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違反するのは交通ルールを知らないから? 『自転車の免許制』について考えてみる

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違反するのは交通ルールを知らないから? 『自転車の免許制』について考えてみる

2023年5月30日に全国2880カ所で実施された全国一斉指導取締りでは、罰則を伴わない指導警告票の交付が1万1525件、罰金の対象となる検挙件数が516件という結果になったと報道されています。

なかでも悪質な危険運転であると判断された検挙件数に注目してみると、516件のうち、「信号無視」が189件(36.6%)、「指定場所一時不停止」が199件(38.6%)と、誰もが知っているはずの基本的なルールが守られない違反だけで、全体の約75%占めるという残念な結果となっています。

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この様に「基本的なルールが守られていない」という結果が出てくると議論になるのが、『自転車の免許制』です。

クルマやバイクと同様に免許制にすることで、自転車を利用する人に交通ルールを周知し、交通事故の減少や法律の遵守、マナーの向上などを期待するものですが、果たして『自転車免許制』は必要なのでしょうか?

まず『自転車免許制』を導入した際の最大のメリットとして考えられるのは、交通ルールの周知です。

自転車利用者が違反してしまう背景として、道路交通法などの法律に触れる機会がなく、交通ルール自体を知らないといった背景もあります。免許を取得するには法律を学ぶ必要があるので必然的に交通ルールを知ることになり、ルール違反を指摘された場合も「知らなかった」では済まないので、違反抑止に大きな影響力を与えると考えられます。また、そのことは交通法規を遵守し運転マナーの向上などにもつながるでしょう。

現状では運転免許が必要ない自転車は「交通反則通告制度(反則金制度)」の適用外なので、何らかの違反を犯して検挙された場合、点数の加算や、反則金の納付で免除されることなく、いきなり刑事罰の対象となる可能性のある告知票、いわゆる「赤切符」が交付されます。

交付後、もし略式起訴されるようなことがあれば「被告人」となり、刑罰が科されて「前科」となります。

『自転車免許制』を導入した場合は反則金制度も適用されると思われるので、検挙された場合も「青切符」というクッションがある、と考えられます。

ちなみに「自転車屋」目線で考えると、『自転車免許制』が導入されればクルマやバイクのように自転車の安全性を担保するための「車検」のような制度も合わせて導入されると思うので、整備・点検の仕事が増えるのではないか……という淡い期待もあります。

ただ一方で、『自転車免許制』が導入されれば、「誰もが気軽に乗ることができる移動手段」という自転車の大きなメリットを失うことになります。

子供からお年寄りまでが利用する生活に便利な乗りものという地位は奪われ、利用するハードルが上がることで自転車の利用者も大きく数を減らすことになるでしょう。

また、自転車の走行レーンなどの社会環境が整備されていない状態での免許制の導入に疑問を呈する声も上がるでしょうし、そもそも免許制を導入するための莫大なコストをどうするのか、といった問題もあります。

現実的な対策として、自転車を移動手段として本格的に利用し始める小学校の高学年や中学校などで、授業の一環として交通ルールを学ぶ機会を義務付けるのもひとつの方法ではないでしょうか。

講習を受けて何らかの証明書を取得すれば自転車を利用できる、とすれば、免許制よりも一段ハードルを下げた制度として実現の可能性が見えてきそうです。

すでに自転車に乗っている成人はどうするのか? という混乱を招くかもしれませんが、数十年先の未来を見据えた場合、自転車を誰もが安全に使える状態を維持するには必要になってくるのかもしれません。また、将来的な電動キックボードの普及などを考えると、検討の価値はありそうです。

ここまで『自転車免許制』について考えてみましたが、賛成・反対のいずれにしろ、根底にあるのは自転車のルール違反をなくし、安心・安全に利用したいという思いであることは間違いないでしょう。

あらためて、冒頭の全国一斉指導取締りの結果から、違反の内訳は「信号無視」、「指定場所一時不停止」という誰もが当たり前に知っているであろう内容でした。つまり、「交通ルールを知らないから守らない」という単純な理由だけではないことが推測されます。

『自転車免許制』の賛否を議論する前に、自分自身の自転車利用マナーなどを振り返って、まず考えるべきことがありそうです。

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みんなのコメント

61件
  • 信号無視や一時停止は知らなかったというレベルのルールではないよ。
  • アシスト・モビリティー(モペット)・キックボード・スケボー全て自動二輪扱いで良いんだよ!
    歩道走行完全禁止で!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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