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F1アゼルバイジャンGP、優勝できるはずだったフェラーリはなぜ敗れたのか【モータースポーツ】

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F1アゼルバイジャンGP、優勝できるはずだったフェラーリはなぜ敗れたのか【モータースポーツ】

アゼルバイジャンGPはメルセデスAMGの4戦連続1-2フィニッシュで終わったが、その速さは圧倒的なものではなかった。速さという点ではむしろフェラーリが優位に立っていた。ではなぜフェラーリは勝てなかったのか、もう一度振り返ってみよう。

速さではむしろフェラーリが上回っているはずだが
第4戦アゼルバイジャンGPでは、週末の走り初めからフェラーリが速かった。とくにシャルル・ルクレールの速さは出色で、フリー走行すべてのセッションでトップタイムをマーク。ロングストレートが続く高速セクターでも、狭い旧市街地の低速コーナーでも他を圧倒し、メルセデスAMG陣営を焦らせた。

1970年代のスーパーカー図鑑(1)「ランボルギーニ カウンタック」

第4戦アゼルバイジャンGP フリー走行1回目
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:47'497
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)1:49'598

第4戦アゼルバイジャンGP フリー走行2回目
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:42.872
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:43.196
3位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)1:43.541
4位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:43.793
5位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)1:44.003
6位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)1:44.177

第4戦アゼルバイジャンGP フリー走行3回目
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:41.604
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:41.802
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:42.852
4位 77 V.・ボッタス(メルセデスAMG)1:43.064
5位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)1:43.176
6位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ) 1:43.223

第4戦アゼルバイジャンGP 予選Q1
1位 10 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ) 1:41.335
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:41.426
3位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:41.614
4位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 1:41.727
5位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー) 1:41.936
6位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:42.042

優勝へのシナリオが崩れたのは予選Q2でのルクレールのクラッシュからだった。上位陣にとって決勝レーススタートのタイヤを決めることになる重要なQ2、ほとんどのドライバーがソフトタイヤを選択する中、フェラーリはタイヤ交換のタイミングの自由度が広がるミディアムタイヤを履いてチャレンジした。ミディアムタイヤでの走りに自信もあったのだろう。

しかし、ここで少しばかり誤算があった。Q1で起きたアクシデントで壊れたコースを修復するためQ2の開始時間が遅れ、路面温度が想定よりも下がってしまっていたのだった。ミディアムタイヤを履いたルクレールがここで痛恨のミスを犯してクラッシュ。セバスチャン・ヴェッテルは念のためソフトタイヤに履き替えることになり、メルセデスAMGと同じ戦略となってしまった。結局、ルクレールはQ3を走れず、しかもヴェッテルはQ3でメルセデスAMGの2台に敗れ予選3番手になってしまう。

それでも速さで勝るフェラーリ、ヴェッテルだけでなく、ミディアムタイヤでスタートするルクレールにもチャンスはまだあった。タイヤ交換を遅らせタイミングよくソフトタイヤに履き替えれば逆転できるはずだった。

しかし、メルセデスAMGの2台は無益なバトルを避けてヴェッテルをマークしながら順調に走行。波乱の展開が予想される中、スタートでの混乱もなく、セーフティカーの導入もなく、静かにレースは進行。ルクレールにタイヤ交換の絶好機が訪れることはなかった。逆転の可能性を失ったルクレールは、最後に残しておいた新品のソフトタイヤにもう一度履き替えてファステストラップを記録するにとどまった。

ルクレールはレース後「長くステイアウトしたが今日はチャンスが訪れなかった。マシンにポテンシャルがあるのは明らかで、ソフトタイヤでもなんの問題もなかった」と振り返った。

もちろんメルセデスAMGの勝利は見事で、チーム力の高さを評価する必要がある。走り出しに苦労していたが、限界を探りながら着実にマシンを仕上げていった。フェラーリに脅威を感じていたこともあって、チームメイト同士の無益な争いもなく、チーム一丸となってフェラーリに立ち向かう姿勢が見られた。開幕4戦連続1-2フィニッシュといっても、それは絶対的な強さを示すものでないことをメルセデスAMG自身がよくわかっているということだろう。

今シーズンのF1グランプリはまだ全21戦中4戦を終えたばかり。本当のシビアな戦いは、ヨーロッパに戻る、次戦スペインGP(5月10日-12日)から始まると言ってもいいだろう。

2019 F1第4戦アゼルバイジャンGP 決勝結果
優勝 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)1:31'52.942
2位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+1.524s
3位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+11.739s
4位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+17.493s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+1'09.107s
6位 11 S.ペレス(レーシングポイント・メルセデス)+1'16.416s
7位 55 C.サインツJr.(マクラーレン・ルノー)+1'23.826s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+1'40.268s
9位 18 L.ストロール(レーシングポイント・メルセデス)+1'43.816s
10位 7K.ライコネン(アルファロメオ・フェラーリ)+1周

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