第5戦鈴鹿の12月への延期によって、シリーズ7戦目として開催されているスーパーGT第8戦もてぎ。ハーフウエイトとなる今回のレースでポールポジションを獲得したのは、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTだった。NAKAJIMA RACINGにとっては3年ぶり、ダンロップにとってもGT500では3年ぶりのポール獲得となった。
今回の予選はウエットセッションとなったが、朝の公式練習から雨量としてはかなり多い部類と言えた。その中でGT500唯一のダンロップユーザーである64号車は公式練習から速さを見せ、予選でもQ1で大草りきがトップタイム、Q2で伊沢拓也が3番手タイムを記録。そして合算タイムでトップとなったのだ。
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最近のスーパーGTでは、ウエットタイヤの開発競争が激化している。開幕前テストの際にはメーカーが新たなトレッドパターンのタイヤをテストすることも多く、メーカーごとに特色が分かれる。
伊沢は以前、ダンロップのウエットタイヤは雨量の多い場面ではチャンスがあるはずだと話していたが、今回はまさにヘビーウエット。タイヤとコンディションがマッチしたことがポール獲得の大きな要因だと話した。
「皆さんご存知の通り、今年はタイヤ戦争がまた過激化していて、タイヤメーカーさんが新しいパターンを投入してきている中で、僕らは自分たちの強みを生かそうということで(従来パターンを)キープしています」
「もっと雨量が少なかったら、もっと温度が高かったら……もしかするとポールを獲れていなかったのかもしれないですし、今日のコンディションに僕らの持ってきたタイヤがばっちりハマったことが一番だったと思います」
「雨量が1ミリから2ミリになっただけで(勢力図が)変わってしまうのが今のタイヤです。Q1、Q2トータルで見て、自分たちの持っているものが優れていたなという印象です」
また伊沢は、今回のポールは「総合力で獲れた」と話す。今季からチームに加入した大草も、Q1で最速タイムを刻みながら「僕は本当に何もしていないので……」と謙遜しつつも、「今回ポールを獲れたことは、チーム全体のレベルが高い証拠だと思う」と胸を張った。
決勝はうってかわってドライコンディションとなる予報だが、64号車とダンロップはここ最近のインシーズンテストでも好調であり、ドライタイヤにも手応えがある様子。チームとしても、ここ最近ドライコンディションの予選がなかったことは残念だったという。
「ここ数戦、SUGO、オートポリス、そして今回と、ドライで予選ができなかったことを僕らは非常に残念がっています。それだけ、今作ってきているタイヤに自信があるというか、チャレンジしているので、それを使ってどれだけ戦えるかを見たいと思っています」
伊沢はそう語る。
「僕らは事前にここでテストをしていて、そこでのパフォーマンスは非常に高かったです。その時とコンディションが違うのでどうなるか分かりませんが、ここまで来たら勝ちに行きたいというのが正直なところです」
前戦オートポリスでは自らのミスでクラッシュしてしまったということもあり、伊沢は今回のポール獲得には何より安堵しているという。
また記者会見ではGT300のポールシッターである31号車apr LC500h GTの中村仁が、ここ最近はミスや不本意なパフォーマンスが続いていることから、「今回は普通に走るのが目標です」と語り、相方で先輩の小高から“愛のある”LINEメッセージを受けとったことを明かして会見場は盛り上がりを見せたが、伊沢もそれに被せる形で「オートポリスでは普通にレースができなかったので、普通にレースがしたいなと……(苦笑)。大草選手から『普通にレースしてね』とLINEが来たので」とジョークを飛ばして会場を笑わせた。
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