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レッドブル代表、ハミルトンの速さに脱帽。一方メルセデス代表も難しい判断迫られたレッドブルに理解示す

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レッドブル代表、ハミルトンの速さに脱帽。一方メルセデス代表も難しい判断迫られたレッドブルに理解示す

 F1第4戦スペインGPではまたも、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)による息詰まる攻防が繰り広げられた。

 レース序盤をリードしたのは、スタートでポールポジションのハミルトンを交わしたフェルスタッペンだった。ふたりが1回目のピットストップを終えた後も(共にソフトタイヤからミディアムタイヤに交換)、フェルスタッペンはハミルトンの追撃を抑えていたが、ハミルトンは43周目に2度目のピットストップを敢行。状態の良いミディアムタイヤを履き、20秒以上前方にいるフェルスタッペンを追いかけるという作戦に出た。

【F1動画】第4戦スペインGP決勝ハイライト

 このメルセデスの戦略は見事的中した。ハミルトンがフェルスタッペンに対して1周1~2秒も速いラップタイムで猛追する中、レッドブルはフェルスタッペンをステイアウトさせたが、残り7周にハミルトンがフェルスタッペンをあっさりとオーバーテイクして首位に浮上し、今季3勝目を手中に収めたのであった。

 フェルスタッペンを抜きあぐねていたハミルトンが、マルチストップ作戦を駆使して首位奪還に成功するというケースは、奇しくも2019年のハンガリーGPと全く同じシチュエーションだ。レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーはレースを振り返り、ハミルトンに2度目のピットストップに入られてしまった時点でレッドブルは後手に回ってしまい、その後は対抗策を持ち合わせていなかったと語った。

 戦略面で何か違うことができたと思うか? そうスカイスポーツF1のインタビューで尋ねられたホーナーは、次のように答えた。

「できなかったと思う。今日のメルセデスとルイスには脱帽だ」

「今日の彼らは我々よりも速かったし、実際最初の2スティントではずっと我々の後ろについてきた。彼らがアンダーカットを早くから狙ってこなかったことには驚いたが、その間はなんとかポジションをキープすることができた」

「しかし問題だったのは、集団がばらけた時にルイスが(事実上の)フリーストップをして、(フェルスタッペンが)トラックポジションを失う羽目になったということだ」

「(フェルスタッペンは)リーダーになって、最後まで困難に耐え抜かなければいけないという恐ろしい状況にあった。彼に追い付かれることは分かっていたし、唯一できることは(ソフトタイヤに交換して)ファステストラップを狙うことだけだった」

 一方メルセデスのトト・ウルフ代表は、戦略チームが果たした仕事を称賛しながらも、首位に立っているが故に難しい判断を迫られていたレッドブルにも理解を示した。

 トップを走るレッドブル陣営としては、フェルスタッペンをハミルトンより先にピットインさせて2度目のタイヤ交換を行なった場合、ハミルトンだけでなく、そのチームメイトであるバルテリ・ボッタスにも前に出られてしまう。仮にメルセデスのふたりがステイアウトして最後まで走り切る作戦を採った場合、コース上で2台を抜く必要が生じるが、カタルニア・サーキットはオーバーテイクが容易でないため、これにはリスクが伴う。

 また、決勝に向けてミディアムタイヤを2セット残し、決勝はソフト→ミディアム→ミディアムと繋いだメルセデス勢に対し、レッドブル勢はミディアムタイヤを1セットしか残しておらず、ソフト→ミディアムと繋いだ後にもう一度タイヤを替えるならば、ソフトタイヤしか選択肢はなかったはずだ。フェルスタッペンは新品のソフトタイヤを残していたが、ハミルトンが2度目のピットインをしたタイミングは、最後まで持たせられるかどうかのギリギリの残り周回数であったため、そういう点もレッドブルを悩ませたはずだ。

 一方のメルセデス陣営としては、仮にハミルトンをピットに入れても、チームメイトのボッタスに抜かれるだけで済むため、事実上失うものはない状態であった。

「我々のマシンは速かったと思うが、1周目にポジションを落としたので後手に回ってしまった」とウルフは言う。

「ただ前にいたレッドブルにとっても、正しい判断をするのはとても難しかったと思う。(トップの)ポジションを明け渡してしまうとレースを落としかねないからね。逆に2番手で(後続との)ギャップがある場合、そういう判断をするのは簡単だ」

 今季のF1は4戦を終えてハミルトンが早くも3勝を挙げているが、フェルスタッペンも優勝1回、2位3回と食らい付いており、例年以上に僅差の戦いが繰り広げられている。こういった状況は、ホーナー、ウルフ共に好意的に捉えているようだ。

「我々が一歩前進して彼らに苦労をさせられるということは、このふたつのチームにとって大きなことだ。彼らはここ6、7年楽な思いをしてきただろうから、そんな彼らと戦えていることは素晴らしいことだ」とホーナーは言う。

「我々は懸命にプッシュしている。ルイスと彼のチームの地位には疑いの余地はないし、これはF1にとっても良いことだ。我々は諦めずに全力を尽くしていく。このサーキットでここまで迫れたことは励みになる」

 またウルフも次のように述べた。

「予選で3台のマシンがコンマ1秒差以内にいると、最終的に誰が前でフィニッシュするのか分からない。このような状態がシーズン終盤まで続けばいいと思っている。これこそF1が求めていたことであり、我々はこの戦いを楽しんでいる」

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