイベント。この日はちょうどローレルが誕生した4月6日(1968年発売)の開催となった。
初代が造られたのは1968年から1972年。車齢が優に半世紀を超えてもなお元気に参加したのは、セダンとハードトップ各2台ずつの計4台であった。
鮮やかなボディカラーでひと際目立っていたのはセダン1800GL(1970年)。叔父のところにあったローレルの走りの良さに感銘し、いつかは自分もと思ったのが18歳の免許取り立ての時だったというオーナー。それから月日は流れ2013年にボロボロ状態だったものをネットオークションで購入し、2年を費やして路上復帰させた。そして昨年、純生色に近い『ノート』や『エクストレイル』のオリーブグリーンで全塗装し、ハッとさせられるような目立つ車体となった。ワンオフのタコ足~マフラーや15にインチアップしたATSのホイールなどもおごり、「吸いつくような足回りと良く回るG型エンジンです」と満足そうだった。
「足立5」のシングルナンバーを付けていたのは、初期型セダンの1800デラックスB(1968年)。こちらも子供の頃に見かけて以来気になっていたというオーナーだが、どうやら当時の個体そのものらしい。昔から足立区住まい。環七で走っているのを見た記憶があるそうで、「かっこいいな~と思ってました」。それが今から3年前、何気なくネットサーフィンをしていたらこのクルマを発見し、「ビビッと来て」購入したという。旧車興味もなかったというオーナーだが、ローレルが来て以来クルマのことを猛勉強し、こうして”濃い”仲間も増えた。ヘッドレストやシートベルト無し(後に2点式を後付け)、中央から開くように作動する”けんかワイパー”、エンジンルームにある作業ランプなどが往時をしのばせる。筆者が知らなかったのはトランク内側にある水銀スイッチ。少量の水銀が封入された容器が傾くことで重力によって水銀が移動して通電、トランク内のランプが点灯するというものであった。
長野県から走って来たのは、ハードトップ2000GX(1970年)。こちらは中学生の時「シーケンシャル(流れる)ウインカーに憧れた」というオーナー。20歳で中古を一度手に入れたが、紆余曲折でぶどう棚の下で雨ざらし状態に。2018年にネットオークションでまた見つけたのが今の個体。「エンジンのレスポンスが気持ち良い」と、他オーナーと口をそろえた。
同じく2000GXのオーナーはクラブの事務局担当者。販売期間が短いハードトップでしかも未再生車というのは、かなりレアな個体である。「世間的には510『ブルーバード』や『スカイライン』がメジャーで、C30は知らないという人がいっぱいいましたが、このイベントを通して世の中に知っていただけるようになってきたのが良かったです」と話していた。
この日は関連クラブの全日本ダットサン会からブルーバードクーペ1600SS(1970年)と同セダン1600SS(1970年)、『フェアレディZ』Z-L(1973年)も参加。ディーラーに訪れた人や通りすがりの人なども思わぬ名車たちに足を止め、写真を撮るなどして楽しんでいた。
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みんなのコメント
当時、小学生ながらブルーバードやスカイラインとはまた違った高級感のようなものを感じていた。
国も重課などせず、文化財として動体保存を支援してほしい。