■相次いで国産コンパクトカーが全面刷新
2020年は国産コンパクトカー市場が盛り上がった年で、2月10日にトヨタ「ヤリス」、2月14日にホンダ「フィット」、10か月遅れの12月23日に日産「ノート」がそれぞれフルモデルチェンジするなど、新型モデルの登場が相次ぎました。
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なかでも好調な販売を見せるのが新型ヤリスです。発売から1か月後の受注台数は約3万7000台と、月間目標(7800台)の約5倍の注文が入るなど、早くもヒットモデルとなっています。
対する新型ノートの発売後約1か月の受注台数は、2万044台を達成。月間目標(8000台)に対して2.5台を販売し、順調に推移しています。
そこで今回は、コンパクトカートップを走る新型ヤリスと、それを追いかける新型ノートを比較してみます。
ヤリスは、これまで日本では「ヴィッツ」として販売されていましたが、フルモデルチェンジを機に海外で使用されている名称のヤリスに変更。
コンパクトカーならではの「軽快なハンドリング」という強みを活かしつつ、「上質な乗り心地」と「最新の安全・安心技術」を備えたクルマを目指して開発されました。
ボディサイズは、全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mmと、全長4mを切る小さなボディで取り回し性能も優れています。
新型ヤリスは、コンパクトカー向けの新しいTNGAプラットフォーム(GA-B)の採用により低重心を実現。スポーティでアクティブな外観で、躍動感のあるデザインを表現しました。
一方の新型ノートは、「コンパクトカーの常識を超える運転の快適さと楽しさが詰まった先進コンパクトカー」をコンセプトとして開発。
新設計プラットフォームの採用や大幅にパワーアップした第2世代「e-POWER」を初搭載しました。
ボディサイズは全長4045mm×全幅1695mm×全高1505mmとなっており、全長は新型ヤリスよりも100mmほど長いのですが、全幅、全高はほぼ変わらず、扱いやすいサイズです。
外観は、日産のVモーショングリルと薄型のヘッドランプを採用し、ダイナミックでクリーンなデザインを実現。リアは横一文字のリアコンビランプを採用するなど、日産の新しいデザインランゲージも取り入れられました。
なお、新型ノートが日産の新ロゴを装着する最初のモデルとなっています。
※ ※ ※
新型ヤリスの内装は、シンプルながら使い勝手の良いインテリアを採用。新型ノートは、コンパクトカーの常識を覆す先進的で快適な空間を実現しました。
■ヤリスとノートのパワートレインの違いとは?
新型ヤリスと新型ノートのパワートレインは、どのような特徴があるのでしょうか。
新型ヤリスに搭載されるエンジンは、1リッターガソリンと1.5リッターガソリン、1.5リッターハイブリッド計3種類を用意。トランスミッションはCVTに加え、1.5リッターガソリンには6速MTも設定されました。
また燃費については、とくにハイブリッド車がクラス世界トップレベルとなるWLTCモード36.0km/Lの低燃費を実現しています。
駆動方式は。ガソリン車(1.5リッターエンジン)は2WDと4WDがありますが、ハイブリッドでは2WDに加え、トヨタのコンパクトカーとして初めて、E-Four(電気式4WDシステム)を搭載しました。
新型ノートは、従来モデルにあった1.2リッターガソリンやスーパーチャージャーなくなり、1.2リッターエンジンと電動パワートレイン「e-POWER」を組み合わせたハイブリッド車のみの設定に変更されています。
第2世代へと進化したe-POWERは、モーターとインバーターを刷新。モーターは従来モデルに比べてパワフルになり、気持ちの良い加速を実現しました。
さらに、インバーターを小型・軽量化してエンジンの効率も高めたことで、加速性能とともに燃費が向上。29.5km/L(WLTCモード)という低燃費を達成しています。
新型ノートの駆動方式は2WDですが、2020年度内に4WDが追加されることになっています。
全車速域において4輪すべてを強力なモーターで駆動・制御することで、新次元の走りを実現した本格電動4輪駆動システムを搭載し、ドライ路面はもちろん、ウェットやアイスバーン、深い雪道などといったあらゆる路面状況において、力強く安定した快適な走りを実現するといいます。
先進安全装備では、新型ヤリスには最新の「トヨタセーフティセンス」を標準装備しました(Bパッケージ除く)。
高度駐車支援システム「Advanced Park」や、交差点右折時の対向直進車、右左折後の横断歩行者の検知を可能とするなど、トヨタ初の機能を搭載することで安心・安全をサポートします。
新型ノートは、360°セーフティサポートを実現する先進安全技術を搭載し、全方向での安全性を向上させました。
また、「プロパイロット(ナビリンク機能付)」を初搭載。高速道路での同一車線走行時の運転操作をサポートするプロパイロットに、ナビ連携機能を加えることで、制限速度の変化に伴う設定速度の切り替えや、カーブの大きさに応じた減速をシステムが支援し、安心で快適なドライブを実現します。
※ ※ ※
価格(消費税込)は、新型ヤリスのガソリン車が139万5000円から212万4000円、ハイブリッド車が199万8000円から249万3000円です。
ハイブリッド専用の新型ノートは205万4800円から244万5300円と、ヤリスハイブリッドと同等の価格帯となっています。
ヤリスにはハッチバックボディのほかに、SUVの「ヤリスクロス」とホットハッチの「GRヤリス」という派生モデルが存在され、異なるスタイルを用意することでユーザーの幅広いニーズに応えています。
3タイプのボディを揃えて登録車のトップを走る新型ヤリスですが、新型ノートがどこまで迫れるのか、コンパクトカー市場の熾烈なライバル争いに注目が集まっています。
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みんなのコメント
現実的にはヤリス超えは無理だろうし、フィットに勝てれば十分という位置づけになると思うが。