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ホンダがF1復帰を発表 26年からアストンマーティンにエンジン供給へ

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ホンダがF1復帰を発表 26年からアストンマーティンにエンジン供給へ

ホンダは2023年5月24日、2026年からF1世界選手権に参戦し、Aston Martin Aramco Cognizant Formula One Team(アストンマーティン・アラムコ・コグニザント F1チーム)と2026年から施行される新レギュレーションに基づくパワーユニットを供給するワークス契約を結ぶことで合意した。

F1は、2030年のカーボンニュートラル実現を目標として掲げ、2026年以降は100%カーボンニュートラル燃料の使用が義務付けられるとともに、最高出力の50%をエンジン、50%を電動モーターで生み出し、現在と比べて出力に占める電気エネルギーの比率が大幅に高められることになっている。

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具体的には、2026年からエンジンの出力を抑える一方で、走行するマシンから減速時などにエネルギーを回収して電気エネルギーに変換する、エネルギー回生システム(ERS)の出力を現在の3倍に引き上げ、エンジンとモーターの最高出力が同等となるシステムとなる。

このレギュレーション変更は、ホンダのカーボンニュートラルの方向性に合致し、その実現に向けた将来技術の開発に大きな意義を持つことから、新たに参戦を決定したと説明している。

なお、こうしたカーボンニュートラルを目指すレギュレーションのため、2026年からはアウディ、ポルシェ、フォード、キャデラックなど新たなワークス・チームの参戦が決定しており、ホンダも改めて挑戦することになるわけだ。

ホンダの三部社長(左)とローレンス・ストロール会長なお、ホンダは2020年10月に2021年シーズンを持ってF1活動を終了することを発表した。2050年にはカーボン・ニュートラル(実質CO2排出量ゼロ)を実現するという長期目標を達成するために、燃料電池車(FCV)、バッテリーEV(電気自動車)など、将来のパワーユニットやエネルギー領域での研究開発に経営資源を重点的に投入し、そのためにエンジニアを集中的に投入したため、F1活動を終了するとしていた。

2021年シーズンに向けて、ホンダは新開発のF1パワーユニットを投入し、このパワーユニットの戦闘力は大幅に向上した。そのため、このパワーユニットの供給を受けているレッドブル・レーシングはこの最新ユニットの継続使用を要請し、2021年10月にホンダはレッドブル・パワートレインズにパワーユニットをの開発・製造を移管することを決定している。つまりホンダのパワーユニット技術をレッドブル・グループが2022年以降のF1に参戦するために継続使用し、ホンダはレッドブル・グループ傘下のスクーデリア・アルファタウリとレッドブル・レーシングのF1参戦を支援して行くことになった。具体的にはパワーユニットの組立支援や、サーキットにおけるレース運営のサポートをホンダが行ない、従来のホンダのイギリスにおけるF1参戦活動の拠点であるホンダ・レーシング・ディベロップメントUKの従業員をレッドブル・パワートレインズへ転籍させている。

そして2022年8月にはホンダはレッドブル・パワートレインズは2025年シーズンまでのF1世界選手権参戦用のパワーユニットに関する支援について合意した。

F1復帰の背景

一方、ホンダは4輪、2輪のレース活動を統括するホンダ・レーシング(HRC)部門を2022年から強化した。また、FIAが発表した2026年シーズン以降、ホンダはどうするのか? 実はFIAが発表した2026年以降のF1のパワーユニット・メーカーとして登録した6メーカーのうちひとつに、HRCがあった。HRCの渡辺康治社長は製造者登録を済ませたことを認め、研究開発のために登録したと語っている。

ところが、2025年まで提携するレッドブル・パワートレインズは2026年からはフォードと提携することを発表し、HRCの存在は宙に浮いた形となった。HRCの渡辺康治社長は、レッドブル・パワートレインとはコミュニケーションを取っているので、2026年からレッドブル・パワートレインズがフォードと契約することは事前に知っていたという。そして2026年からはレッドブル・パワートレインズとの関係が切れるため、他の複数のチームからHRCにコンタクトが来ていることを認めた。

そしてホンダ本社の決断によりその中の1チームである、アストンマーティンF1チームと合意に至ったわけである。この背景には、F1がカーボンニュートラルを追求することと同時に、現在のF1のオーガナイザーがアメリカの企業であり、今後はアメリカにおけるF1レース人気の興隆が企画されていることも後押ししたものと考えられる。

ホンダ 三部敏宏社長のコメント
「F1が、ホンダの目指すカーボンニュートラルの方向性と合致するサステナブルな存在となり、私たちの電動化技術を促進するプラットフォームになること。これがホンダとして再びF1にチャレンジする大きな理由の一つとなりました。ホンダは世界のレースに挑戦し、勝利することで成長してきた企業です。2026年からの新レギュレーションでは、小型・軽量・高出力のモーターや、大電力を扱える高性能バッテリーとそのマネジメント技術が勝利への鍵となりますが、ここから得られる技術やノウハウは、電動フラッグシップスポーツを始め、これからの量産電動車の競争力に直結する可能性を秘めています。さらに、現在研究開発を進めているeVTOL(電動飛行機)など、さまざまな分野にも生かすことができると考えます」
「新たなパートナーとなるアストンマーティン・アラムコ・コグニザント F1チームとは、勝利への真摯な姿勢と情熱で大いに共感し、アストンマーティン・アラムコ ホンダとして、2026年からともにチャンピオンを目指すことになりました。地球環境の保全とレース活動が共存できるよう、チャレンジングな新レギュレーション導入の英断を下されたFIA、また、F1のブランド価値を高め、発展させてきたフォーミュラワン・グループには大きな敬意を表します」

アストンマーティンF1チームの2023年仕様のAMR23アストンマーティンは2016年からレッドブル・レーシングのスポンサーとなりF1で1960年以来のアストンマーティンの名称を復活させた。しかし2019年~2020年にアストンマーティンの経営が悪化し、その結果、カナダの大富豪のローレンス・ストロールとその投資グループがアストンマーティンの株式を取得し会長となった経緯がある。そしてストロール会長の息子のランス・ストロールが2018年から所有していたF1チーム「レーシング・ポイント(旧フォース・インディア)」を2021年からアストンマーティンのワークスチームに名称変更し、F1コンストラクターとしてのアストンマーティンが、61年ぶりに復活している。これが現在のアストンマーティン・アラムコ・コグニザント F1チームなのである。なお、現時点で同チームはメルセデス・チームのパワーユニット、ギヤボックス、リヤサスペンションを使用している。

アストンマーティン・アラムコ・コグニザント F1チームのローレンス・ストロール会長のコメント「我々はホンダ、HRCを歓迎しています。私たちは、レースでの勝利に向けた熱意と決心、そして飽くなき野心を互いに共有しています。ホンダは世界的な企業であり、長年にわたるモータースポーツにおける成功は、信じられないほど素晴らしいものです。2026年からともにエキサイティングな未来に乗り出すにあたり、三部氏、渡辺氏、そしてHRCのチーム全員に感謝したいと思います」

ホンダのF1参戦には巨額が投入されるがゆえに、常に技術部門と営業部門、アメリカ部門との綱引きが繰り返された歴史を持つが、今回の決定はどのような評価を受けるのであろうか。

アストンマーティン・アラムコ・コグニザント F1チーム 公式サイト

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ホンダ 公式サイト

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みんなのコメント

3件
  • 頑張ってほしい。
  • EV全振り宣言したのに、なんでエンジンやってんの?
    やるんなら電動の方でしょうよ。
    迷走っぷりがハンパないわ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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