とある理由から宮崎県で使うための愛車を探していたフェルディナント・ヤマグチ氏だが、その時に急浮上したのが先代カングーのMT車だったという。その悩ましくも楽しい愛車選びで決まった先代カングーに魅了された理由について語ってもらった。
文/フェルディナント・ヤマグチ、写真/フェルディナント・ヤマグチ、ルノー、ベストカー編集部
やっぱ終着駅はカングーなの!? ド定番も狙いは先代?? サーファーだからこそのカングー像とは?
■なぜ先代カングーなのか……
16年ぶりのフルモデルチェンジを受け、3代目となった新型ルノーカングー
ルノーの看板娘であるカングーが16年ぶりにフルモデルチェンジされ、3代目となりました。日本はカングーにとって特別な市場でありまして、輸入販売されるルノー車のうち、実に3割強がカングーという人気ぶりであります。
実は不肖フェル、今や先代モデルとなった2代目カングーを宮崎に所有しておりまして、現地の足として愛用しております。と、これだけ書いても何がなんだかワケがわかりませんよね。今回は、「なぜ宮崎?」そして「なぜ今さら先代カングー?」という読者諸兄にとっては、まったくもってどうでもいいお話をしようと思います。
ここ3年ほど私はサーフィンにどハマりしておりまして、サーフィン天国の宮崎県に足繁く通っていました。当初は私にサーフィンを教えてくれた大金持ちの友人の別荘に泊まっていたのですが、それだと彼が宮崎にいないと泊まることができません。つまりはサーフィンに行けません。これは困る。
「君がいない時でも宮崎でサーフィンを楽しみたい」と訴えると、「鍵を預けますから、僕がいなくても家もクルマも好きに使っていいですよ」なんて鷹揚なことを言う。金持ちほどケチと言いますが、彼ほどの大金持ちになるとそんなセオリーは通用しないのです。
しかし、それはさすがに気が引ける。いくら私が図々しくても、留守宅に上がり込んでクルマまで乗り回すのはマズイでしょう。かくして、「それじゃ近くに部屋を借りよう」と相成った訳です。
波乗りにはボードやらウェットスーツやらのグッズが必要ですからね。東京から毎回持って行くのは面倒すぎる。遊び道具を何でもブチ込んでおける、使い勝手のいい部屋が必要なのです。
■宮崎での部屋が決まれば次はクルマ!
筆者が所有する先代ルノーカングーの車内にはサーフィン用具が満載!
かくして部屋は決まった。次はクルマです。ボードを積んであちこちの海岸を巡りますから、波乗りにはクルマが絶対に必要です。
一方、あくまでも東京がベースで宮崎には月に何日か滞在するだけですから、そこまで巨額の資金は投下できない。まあレンタカーでいいか……なんて軽く考えていたら、ここで驚愕の事実が明らかになりました。
ローカル意識の強い宮崎のサーファー諸侯の間では、レンタカーを表す「わ」ナンバー差別があるというのです。他府県ナンバーは何かと肩身の狭い思いをするから、軽トラでも何でも地元ナンバーのクルマを買ったほうがいい、波乗りを通して知り合った友人が口を揃えてこう言うのです。
なるほど、地元ナンバーね。クルマでモメるのは嫌ですから、中古で安くてよさそうなクルマを探しましょう。サーフィンが主たる目的なのだから、気軽に板をポンポン放り込めるような、収納性の高さが何よりも大切です。
■楽しくも悩ましい愛車選び
筆者所有の先代カングーは、とある自動車評論家のお薦めでMT車を選択したという
となるとハイエース。しかし、ハイエースは東京でバイクのトランポ用としてすでに持っている。いくらなんでも同じクルマの2台持ちは芸がない。ならば少し小ぶりの商用車であるライトエース。あるいはノア/ヴォクといった乗用ミニバン。振り切って軽バンという手もある。ああ、クルマの購入で悩むのって、なんでこんなに楽しいのでしょう。
ゴルフやパサートのヴァリアントも年式が古いと値段がこなれている。王道でメルセデスベンツのCクラスワゴンか、BMW3シリーズのツーリングという手もある。悩んで悩んで悩み抜いた末に行き着いたのが、5年落ちの赤い先代カングーなのでありました。
信頼できる、ある自動車評論家氏に「今度中古でカングーを買うんだ」と話すと、彼はすかさず「いいじゃないですか。最高に楽しいクルマですよ。ただ、中古を買うのならAT車は避けるべきです。漏れなく故障が付いてきます」なんて恐ろしいことを言う。
クルマそのものはいいけれども、ATの不調で悩んでいる人が多い、と。なるほどATはダメですか。それではMTに限定して、5年落ち以内、走行5万km以下、もちろん修理歴ナシで色不問。これらを条件としてサーチをかけると、何台か候補が出てきました。
色は赤で5速MT。走行は3万6000kmと条件をみごとに満たしていたので即買いしました。
■新型カングーも楽しみ!
ロングボードも収容できるなど高い週能力を持つ先代カングー。全体的に「ゆるふわ」な運転間隔にも筆者は惹かれたという
いや、いいですねぇカングー。助手席の背もたれを倒して座面をスライドさせれば段差がまったくない完全なるフルフラットになる。ロングボードも収容できるほどの鬼の収納力。決して高級ではないけれども、優しくドライバーを包み込むホールドに優れたシート。
ステアリングを切ると、じわっと大きくロールするのがたまりません。初めて運転するのに、長く乗ってきたような不思議な運転感覚。何と言いましょうか、全体的に「ゆるふわ」な感じなのですが、しかしその一方でクルマ全体にはバシッと芯が通っている。そんな印象のクルマです。
この原稿を書いた明日から某誌の取材で新しいカングーに乗るのですが、こちらも楽しみなクルマです。私が乗っている2代目は初代よりもガラがだいぶ大きくなったので、「デカングー」なんて揶揄されていましたが、3代目の新型はさらに大きくなっています。古くからのファンは何と呼ぶのでしょう。「ドデカングー」とか「巨デカングー」とか呼ばれるのでしょうか。
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みんなのコメント
残念だけど魅力が皆無。
国産競合車と比較すると全てが残念。
価格の割に内装はチープ。
加速も良くないし、燃費も悪い。
乗り心地も商用車と変わらない位。
1年ほどで売却した時は査定が無いに等しい。
何が魅力なんだろ?
どなたか教えていただきたい。