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新興EVメーカーGLMの正体 製造しない自動車メーカー? その「強み」とは

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新興EVメーカーGLMの正体 製造しない自動車メーカー? その「強み」とは

■GLMがブチ上げたスーパーカーは4000万円

 2016年9月、「パリモーターショー」でワールドプレミアされたEVコンセプトカー「GLM-G4」が、2017年4月18日、日本でもお披露目されました。2019年の量産化をめざすという、この新型車の予定価格が4000万円と高額であることも注目されました。

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「GLM-G4」は、京都を拠点とする電気自動車メーカー、GLMが開発中の新型車のコンセプトモデル。スポーツカーらしい流麗なスタイルを備えた4ドアクーペになっており、キャビンには独立した4座シートを備えています。

 最も特徴的なのは、ドアの開閉方式。観音開きとなる前後ドアは上方に跳ね上がるように開きます。GLMでは、これを「アビームセイルドア」と名付けています。

 デザインコンセプトは、「ロードヨット(路上を走るヨット)」をイメージしたものだそうで、新時代のグラドツーリングカーに仕上げていくといいます。

 2017年5月末現在、明らかにされている情報によると、パワートレインは「GLM-G4」専用に開発された高効率・高出力のモーターを前後に1機ずつ搭載することで四輪駆動化、システム全体としては最高出力540ps、最大トルク1000Nmを発揮させ、これにより0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は250km/hを実現するそうです。さらにEVとして重要な航続距離は、欧州の標準試験基準であるNEDC(New European Driving Cycle)で400kmを目指すといいます。

 販売は、日本はもちろんのこと、欧州、中東、香港、中国本土での展開を計画しており、目標生産台数は1000台を掲げています。

■メーカーであっても製造しない、GLMはどんな会社?

 さて、このスーパーEVを送り出したGLMというメーカーですが、きっと初めて耳にしたという人も多いはず。実は、今年で創業8年目というベンチャー企業なのです。そのスタートもユニークで、京都大学のプロジェクトから誕生しています。

 2014年、その第一弾モデルとして、1997(平成9)年から1999(平成11)年にかけ販売されていたライトウェイトスポーツカー、初代「トミーカイラZZ」のコンセプトを受け継ぐ、同名のEVカーを発売。「トミーカイラ復活」と話題になったことを記憶している人もいるかもしれません。

 そのような新しく、そして小さなメーカーであるGLMがEVメーカーになれたのは、「ファブレス企業」であることが挙げられます。つまり開発と販売に事業を集約し、製造は外部の工場に委託するもので、ITやファッションのメーカーに多い手法です。もちろん同社の新しい「トミーカイラZZ」も、国内の別会社に製造を委託しています。

 実は、米国のテスラ社も最初のモデルである「テスラ・ロードスター」は同様の手法で製品化が行われ、開発製造はロータスと手を組んでいました。このため、GLMを「和製テスラ」と呼ぶ声もあります。しかし、GLMが目指すのは、よりスペシャルなフェラーリのような存在だといいます。これまで存在しないEVのスーパーカー、それが「GLM-G4」というわけです。

■日本のそうそうたる面々が参加するGLMの「開発体制」とは?

 GLMは、「Made in Japan」の優れたEVを送り出すべく、元自動車メーカーの技術者を中心とした少数精鋭の開発チームが主体となり、日本の様々な企業と協力し、新型車の開発を進めています。たとえば「トミーカイラZZ」では、安川電機、オムロン、GSユアサグループ、ニチコンなど日本のトップ企業と共同開発を行っています。このように、日本が生み出した優れた技術が、GLMの最大の強みなのです。

 今後、GLMでは、自社ブランドの展開だけでなく、自社ブランド車で培ったEVカーの技術を他社に提供するプラットフォーム事業も本格的に行っていくといいます。その第一弾として公開されたのが、旭化成とのコラボレーションで生まれたコンセプトカー「AKXY(アクシー)」で、「トミーカイラZZ」(EV)のプラットフォームとパワートレインを流用し、開発されています。これはあくまでコンセプトカーですが、将来的には、自動車メーカーや新たにEVカーに参入する企業を顧客としたビジネスへと発展していくものです。

 いまはまだ小さな会社であるGLMですが、あのテスラが一気にEVメーカーの代名詞になるまで上り詰めたことは、誰しも記憶に新しいはず……。日本から、世界初のEVスーパーカーメーカーが誕生することも夢ではないかもしれません。

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