角田裕毅、アゼルバイジャンGP予選で望外のQ3進出果たし8番手「マシンのパフォーマンスを最大限に発揮できた」

　アルファタウリの角田裕毅は、F1アゼルバイジャンGPの金曜日に行なわれた予選でQ3に進出。日曜日に行なわれる決勝レースの8番グリッドを確保した。

　今シーズンのアルファタウリは、開幕から厳しい戦いを強いられてきた。マシンのパフォーマンスは低調であり、コンストラクターズランキングも獲得ポイント1で、ウイリアムズと並んでいる。

　そんな中でも角田は奮闘し、ここまでの3戦で常に入賞争いを演じてきた。そして約1ヵ月の休息を挟んで迎えたアゼルバイジャンGPの予選で、さらなる輝きを見せた。

　当初、予選Q2の最初のアタックで、新品のソフトタイヤを使い切ったように見えた。しかしチームは、土曜日のスプリントシュートアウト（スプリント用の予選）のSQ3用のタイヤを角田に履かせ、コースに送り出す作戦に出たのだ。スプリントシュートアウトのSQ3では、新品のソフトタイヤを使うことが義務付けられているため、これで角田はSQ2を突破したとしても、SQ3を走ることはできない。しかし、多くのポイントを獲得できるのは、スプリントではなく決勝レース。チームはその可能性に賭けたのだろう。これが功を奏し、Q3進出を決めた。

　それでも予選Q3で使える新品のソフトタイヤは残っておらず、苦戦は必至と思われたが、ランス・ストロール（アストンマーチン）とオスカー・ピアストリ（マクラーレン）を中古タイヤでのアタックながら凌ぎ、8番グリッドを手にした。

「チーム全体が素晴らしい仕事をしてくれました」

　角田はチームのプレスリリースにそうコメントを寄せた。

「僕たちの弱点は直線スピードでしたが、ファクトリーの全員が競争力を高めるためのアップグレードを用意するために、懸命に働いてくれました。この結果には満足していますし、今後に向けてとてもワクワクしています」

「予選では、マシンのパフォーマンスを最大限に発揮できたことに満足していますし、今年初めて8番手を獲得できたことに安堵しています。これは正しい方向への一歩ですし、今週末はポイントを獲得できる可能性があります」

「スプリントと日曜日の決勝レースでポイントを獲得できるよう、さらに多くのパフォーマンスを見つけるために、引き続き取り組んでいきます」

　チーフ・レースエンジニアのジョナサン・エドルズは、角田の走りを讃え、当初からスプリントではなく決勝レースを注視していたと明かした。

「いくつかの新しい空力コンポーネントを投入したが、直近のイベントに基づいて予想された競争力は、Q3進出は難しいというモノだった。そのため、より多くのポイントを獲得できる日曜日の決勝レースをできるだけ良いポジションからスタートできるよう、FP1で予選に向けた準備に多大な努力を払った。そのため、FP1でふたりのドライバーに、ソフトタイヤ2セットと、ミディアムタイヤ1セットを使わせることにした」

　そうエドルズは語った。

「赤旗が何度も出たため、Q1ではタイヤの準備を整えるのがとても難しかった。そのため、ユウキのプランについては、かなり流動的にならなければいけなかった。ただ、ユウキの貴重なフィードバックにより、チームは状況をマネジメントし、Q3に進出するために素晴らしい仕事をした」

「FP1での予選に向けた準備がうまくいかなかったため、Q3には新品タイヤが残っていなかったが、ユウキはユーズドタイヤで素晴らしいタイムを記録し、日曜日のレースに向けて8番手を手にした」

　なおマクラーレンのランド・ノリスも、SQ3用のソフトタイヤを予選Q3で使った。そのため、ピレリの発表でもノリスと角田はソフトタイヤの残りが新品0、中古5となっている。

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これで直線がスピード出ないといい訳できんな